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TDC:Kompanie Weber

The Devil's Cauldron(MMP)の作戦初期のシナリオには、盤上に伏せたイベントマーカーが配置されているものがあります。これは連合軍ユニットが該当ヘクスに隣接すると発動するもので「待ち伏せ(Ambush)」「戦車怖い(Tank Scare)」「迷子(Lost)」「大量の捕虜(POW)」などの史実に沿ったイベントがゲームに華を添えます。

こうしたイベントの中で、先日のYSGAでのプレイ時に話題になったのが画像のユニットが登場するイベントです。

Tdc_kompanie_weber_2

まず兵科記号からして怪しい。ドイツ式兵科記号表によると"Signals"とのこと。信号?通信部隊? ちなみに部隊としては論外レベルの弱さです。幸いマーケットガーデン作戦序盤に登場する通信関係の部隊というと、記憶に引っかかるものがあったので「遥かなる橋」を読み返してみましたがそれらしき記述はなし。あれれ、他にマーケットガーデンものを読んだことあったかな、とゲーム付属のHistrical Bookletの方をみてみると、Deelen飛行場の項目にこんな記述が。

"The signals staff in the headquarters bunker Diogenes had excellent communications throughout the Reich and these were used to spread the alarm. Then thinking the British airbone landing was aimed at them, the signals staff destroyed the interior of the bunker and formed an ad-hoc combat group to go off and fight the paratroopers. "
- Frank van den Bregh, The Devil's Caudron: Historical Booklet,MMP(2007) p.5

これで思い出して「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」へ。こちらのホーエンシュタウフェン師団の章にて以下の記述を発見しました。

「また、降下地点の北西に位置するディーレン飛行場には、空軍レーダー基地[テーローゼII]があり、第213空軍通信連隊第IV大隊のヴィリ・ヴェーバー空軍大尉は、配下の通信兵90名からなる戦闘団【ヴェーバー】を組織し、健気にも北西からエーデ~アルンヘム街道を越えて攻撃を加えたが、何分にも弱兵力であり牽制以外の意味は持たなかった。」
- 高橋慶史「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」大日本絵画,2001年,p.87

どうやらこの部隊で間違いなさそうです。作戦序盤に巻き込まれた有象無象部隊のひとつでしたか、と好奇心を満足させて終了。引っ張り出したついでに同書のマーケットガーデン作戦関連の章(SS第9戦車師団、第107戦車旅団)を読み直します。そして9/24のSS第9戦車師団の戦闘序列(p.101)にたどり着いたところで驚愕。てっきり序盤で退場したのだろうと想像していたヴェーバー戦闘団、まだ生きてるよ! というか肥大化してるんですけど。

・ウェバー戦闘団(1944/9/24)
「空軍レーダー基地要員部隊」,「SS衛生中隊」*2,「海軍歩兵中隊」*2,「RAD工兵中隊」*3

ちなみに9/26のオーステルベルグ包囲網の戦況図(p.104)でも頑張っています。緊急措置とはいえ、空軍大尉に連隊規模の戦闘団の指揮を任せてしまうとは恐ろしい。よほど実戦向きの人か、降下猟兵出身の人だったのでしょうか? 俄然興味が湧いてきましたが、手元の乏しい資料でわかることはここまで。要するに「侵攻に居合わせた空軍士官が、集成部隊を率いて戦役を戦い抜いた」というだけの末期ドイツ軍にはありがちなエピソードなのですが、個人的にはなかなか楽しい戦史裏話の発掘でした。

こういう発見があるので、ヒストリカル・ウォーゲームは止められません。

The Devil's Cauldron(MMP)

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コメント

こういうのを調べ出すときりがないですが高橋慶史氏や山内会長の弱小部隊への愛も理解出来ようというものです。
ちなみにEnemy at the Gates(Gamers)のヴァリアントユニットにシュタイナー小隊がありましてアクションレーティング(高いほど優秀・ARの差がまんまCRTでの修正になる・最高は5)が6という㌧でもないものです。しかも小隊なので死んでも死んでも補充(通常は歩兵補充1ポイントで1個歩兵大隊)で帰って来るという。これも一種の愛なんでしょうか。

投稿: kotatu | 2008年9月23日 (火) 16時05分

基本的にこういった行間を読むオタク的楽しみ方は好きなのですが、やりすぎるとウザがられるのが難ですね。ちょっと違いますが戦闘序列にこだわり過ぎとか。
しかしシュタイナー小隊、GDWのSFゲームのテックレベル修正みたいな奇人ぶりですね。

投稿: N村 | 2008年9月24日 (水) 18時56分

戦闘序列にこだわり出すと果てがないので最近はあんまり気にしないようにしていますが以前WWIIのドイツ陸軍の編成調べて発狂しました。1944年まで標準編成という概念がないかのような無秩序っぷりに死亡。あと作戦級やってると同じ師団でスタックしないと気が済まないとか。シュタイナー小隊はお遊びユニットなのでまあアレです。サービスです。

投稿: kotatu | 2008年9月24日 (水) 19時34分

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