« Sideshow:GGG05/11 | トップページ | The Battle of the Hydaspes(326BC):シナリオルール(2) »

The Battle of the Hydaspes(326BC):シナリオルール(1)

Great Battles Alexander の Hydaspes シナリオを対戦予定で読み返したついでに、未訳だった該当箇所をテキスト化しています。
以下長文。

The Battle of the Hydaspes(326BC)

西方文明世界の覇権に決着がついた後も、アレクサンダー(Alexander)と配下の「ジャガーノート」の如きマケドニア軍は、彼の未知への欲求と征服欲を満たすため、危険を顧みずにインド亜大陸へと行軍を続けた。
ヒュダスペス(Hydaspes)河(現在のジュラム(Jhelum)河)までたどり着いた彼らは、そこでこの地を治める有力な藩王(Raja)、ポロス(Porus)王の勢力と遭遇した。
深く流れの速いヒュダスペスの渡河を対岸に並ぶポロスの象部隊により妨害されたアレクサンダーは、計略を用いて川上の渡河点へと迂回し、渡河を成功させるとポロスの軍勢に決戦を強要した。
ポロスの戦象部隊によりファランクス部隊は混乱を来たしたものの、アレクサンダーと配下の騎兵部隊は大胆な迂回機動によりポロス軍の側面を突き、泥濘によりその能力を発揮できずにいた軽装歩兵部隊を崩壊させた。

バランス(Balance):モジュール「ジャガーノート」(Juggernaut)に収録されていた本シナリオのオリジナル版は、全く異なる特性の軍勢同士の戦いであるにもかかわらず、非常にバランスのとれたシナリオだったが、我々はより「完成された」ポロスのシナリオをここに紹介する。

難易度(Difficulty):ゲームシステムとプレイスキルの双方に対する絶好の課題;会戦に勝利をおさめるのは容易ではない。

推定プレイ時間(Estimated Playing Time):4時間。

地図盤(Map):ガウガメラ(Gaugamela)マップの大きな方を使用する。ヒュダスペスの戦場は障害もなく平坦だった。

デザインノート(Design Note):ヒュダスペスに関しては、特にポロス配下のインド勢の下級指揮官とその兵力についての正確な「戦闘序列」が伝わっていない。こうした各軍の正確な兵力数は、戦列の長さや縦深(側面包囲戦術の成否に関わる)を推定するには重要な要素である。我々は両軍勢の相対的な展開幅を考慮した配置を用意した。


特別ルール(SPECIAL RULES)

指揮官と個人戦闘(Leaders and Personal Combat)

インド側の指揮官たちはそれぞれ専用の象に騎乗していたため、このシナリオにおいては個人戦闘のルールは使用しない。また象に騎乗している効果として、指揮官の負傷判定においては以下の修正を使用する:

・打撃戦闘(Shock)においては、負傷判定の2番目のロールに-2DRの修正を適用する。
・投射兵器(Missile)に対する負傷判定においては、上記の修正は使用しない。

[訳者余談:Alexander初版では、インド軍指揮官ユニットは指揮官と戦象1頭から構成される戦闘ユニットとして登場しており、騎乗している戦象による戦闘も可能だった。(通常の戦象ユニットは5頭編成)。さすがにこれはやりすぎたと反省したらしく、このシンプルなルールに変更された]

装甲戦象部隊(Cataphracted Elephants)

ポロス軍の戦象部隊には、鎧を装着していたことを示す記号が付与されている。これらの部隊が実際に「装甲化」されていたかは疑わしいが、そのような可能性も考慮されている。ヒュダスペスにおけるポロスの戦象部隊は、その他すべての部隊を上回る活躍をみせており、これはヘラクレイア(Heraclea)におけるピュロス(Pyrrhus)の戦象部隊(奇襲効果が最大の武器だった)の戦いぶりに匹敵するものだった。
この装甲化された戦象部隊をプレイに導入することを選択する場合、象部隊を目標としたすべての投射兵器のDRには以下の修正を適用すること:
・弓兵(Archer):+2DRM
・投槍兵(Javelinist):+1DRM

[訳者余談:特別ルールといいながら適用は任意]

>>インド人投射兵器部隊(Indian Missile Units)

アリジェヌム(Arigaeum)シナリオの特別ルールを使用する。
[The Battle of Arigaeumより]
・インド弓兵(Indian Archer)はDRが7,8,9の場合に「残弾少」(Missile Low)となる。
・インド軽装騎兵は最初の射撃で自動的に「残弾少」となる。
・インド弓兵は同じターン中に移動と射撃を実施することはできない。
・インド弓兵の射撃に対しては、重装歩兵(HI)とファランクス(PH)は+1DRMを得ることはできない。

>>インド弓兵のスリップ(Indian Archer Slippage Units)

インド弓兵が射撃を実施するたびに、泥濘によるスリップの効果を決定するためにダイスをロールすること。このロール結果をその射撃の成功値に対する不利な修正値として使用する。例えば、インド側プレイヤーが射程1ヘクスの射撃に対してスリップ修正値ロールとして4の値を得た場合、ヒットを得るためには射撃ロールにおいて5以下を出すことが必要となる。これらの弓兵部隊は、弓末を地面に付けてそれを左足で支える独特な射法で強力な弓を扱っていたため、ぬかるんだ場所ではその運用に大きな制約を受けていた。

[訳者余談:要するにインド弓兵の射撃ロールを1d10ではなく2d10で解決すれば良い。かなりキツイ。景気づけに一回撃ったあとは、撃たずに回復妨害に使用するのがお勧め]


選択ルール(OPTIONAL):マケドニア軍追加ユニット

マケドニア軍プレイヤーは以下の4ユニットを使用することができる:

・クラテロス(Craterus)(指揮官)
・クラテロス隊のカンパニオン重装騎兵(Companion HC)
・アラコタイ人(Arachosian)とパラパミサダイ人(Parapamasidian)騎兵部隊

[訳者余談:ArachosianとParapamasidianの読みは適当。識者求む]
[2008/5/18訂正:資料を見たらちゃんと書いてありました。訂正済]

これらの部隊(及びインド側の消極的な軽装騎兵分遣隊)は対岸で本隊の渡河終了の合図を待って待機していたものである。マケドニア軍プレイヤーは、以下の制限に従い任意のターンにこれらの部隊をヘクス1000-3400の間から登場させることができる:

[訳者余談:これらの部隊が陽動を行っている間に、アレクサンダー本隊が別の渡河点から対岸に進出した]

1. マケドニア軍のTQ損害がインド側のそれを最低10ポイント上回っている場合。ただしゲームの最初の10ターンを除く;もしくは
2. インド側の損害が15ポイント以下である場合。

これらの「増援部隊」を登場させるためには、マケドニア軍プレイヤーはアレクサンダーの命令フェイズ(Order Phase)を1回分使用しなければならない;その代りにクラテロス率いる3個の部隊を登場させ、クラテロスの命令フェイズを実施する。
クラテロス部隊は第4ターン以降のターンの開始時に登場することができる。

[訳者余談:ちなみにシナリオ自体は大体3-4ターンで決着がつくので、援軍にあまり期待しないように]

|

« Sideshow:GGG05/11 | トップページ | The Battle of the Hydaspes(326BC):シナリオルール(2) »

GBoH」カテゴリの記事

Ancients」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: The Battle of the Hydaspes(326BC):シナリオルール(1):

« Sideshow:GGG05/11 | トップページ | The Battle of the Hydaspes(326BC):シナリオルール(2) »