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The Ancient World勉強会:06/19

シリーズ第一作のRise of the Roman Republic発売からはや7年。古代戦ゲーム界(すごく狭そう)にRichard Berg渾身の話題作として登場したにもかかわらず、分厚いルールがネックとなり、プレイ報告をほとんど聞いたことがなかった本シリーズ。
このたび和訳が公開されたのを機に、kotatu氏と勉強会を開催してきました。

まずはウォーミングアップにErosionをプレイした後に、今回の本題に着手。
ちなみにErosionは、筑波山とヒマラヤくらいの大差をつけられて惨敗しました。

The Ancient World: The Campaigns of Ancient History(GMT Games)

Europaシリーズとほぼ同スケール(1ヘクス=13マイル)のヘクスマップで、古代地中海世界のさまざまな戦役を同一システムで再現しようという野心的なシリーズ……のはずでしたが、Rise of the Roman Republic(2003)とCarthage(2005)の二作を発表したのみで停止中。続くThe Glory That Was Greece(ギリシャ世界)とThe Republic in Decline(同盟市戦争とスパルタクスの乱)は未だにP500にすら入っておらず、発表時のインパクトに比べると尻すぼみの感のあるシリーズです。

肝心のシステムの方は、指揮官毎に用意された「指揮官活性化マーカー」(LAM)を引いて、指揮官単位で活性化。アクション実施毎に継続判定を実施するというBergらしいもの。LAMの枚数は、指揮官の能力を反映して1~4枚の優劣が設定されています。また1ターン1年というスケールを反映し、移動できる距離に上限はありません。代わりに動いた分だけ消耗判定が必要となる、Sideshow系の自己責任システム。継続判定を信じて小刻みな移動で消耗を抑えるか、消耗覚悟で強行軍を実施するか、プレイヤーの手腕が問われます。

また詳細を極めるのがローマの軍事・政治体制に関するルールです。臨時の独裁官から法務官まで、毎年各レベルの政務官を決定し、担当地域と軍団を割り当てる必要があります。Republic of Romaの経験者であればお馴染みのシステムですが、作戦・戦役レベルのゲームでは珍しい力の入れようです。目覚ましい勝利を収めた政務官を対象とした凱旋式挙行のルールなど、ここまでいくとやりすぎの感もあります。(挙行できれば翌年の執政官に無条件で選出できるので、無意味なルールというわけではない)

ちなみにカルタゴの方にも同様のルールが用意されています。ローマの1/3ほどの分量ですが、大敗した指揮官は召還され弾劾されたりと、こちらはこちらで難儀なルールです。

全体のルールは分厚いですが、意外に移動・戦闘のシステムはシンプルで、問題になるのは部隊や指揮官の管理ルールという印象でした。このあたりを「前執政官なんだから、担当州を離れるには当然元老院の許可チェックが必要だよね」と思えるのか、単に煩雑なルールと見るのかが評価の分かれ目でしょう。


Carthage(GMT Games)

The Mercenary War: Mutiny in Carthage, 241 BC

今回は初プレイということで、まずは一番簡単そうな傭兵戦争のシナリオに挑戦。第一次ポエニ戦争後のカルタゴにて、同戦争後の給料未払いに怒った傭兵たちが蜂起するシナリオです。

ところが移動・戦闘のみの入門シナリオとはいえ一筋縄ではいかず、ルールの適用ミスでしきり直すこと三回。ひとまず同一州内であれば意外に縦横に機動できること、戦力比はさほど重要な要素ではないこと、などを確認して切り上げます。


Agathocles: The First Invasion of Carthage, 311 BC

Aw_cr_agathocles_2010061902a

続いて取りかかったのはAgathoclesシナリオ。第一次ポエニ戦争以前、シラクサの僭主Agathoclesとカルタゴが、シチリアの覇権をめぐって争うシナリオです。ここからカルタゴの政治体制と上級海軍ルールが導入されます。N村の担当はカルタゴ側です。

周辺の中立都市を制圧して地盤固めを進めるシラクサに対し、兵力不足のカルタゴ側は待ちの姿勢。しかしカルタゴ本土を長駆襲撃に現れたシラクサ艦隊(10隻)が、ボン岬東岸で分散している(海上移動でスカッター判定に失敗)との知らせを受けたHanno将軍は、演習がてら120隻の本国艦隊を率いて出撃。しかしピクニック気分のカルタゴ艦隊も集結に失敗。両者分散状態のままターンを終えるという醜態をさらします。この時点では笑い話だったのですが、このカルタゴ本国艦隊が冬営のための帰還判定に失敗するという大惨事が発生。本国艦隊120隻とともに、Hanno将軍は海の藻屑と消え去ります。

またこの年のカルタゴ本国では、政争によりBomilcar将軍が処刑されるという流血沙汰も発生。未だシラクサとの衝突が発生していないにもかかわらず、開始一年目にして3人の将軍のうち2人と、艦隊の80%を失ってしまいます。

艦隊再建を進めるカルタゴに対し、シラクサはシチリア北岸をAgathocles本人が、南岸を息子のArcagethusがゆっくりと西進。艦隊再建に国力を割かれ、陸軍部隊を動員できないシチリア派遣軍のハミルカル将軍はこれを静観。またこの年は、シリチアとプトレマイオス朝エジプトが同盟。リビア国境からOphellas将軍率いるエジプト軍が登場してきます。カルタゴには踏んだり蹴ったりの状況です。

そうこうするうちにアガトクレスはシチリアのカルタゴ三拠点のひとつ、Panormusに到達。5万を超える軍勢での攻囲が始まります。再建なったカルタゴ艦隊により、海側の完全包囲は免れますが、守備隊を運び込むのが精一杯。解囲にはいたりません。

リビア戦線では、Ophellas将軍が無人の都市を次々と降しながら西進。さすがに本国の危機とあって、カルタゴも大量動員に成功。新登場のHimilco将軍に本国軍を任せ、迎撃に送り出します。兵力に勝るカルタゴ本国軍は、二度にわたる会戦でエジプト軍を粉砕。アフリカの敵を一掃し、ようやく反撃の目処が立ちます。

そのころシチリアでは、Panormusの攻囲でAgathoclesと新登場のHanno将軍(溺死者とは別人)が対峙。またLilybaeum方面でもArcagethusとHamilcar将軍がにらみ合いとなります。ここで先手を打ったのは、豊富な資金で西地中海中の傭兵をかき集めたHamilcar将軍。Lilybaeumを出陣し、街の北方で陣を構えるArcagethusに会戦を挑みます。

しかしこれはArcagethusの罠。待ち伏せに成功したシラクサ軍により、カルタゴ軍はしたたかに打ち破られます。ところがこの会戦で、勝利したはずのArcagethusも戦死。Arcagethus軍は敵中深くで孤立する事態に陥ります。

徐々に体制を立て直すカルタゴ軍に対し、シラクサ軍もシチリア西部から撤収を決断。駆けつけたAgatharcusがArcagethus軍を収容。Agathoclesともども東部に撤退し、4ターンで時間切れ終了となりました。プレイタイムは1ターン1時間程度で4時間ほど。

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