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Hearts and Minds 3戦:GCS04/18

3月の坂戸例会にHearts and Mindsを持参したところ、意外に感心を示してきたメンバー多数。これは早速プレイしてみなければということで、4月例会で帝王氏と終日プレイに勤しんできました。
帝王氏にはルール読解にも多大な協力をいただき、当日はスムーズにプレイを開始することができました。ありがとうございます。

Hearts and Minds(Worthington Games)

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米軍本格介入からサイゴン陥落まで、1965年~1975年のベトナム戦争を1ターン1年でプレイする戦略級ベトナム戦争ゲーム。カードドリブン・システムを使用することにより、政治要素満載のこの戦争をキャンペーンで6時間程度のプレイ可能な規模に凝縮しています。

また任意の年からゲームを開始することが可能で、各年にアメリカの戦争遂行意志を表すHawk/Doveポイントの勝敗ラインが設定されており、任意の年に終了できるという形式です。このため特に「キャンペーンシナリオ」が用意されているわけではなく、キャンペーンの場合は単に「1965年から開始して、最終ターンまたはサドンデス条件達成までプレイする」ということになります。

地図盤はエリア形式で南ベトナム全体を収録。またラオスとカンボジアの国境地帯も含まれており、「ホーチミン・ルート」「シアヌーク・ルート」を巡る戦いも範疇に含まれています。特に「ホーチミン・ルート」ののど元に位置するラオス政府軍の動向が重要です。エラッタで多少緩和されましたが、これは少々ラオスを買いかぶり過ぎかな、と思います。

基本的なシステムには、前述のようにCDSが使用されています。両プレイヤーは毎年5枚の手札を持ち、このうち4枚を交互にプレイすることでゲームは進行します。また毎年最初の手札補充時に、任意で1枚の「キャンペーンカード」を手札に加えることができます(この場合の手札は4枚+キャンペーンカード)。「キャンペーンカード」は南ベトナム内の特定のゾーンにおける攻勢作戦を表しており、エリア支配数などの条件を満たせばボーナスのHawk/Doveポイントを得ることができる特別なイベントとなっています。

CDSの常として、各カードには使用できるリソースポイント(RP)とイベントが記載されています。RPはユニットの移動・戦闘・エリア支配などのアクションに使用するほか、あまったポイントは蓄積しておくこともできます。珍しいのはイベントとポイント(を消費したアクション)の使用が排他ではなく、「カードのRPからそのイベントのコストを支払ってイベントを発動する」という点です。ちなみにRPの消費順序は自由ですので、「移動>イベント>戦闘」といったプレイも可能です。

ここで使用されなかったRP(SRP)は、追加増援の購入のほか、崩壊しかかった南ベトナム、ラオス、カンボジアへの梃子入れに使用されます。特に毎年恒例の南ベトナムのクーデター阻止に必要なSRPを蓄積できているかは重要です。「この年に除去された南ベトナム軍ユニット数」から「平定エリア数」を引いた値に相当するSRPを消費できなかった場合、南ベトナムでクーデターが発生し、連合軍は様々なペナルティを被ることになります。このため連合軍はRPを前線のアクションに使用するか、政権の維持に使用するのかの選択に悩まされることとなります。

#エリアの支配状態は「共産側支配」「連合軍支配」「連合軍平定済」の三段階に分かれています。南ベトナム政府軍は「連合軍支配」を実施することはできるのですが、「平定済」とするには米軍歩兵の関与が必要となります(維持は可能)。どうやら「戦略村」を表しているらしいこのルール、現地人には任せておいては真の平定は訪れない、というエゴ丸出しぶりにちょっと受けました。

カードプレイが終了したら、その年の両軍の損害や共産側支配エリア数、南ベトナムのクーデターの有無からHawk/Doveポイントを増減。これが毎年設定されたサドンデス値に達していなければゲーム続行となります。プレイのテンポは軽快で、30分もあれば1年のプレイが可能です。

というわけで実際のプレイ報告へ。


1965年シナリオ:帝王(連合軍)対N村(共産軍)

まずはいけるところまでやってみよう、ということで1965年シナリオから。

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積極的にキャンペーンを仕掛けた共産側が、Khe SanhとMekong Deltaの両作戦を成功させ優位に立ちます。またSaigon守備隊がMekong Deltaキャンペーンに対抗してデルタ地帯に出撃した隙を突き、共産側は一時的ながらSaigonを占領することに成功。1967年でアメリカの戦争遂行意志がDove側に振り切り、共産側サドンデス勝利。

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1965年シナリオ:帝王(連合軍)対N村(共産軍)

要領をつかんだところで1965年シナリオを再戦。

序盤の手札がResponceカードばかりで、様子見状態の共産側に対し、今度は連合軍側が積極的にキャンペーンを実施。並行してラオス政府軍によるホーチミン・ルート封鎖作戦が実施されます。共産側がホーチミン・ルートの維持にかまけるうちに、増援の途絶えたメコンデルタでは連合軍のSealordsキャンペーンが成功。この余勢を駆った連合軍は、Starlite, White Wingを相次いで実施し、南ベトナムの大半で軍事的優位を確立。

頭にきた共産側によるラオス政府壊滅や、政権の足を引っ張るNguyen Cao Kyなど危うい場面もありましたが、軍事的優位を背景に戦争遂行意志をHawk側に振り切り。1968年で連合軍サドンデス勝利となりました。

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1969年シナリオ:帝王(連合軍)対N村(共産軍)

上の二戦とも1968年で終了してしまったため、後半の展開と1969年から追加される「1969年カード」の効果を確認するべく1969年シナリオをプレイ。テト攻勢が終了し、米軍の段階的撤退による「ベトナム化」が開始される時期にあたります。これを反映し、共産側はベトコン(VC)ユニットの数が激減。連合軍側も毎ターン指定数の米軍ユニットがゲームから退場してゆきます。

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米軍さえ居なければ北ベトナム軍の押せ押せか、と思いきや、エリアの自動支配能力を持つVCユニットをいた共産軍は、意外に南ベトナム民衆の反感が強いことを思い知らされます。特に1973年以降はVCユニットの補充すらなくなるため、支配エリアに関しては南ベトナム政府軍との一進一退の攻防が続きます。とはいえ南側も米軍不在で平定エリアが増加しなくなったため、継戦争意欲ははジリジリと押し込まれます。しかし崩壊寸前のタイミングで連合軍側にLam Son 719(ラオス侵攻)、Cambodia Incursion(カンボジア侵攻)のイベントが相次いで登場。国内不安を外国に転嫁する絶妙のガス抜きで、首の皮一枚で危機を乗り切りることに成功します。

最終的には共産側SRP不足のポカミスでイースター攻勢が発動し損ね、中部で膠着した戦線が大きく動くことなく最終ターンに到達。判定により連合軍の逃げ切り勝利となりました。


色々とルールやコンポーネントに詰めの甘いところもあり、特にエラッタの確認は必須です。とはいえ「半日でプレイできるCDSベトナム戦争キャンペーン」というテーマは非常に魅力的なニッチです。

当面の常備ゲームとして持ち歩いておりますので、その筋の皆さんよろしくお願いします>そのへん

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