Heraclea(280BC):GCS07/20
Bagradas Plainsに続いて、SPQR Scenario PackよりHeraclea(280BC)をプレイ。
Heraclea(280BC):SPQR Scenario Pack(GMT)
タレントゥムに雇われてイタリア入りしたPyrrhus王と、ローマとの最初の会戦。旧SPQRモジュールのうちPyrrhic Victoryは所持していなかったため、本シナリオは私も初めてのプレイとなります。陣営はBagradasに引き続きy.nakano氏がローマ側を担当。こちらはPyrrhus率いるエペイロス勢に回ります。
写真はセットアップ。手前のエペイロス勢は由緒正しいマケドニア式の布陣。対するローマ側も6個軍団が整然と布陣。「蛮族というわけではなさそうだな」という眺めです。
ところで本シリーズでのPyrrhusの評価ですが、イニシアチブ値7でエリート能力付きとEpaminondas, Alexander, Hannibalに並ぶ高評価を受けています。ちょっと面白いのが戦略値-下級指揮官に戦列命令を使用させるために必要-の評価で、このクラスの指揮官としては異様に低い値"2"に設定されています。「戦術の天才」らしく、また小国エペイロスの限界を感じさせる評価です。
第1ターン終了時。ローマ軍は前進しながら整然と隊形を一列横隊に変換。映画「スパルタカス」でローマ軍との決戦を前にした奴隷軍団の気分です。右翼では騎兵戦に先立って突撃した戦象が、ローマ騎兵を蹂躙。また右翼で待機していた重装歩兵を左翼に走らせ、ファランクスの側面防御につかせます。
第2ターン終了時。粛々と川を渡るローマ軍。このまま歩兵戦に持ち込まれては戦列の長さで不利となるため、Pyrrhus率いるマケドニア・テッサリア重騎兵が側面突撃を開始。劣勢な右翼でも戦象の活躍でどうにかローマ騎兵の排除に成功。
第3ターン終了時。ローマ軍の前進を散兵線で足止めし、Pyrrhusの側面突撃が続きます。しかし右翼では軍団歩兵の先頭が弱体な南イタリア中装歩兵と接触。一部で戦線を食い破ります。互いに左翼を押し込む死闘が開始されました。
第4ターン終了時。エペイロス側の左翼中装歩兵は崩壊。ファランクス側面に危機が迫ります。Pyrrhusもここで勝負を決めるべく右翼ファランクスの前進を指示。ローマ側左翼も崩壊します。
最終第5ターン終了時。戦列を破られた両軍は急速に崩壊。次々とファランクスの側面を突き勝利を目前としたローマ軍でしたが、ここで総司令官のLaevinusがモーメンタムに大失敗。すかさず活性化したPyrrhusが一気に押し込みます。このターンで双方100ポイント前後の敗走ポイントを計上し、両軍同時に軍崩壊レベルに達します。結果はは敗走ポイントの判定に持ち込まれ、最後の突撃が効いてエペイロス側が辛うじて勝利を収めました。
写真は両軍の敗走ユニット。ローマ側は6個軍団中4個が敗走。勝利したエペイロス側も過半のファランクスを失う大損害で、まさに"Pyrrhic Victory"となりました。
天才率いるマケドニア式の軍勢と、圧倒的な歩兵が整然と戦列命令で進んでくるローマ軍の対比が楽しいシナリオでした。また最後までもつれこむバランスも良好で、最後の軍団歩兵のラッシュには肝を冷やしました。これを買い逃していたとは惜しいことをしていました。
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コメント
FRTと申します。
対戦がみごとに再現されていて驚きました。
互いの長所がよく出ているいい戦いですね。
面白さが伝わってきます。
私もHeracleaの戦いをサイバーボードで対戦して(SGBOH)
次の点を実感しています。
・ローマ軍が一列横隊になるとすごい圧力
(奴隷軍団の気分とは絶妙の表現)
・ピュロス王+重騎兵の突進が強烈
お薦めできるシナリオだと思います。
投稿: FRT | 2008年7月28日 (月) 18時20分
コメントありがとうございます。
ドクトリンの対比とバランスが巧く組み合わさった良シナリオですね。
> (奴隷軍団の気分とは絶妙の表現)
あのシーン好きなんです。方陣少なすぎだろうとか言われますが「なにあの戦争機械@@」という異質さを見事に出した演出だと思います。
>・ピュロス王+重騎兵の突進が強烈
しばらく左右均等のカルタゴ式が続きましたので、たまに強烈なフックをプレイすると楽しいですね。本人は小心者なので、結構ヒヤヒヤしながら突進していましたけど。
投稿: N村 | 2008年7月28日 (月) 22時15分
FRTです。
>本人は小心者なので、結構ヒヤヒヤしながら突進していましたけど。
これはちょっと意外でした。
戦いぶりからはそう見えませんでしたから。
これからも楽しいリプレイをよろしくお願いします。
投稿: FRT | 2008年7月29日 (火) 20時08分