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Guerra a Muerte(AtO#23):YSGA05/16

今回のメインはAgainst the OddsよりGuerra a Muerte。Y氏をお相手に、個人的懸案だった本作のプレイにようやくこぎ着けることができました。

Guerra a Muerte(AtO#23)

ナポレオン戦争に揺れる旧大陸を背景に、同時期の南北アメリカ大陸におけるスペイン植民地の独立運動を扱った戦略級ゲーム。デザイナーはWar of the Triple Alliance(S&T#245)ほか、スペイン及びラテンアメリカ史のゲームを送り出しているJavier Romeroです。

ゲームの扱う期間は、イダルゴ神父がメキシコでスペインに対して蜂起した1810年から、アヤクチョの戦いでペルー独立の趨勢が決まった1824年までの1ターン1年。一方のプレイヤーが王党派としてスペイン本国軍および現地軍を、もう一方が独立派としてメキシコ、大コロンビア、アルゼンチン、ペルーの各国軍をまとめて担当します。またこれに加えて、独立派にはオイギンスとコクラン率いるチリ軍が盤外から登場します。独立派の軍勢はそれぞれ個別に動員されますが、勝利条件は独立派全体の支配エリア数で判定されます。シナリオは15年のキャンペーンに加えて、5年毎に3期に分かれたショートシナリオが用意されています。

ユニットは指揮官と歩兵・騎兵・砲兵の陸軍部隊、戦列艦とフリゲートの海軍ユニットが登場。このうち陸軍ユニットはそれぞれ正規兵と民兵に分けられています。民兵は戦闘力が低く、行動に不利な修正が適用されますが、相手のエリア支配を妨げる「ゲリラ」状態をとることができます。海軍ユニットは海上移動や港湾封鎖に使用され、特に港湾都市の封鎖には艦隊の関与が必須です。

システムはスタック単位で活性化し、そのターンに利用可能なOperation Pointを決定。OPを消費して移動や戦闘のアクションを逐次実施するタイプ。戦闘は野戦と攻囲戦の区別あり。野戦は少なくとも敗北側の半分のステップが除去される消耗型。両軍の戦術により戦闘力が最大1/2~2倍に変動するため、半端な優勢での野戦は極めてリスキーです。

残念ながらAgainst the Odds誌の常として、ルールに不明瞭な点が散在しているのが難点です。今回のプレイでは、同一エリア内の友軍スタック同士の関係や、非要塞都市の扱いなどが問題になりました。しかしラテンアメリカ独立史全体を俯瞰できるという点では他に例が無く、ディペロップ不足が非常に惜しまれる作品です。今回は例によって、適宜ルールを補完しながらのプレイとなりました。

Ato23_gam_2010051501a

今回は1810年からのシナリオを選択。担当は独立派をY氏が、王党派をN村でのプレイです。

初期配置の段階では、独立派のまとまった部隊はメキシコのHidalgo神父とMorels司祭の蜂起民兵部隊のみ。アルゼンチンに独立派正規兵の一団が存在しますが、こちらは指揮官不在です。王党派はVeracruzのCalleja将軍に部隊を集め、ひとまずメキシコの平定を目指します。

Callejaは1812年までに、HidalgoとMorelsの両反乱部隊の各個撃破に成功。Morelsを戦死させます。逃げ延びたHidalgoは中央アメリカに潜伏し、現地で再起をはかります。CallejaもHidalgoを追って南下を試みますが、Hidalgoの扇動能力によりメキシコ内での王党派の移動には制限が課せられており、転進は遅々として進みません。このメキシコに投入された王党派の大軍が遊兵と化したのが、後の禍根となります。

対するアルゼンチンでは、集結したアルゼンチン軍が王党派の港湾都市Mon tevideoを攻囲。王党派は艦隊を派遣して海からの解放を目論みましたが、独立派との海戦に敗北。籠城軍は3年にわたり粘りますが、駆けつけたBelgranoにより1812年に陥落。アルゼンチンを制圧したBelgrano軍は、ボリビアとペールを平定しながら北上を開始します。

この間にコロンビアには独立派期待のBolivarが登場。ベネズエラ奥地を転戦した後に、北上して王党派の拠点Panamaを狙います。王党派はMorillo率いる増援をPanamaにつぎ込み、これに対抗。コロンビア軍の拠点Cartagena de Indiasのをめぐり、Santa Feで両軍の決戦が発生します。この会戦では騎兵戦力に勝る王党派軍が勝利。余勢をかった連続攻撃でコロンビア軍を壊滅させます。

破れたBolivarは上部ペルーに撤退。これに北上してきたBelgrano率いるアルゼンチン軍、ペルー軍、さらにO'Higgins率いるペルー軍が合流し、四ヶ国連合軍を結成します。Morilloの王党派軍は、ボリビア軍の再編なるまえに独立派の息の根を絶つべくペルーに遠征。Quitoの地で南米の趨勢を決める独立派連合軍とスペイン軍との決戦が発生します。ここでも勝敗の決め手となったのは騎兵部隊で、総合戦力に勝る王党派軍に、連合軍は騎兵の優越で対抗。連合軍の騎兵突撃戦術に、王党派軍は壊滅的損害を被ります。

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メキシコの蜂起は失敗したものの、南米の独立派は盤石な体勢を確立。ちょうど初期ショートシナリオ終了の1915年でしたので、シナリオ勝利条件を適用して独立派勝利で終了としました。

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