Doggersbank:YSGA09/06

日曜のYSGA例会では、予定通り海賊１０番氏とFlying Colors v1.5によるShip of the Lineを対戦。ターン制限一杯近く引っ張る長期戦となりました。
というわけで、残念ながらこの日はElusive Victoryまでは至らず。

SotL: Doggersbank,1781/8/5

アメリカ独立戦争の舞台裏。対英同盟に加わったオランダ艦隊とイギリス海軍との遭遇戦。両艦隊とも大型艦6隻と小型艦1隻で隻数は互角。イギリス艦隊側が風上に布陣して戦意に勝り、対するオランダ艦隊は指揮官の人数(2:1)と能力に勝る、といった状況。艦艇の能力は両艦隊とも微妙で、Relative Rateは双方[3]が最強で[5]が主力という二戦級艦隊同士の対戦となります。担当はイギリス艦隊＝海賊１０番氏、オランダ艦隊＝Ｎ村。選択ルールは3.7.5.2 Chase Gunsと4.1 End of the Worldを使用しました。

上写真はセットアップ。右上風上側から単横陣で突撃してくるのが英艦隊。左から左舷開きの単縦陣で登ってきたのが蘭艦隊です。先に動いたのは英艦隊。一斉に面舵をとり、互いの射程ギリギリ（8ヘクス）での反航戦状態となります。さすがにこの距離では有効打もなくすれ違います。

ここで両艦隊は、互いに相手の背後を捕らえるべく取り舵。追い風で急接近した英艦隊は、蘭艦隊最後尾のHollandia(64)を捕捉して痛打を浴びせます。対する蘭艦隊は、左舷側に上手回しを試みますが、操船余地が足らずに隊列が混乱。距離があるうちに一旦風上に回り込んで、優位な位置を得ることを目論んだのですが、大きく失速してしまいこの判断は失敗。ここは面舵反転して風下への同航戦が正解でした。腹いせに接近してきた小癪なフリゲート(Dolphin-44)を集中攻撃します。

続く砲撃でHollandiaは完全に脱落。これを盾にようやく上手回しを終えた蘭艦隊。この後マストまで倒されたHollandia（下写真中央の黄色いマーカー）はたまらず降伏しますが、船体損害が祟って沈没。格上の相手に接近しすぎたDolphinも、やはりマストを倒され軍艦旗を降ろします（マスト倒壊によるStriking判定に失敗）。

風下に逃れる英艦隊に追いすがる蘭艦隊。今度は英艦隊最後尾のBrewick(74)が捕まります（下写真中央）。英艦隊は反転してこれを援護。ラッキーヒットが続いてオランダ側提督が二人とも負傷し、蘭艦隊は肝を冷やします。

直後に両艦隊の進路が交差。待ちに待ったBreak Lineの勝負となります。ここで先手をとった蘭艦隊は、英艦隊先頭のBuffalo(60)を仕留めることに成功。これに対して、英艦隊も蘭艦隊旗艦のAdmiraal Generaal(74)に砲火を集中。座乗するZoutman提督もろともこれを沈没させ、形勢を逆転させます。蘭艦隊の指揮を引き継いだKinsbergen提督は英艦隊の頭を押えることに成功しましたが、ここに来て蘭艦隊の士気が崩壊。オランダ側敗走により英艦隊の勝利となりました。

v2.0での変更点ですが、やはり一番気を使ったのがDefensive Fire Interruptionで目標艦以外が砲撃できるようになった事でした。v1.2以前では「砲撃された時点で目標艦が砲撃艦に反撃できる」というルールだったため、目標艦の死角から攻撃すれば撃ち放題だったのですが、今回は別の艦が割り込んでくる事が可能になったため、活性側圧倒的優位な状態がかなり緩和されました。

Bow Rakeの損害修正*1.5は、Relative Rateが低いと切り捨ての効果が大きく、思ったより大きな弱体化でした。Rakeの損害修正がHull Damageのみになった点は、縦射一発マスト崩壊の危険がほぼなくなったため歓迎。ただStrikingの修正により、マスト倒壊状態だけでもStrikingの判定から降伏してしまう可能性ができたため、地道にRigを狙っていくのも無駄ではありません。Grapplingにはどのみち足を止めねばなりませんので。またHit Results Table自体は、Rigを狙った方が何らかのHitが出やすいように改訂されています。

選択ルールのChase Gunは、距離が遠いうちはいいのですが、乱戦になるとほぼ必中になるので地味に痛いです。あればあったら面白いルールですが、近距離での命中率をもうちょっと下げても良さそうに思います。

というわけで、細かいところで微調整が入りましたが、基本的システムに変更はないのでプレイ感はほとんど変わらず。良くも悪くもv2.0への繋ぎの改訂という印象です。