Tide of Iron:07/01中野歴史研究会
このところ猿のようにCombat Comanderをプレイしていましたが、これと何かと対比されることの多いのが、FFGの新作Tide of Iron。
週末の中野歴史研究会にて、同作品を精力的に紹介されているささきしのぐ氏のお誘いでプレイすることができました。
今回プレイさせていただいたシナリオは、小川対岸の集落を守る独軍歩兵部隊を、米軍機械化歩兵部隊が駆逐するもの。
N村米軍は右翼から左旋回で攻勢に出ますが、
最後まで左翼前面の機関銃部隊を制圧できず、死屍累々。
陣地攻略用に色々と用意されたシナリオ特別ルールを使いこなせず、手詰まりとなり米軍側投了となりました。プレイ時間はインスト込み3時間弱というところです。ちょっと長考気味でしたので、慣れれば2時間は切れるでしょう。
肝心のシステムですが、「6出ろシステム」で交互移動のPanzer Blitzに、イベントカードが乗っかったという印象でした。部隊の行動は基本的に3ユニットごとの交互アクション。行動したユニットは行動済みとなっていきますが、ターン中に行動できるユニット数自体の縛りはありません。「6出ろシステム」なのは珍しいですが、見た目に反してベースとなっているのは手堅くシンプルな戦術級ゲームです。
カードプレイはCDSのイベント的な用法で、Combat Comanderのように「○○カードが来ないので何もできない」ということはありません。そういう意味では意外と保守的なシステムです。
またこのカードの使用に必要なコマンドポイントは、盤上の重要拠点を押さえることにより補充されるシステムとなっています。カードは使えば使うほど有効ですし、イニシアチブ獲得にもコマンドポイントが必要ですので、CP補充拠点は必然的に激戦地となり展開を誘導する仕掛けです。
またなかなかラディカルだと感じたのが、シナリオによるカードデッキの扱いです。デッキは陣営別などで分けられているわけではなく、「砲兵」「増援」「航空支援」「コマンド支援」といった複数の機能別デッキに分けられています。シナリオでは「独軍は『増援』と『砲兵』、米軍は『航空支援』と『コマンド支援』を使用する」といった具合にデッキが割り振られます。
この点は、国別とはいえ各デッキにそれほど違いはないCombat Comanderと比べ、状況を多様にする巧い処理だと思います。
Up Front好きのN村としては、思うようにいかない状況の中で最善手を探るCombat Comanderのシステムの方が好みです。しかし一般的なゲーマーにとっては、Tide of Ironの方がオーソドックスで馴染みやすいシステムではないかと思います。
FFGの販売戦略としてはあり得ないと思いますが、いっそカードシステムを取り払って通常のカウンターで作ったら、雑誌付録も可能なコンパクトな戦術級入門ゲームができるんじゃないか、などと思ってしまいました。
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