Yellowstone(AH):YSGA08/24

「緑のもの」に続いて「生き物地球紀行」チームに合流しての4人戦。

Yellowstone(AH)

本日のゲームのうち、山内会長一押しの本作。Avalon Hillのカタログで目にしたことはありましたが、現物を見るのは初めてです。この機会を逃すとゲーム史の闇の中に埋もれてしまいそうなので、需要を無視して詳しく紹介しておきます。

アメリカの原野を舞台に、草食動物の群れの一年間のサバイバルをシミュレートしたゲーム……なんだと思います。各プレイヤーは四種の草食獣のいずれかの群れを担当。「雄」「雌」「仔」のユニットで構成されたこの群れを率い、春から秋の期間にマップ上での「渡り」をおこないます。ここで食料を確保しつつ繁殖。最後に冬のイベントを判定し、生き残った群れの構成員に応じてVPが判定されます。

写真はセットアップ。各草食動物の群れがマップ四辺の「冬の越冬地」エリアに配置されています（写真ではバイソンが抜けています）。マップ中央付近のメガヘクスが各種族の「夏の繁殖地」です。その他に盤上には、裏に獲得ポイントの書かれた「食料マーカー」と各種の捕食獣ユニットが配置されています。

ゲームは各種族が「越冬地」から「繁殖地」まで移動する春のステージから開始されます。シークエンスはプレイヤーごとに「季節のイベント判定」→「群れの移動」→「捕食獣の移動」を繰り返します。春のイベントは群れの構成員の負傷や仔の誕生、捕食獣の登場など。同族の「雌＋仔」を除いて移動中もスタック不可。このため各種族の進路が交差するマップ中央付近では大渋滞が発生します。最後はランダムに決定された捕食獣を移動させます。基本的に単独で配置されている「仔」を除き、負傷（イベントで発生）していない動物が補食されることはありません。通常は舌なめずりをしつつ、群れの周囲で移動妨害に勤しむことになります。

いずれかのプレイヤーの全ユニットが「繁殖地」に到着すると春ステージが終了。夏ステージが開始されます。夏ステージに繁殖地に留まっている群れは、毎ターン追加の食料ポイントを獲得することができます。夏ステージのイベントでは最強の捕食獣として「人間」が登場。相手の健康状態に関わらずあらゆるユニット（「人間」含む）を捕食できる恐怖の生き物です。全プレイヤーの群れが「繁殖地」に到着したら夏ステージは終了。秋ステージが開始されます。

秋ステージは「繁殖地」から「越冬地」への帰路のステージです。夏同様に「越冬地」にたどり着いている群れは、毎ターン追加の食料ポイントが獲得できます。秋のイベントでは狩猟シーズンとあって「人間」の登場比率が増加。おおむね「越冬地」で待ちかまえて群れを恐怖に陥れます。全プレイヤーの群れが「繁殖地」に到着したら秋ステージは終了。冬のイベントと越冬判定に入ります。

最後の冬イベントで備蓄食料を多少修正した後に、群れの構成員に応じた食料を割り当て、冬を越すことができたかを確認します。ため込んだ食料は「雄＞雌＞仔」の順番で分配され、食料を割り当てられなかったユニットは無情にも餓死。生き残ったユニットに応じたVPを獲得し、これが最も大きかったプレイヤーが勝利となります。ちなみにVP上は「雌＞仔＞雄」ですが、食料の消費量は「雄＞雌＞仔」の順序です。お父さんは子供の2.5倍の無駄飯喰いで、VPは1/3とかなり酷い扱い。子を持つ父親としては大変複雑な気分です。

実際のプレイの状況ですが、Ｎ村は山地の移動に有利な大角羊を担当。盤上の食料マーカーを根こそぎさらいながら繁殖地に向かいます。しかし序盤に突出すれば叩かれるのがマルチの理。越冬地へと旅立つ秋には、大角羊冬営地にはハンターが集結。貴重な雌と仔の過半を狩られてしまいます。人間許すまじ。

結果は順調な渡りで群れを維持してたミュール鹿（fsino氏）が勝利。2位は適度に雄のリストラに成功したヘラ鹿（AIR氏）。群れ半壊で無意味に雄と食料が残った大角羊は3位。最後は繁殖地に布陣した諸種族連合・捕食獣戦線の妨害で食料を備蓄できず、餓死者が発生したバイソン（山内氏）でした。

プレイしての感想ですが、AHの商品ラインとしてはファミリー向なのは確かですが、それにしては淡々かつ殺伐と進行するゲームが苦しい。家族とこれをプレイしたいかというとちょっと……。変なところで真面目で、時代の限界を感じさせるゲームです。

とかいいながら、こんな長文を書くくらいには堪能してきたわけですが。