2007年のＮ村的ベストウォーゲーム

2007年はＮ村のウォーゲーム歴の中では、プレイタイトル数でおそらく過去最高となりました。
今年のゲーム生活の締めとして、特に印象に残ったタイトルを選んでみたのが以下の3作です。
今年初プレイとなったタイトル限定で選出してあります。

Downtown:The Air War Over Hanoi, 1965-1972(GMT)

本 blog の開始時期からは外れますが、2007年序盤は本作を集中プレイしていました。

「ある日のある目標に対するストライクパッケージ」という切り取り方が秀逸。個々の空戦や爆撃であれば戦術級空戦ゲームのシナリオにありがちですが、各戦闘が攻撃隊の中でどんな位置づけにあるのかを見せながら、作戦が順次進行していく様子を確認できるのは圧巻です。そして攻撃目標がハノイ近郊と決まったときの絶望感。

個人的には、当面の空戦ゲームはこれと Down in Flames(GMT)で十分かなという気分になっています。今後のシリーズ展開も期待。

難点はルールが独特かつそれなりに大部なこと。またVPでバランスをとっているとはいえ、北ベトナム側は基本的に受け身でゲームマスター的なプレイスタイルが要求される点でしょうか。Ｎ村自身はゲームマスタープレイや、プレイヤー同士でシステムを読み解きながらプレイする「輪講プレイ」が苦にならないのですけど（というか好きです）。

ルールについては和訳を作成された千口様に感謝。私の英語力でこれを読んでいたら何年かかったことやら。また当初本作はノーマークだったのですが、もりつち様と Immmelmann のプレイ報告に触発されて入手したという経緯があります。本 blog の記事も、何処かのゲーマーのプレイ意欲の喚起に繋がるっていることを祈りつつ、併せて感謝いたします。

Combat Commander:Europe(GMT)

発売以来、下半期を通してＮ村のメインゲームとなりました。

ボードを使う Up Front とういうか、カードドリブンの Squad Leader というか、ありがちな思いつきをこの完成度でまとめてしまった手腕に脱帽。また戦車が全く登場しないのは発売当初から指摘されている欠点ですが、ルールをコンパクトにまとめた英断だったと思います。ちなみに上の画像は、2007/4/2 の FAQ から戦車の件に関する MacGowan の Graphical Answer です。

ただし Up Front に見られたカードゲームならではのシュールさは健在というか、ボードを使うため更にパワーアップしているのが難点。Up Front の「突如出現する鉄条網」「移動カードが来ないので平地の真ん中で停止中」といった理不尽さが受け入れられなかった人は、本作も受け入れがたいものでしょう。先日の「Gordov伍長彷徨事件」など、私はそのあたりを強引に解釈するのが大好きなので、Up Front 同様に Combat Commander も大変気に入っています。

本作のルールについては、和訳を公開していただいてるSADA様に感謝。アップデートのたびにお世話になっております。

Shifting Sands:The Campaign for North Africa 1940-1943(MMP)

北アフリカ戦役は守備範囲外となっていたＮ村でしたが、秋に kotatu氏にご紹介いただいて一戦で一目惚れ。久しぶりにお勧めを受けて購入したゲームとなりました。あの節はプレイにお誘いいただきありがとうございました。

本作も秀逸なのは扱う範囲の切り取り方。期間・戦域とも大きめで、真の主役が DAK ではなく英連邦軍中東方面司令部であることを伺わせます。そしてこの規模にもかかわらず、半日で決着が付くプレイアビリティも魅力。そしてイタリア軍のウザイこと。戦力的には問題外なのですが、これを一掃するとなると恐ろしく骨が折れます。手薄で嫌な場所は突いてくるなど、弱いなりにこれほどイタリア軍が活躍できるゲームも珍しい。

不満点としては、枢軸側に傾いたバランスの悪さと、トーチ作戦の唐突さといったあたりが挙げられます。しかしそういった点を差しい引いても、ロンメルだけではないアフリカ戦線というテーマは大変に魅力あるものでした。


以下次点で Hell's Highway(VG) と Sealords(S&T#243)と続きます。
Hell's Highway では作戦戦術級の面白さを再確認。これはお誘いいただいた YSGA に感謝。
Sealords は一見無茶なルールで、独特のシチェーションをまとめあげた Miranda の芸に。

来年は Athen & Sparta(Col)あたりから、積み木にも手を出してみたいですね。