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火星独立戦争 - High Frontier 2人用戦争シナリオ

High Frontier の拡張ゲームでは戦闘ルールも追加されていますが、実際のプレイでは「戦闘が必要な時期に」「戦闘可能な宇宙船同士が」「戦闘可能な軌道に存在する」という状況がほとんど発生しないため、いまひとつ活用しがたい蛇足ルールとなっています。
あちらでもそう考えたプレイヤーが居たのか、BoardGameGeek に手軽な戦争シナリオが投下されていました。折角ですので訳してみました。
BGG に日本語の長文を投下するのもなんですので、こちらにポストしておきます。

火星独立戦争 - High Frontier 2人用シナリオ by Kozure

The War of Martian Independence - Scenario | Forum | BoardGameGeek

赤プレイヤーは地球からの独立を目指す、発展する火星植民地を担当する(以下「火星人」または「独立派」)。相手プレイヤーは蜂起した植民地の「本国政府」を担当する。他のすべての地球派閥は、両者の対立の行く末を見守る中立状態にある。

Womi

初期配置

赤のクレームディスクを火星 Mars 上のすべてのサイトとフォボス Phobos に配置する。赤(火星人)プレイヤーはひとつの工場キューブを火星上の任意のクレームディスク上に、もうひとつの工場キューブを別のクレームディスクの置かれた任意の天体上に配置する。最後に火星人プレイヤーは1個の宇宙植民地 Space Colony (6.7B)キューブを火星上に配置されたいずれかの工場キューブ上に配置する。この最後のキューブは火星独立政府の首都を示している。火星人プレイヤーは新火星国家と首都についてステキな名前を考えること。

相手プレイヤーは本国政府としてひとつの派閥飛行士カードを選択する。本国政府プレイヤーが派閥として中国を選択した場合、代用として赤ではない他の色をセットを使用すること。

本国政府はケレス Ceres にクレームディスクと工場各1個を配置する。

月 Luna に黒のディスクを配置する; これは戦争に関与しない中立派閥の領有であることを示している。

戦争は本国政府の所有する惑星間宇宙機に対する独立派飛行士による破壊工作と、同時に本国政府が地球と宇宙上に所有する宇宙技術データベースに対して実施されたネットワーク攻撃によって開始された。このため両プレイヤーともロケットや貨物船 Freighter を持たず、LEOや手札にカードを持たない状態でゲームを開始する。

火星人プレイヤー用として使用していない飛行士カード1枚を使用する。このカードは通常の飛行士カードとして使用できる。ただしカードに記載された派閥別の特殊能力を使用することはできない。

戦争は突然ではなく、長年の緊張の末に勃発した。緊張は10年あまりに渡って続いており、両陣営とも十分な資金を蓄えていた。両プレイヤーは(通常の4WTではなく)15WTを所有してゲームを開始する。

火星人プレイヤーが先攻となる。

特別ルール

戦争: 両プレイヤーとも攻撃と違法行為 Felonious Action (2.3B)を実施できる。青と黄色の固有イベント(選挙 Election と予算削減 Budget Cuts )は「イベントなし」と見なされる。発射台上の爆発/スペースデブリ Pad explosions/Space Debris, 故障 Glitches, 太陽フレア/コロナ放出 Solar Flare/Coronal Mass Ejection の各イベントは適用される。注意:発射台上の爆発/スペースデブリは LEO スタックに対してのみ適用され、火星 LMO スタックには影響を与えない。宇宙政府 Space Government は常時「戦争」状態にあるものと見なされる。LEO セキュリティゾーン (8.4)のルールは適用されない。

研究: 研究 Research オークションは選挙オークション(8.5B)同様に実施され、競り落とした資金はプールに戻される。

火星軌道上水ステーション: 火星人の打ち上げ Boost オペレーションとWTの集積は LMO(Low Mars Orbit) 燃焼点に対して実施される。NASA と UN の特殊能力は火星人プレイヤーの行為には適用されない。

戦時体制: 両プレイヤーはそれぞれ同時に2機までのロケットを運用することができる。第二のロケットの状態を表すため、識別可能な任意のマーカーをロケットダイアグラム上で使用すること。両プレイヤーとも飛行士は一組づつしか所有していないため、片方のロケットは故障 Glitch の影響を受けやすくなっていることに注意。

軌道防衛システム: 本国政府プレイヤーは、軌道上水ステーションを防衛するために構築された地上発射式の対宇宙機ミサイル(ASATミサイル)を使用することができる。この防衛システムを表すため、自色のキューブ2個を LEO に配置する。戦闘においては、これらのキューブは工場キューブ(8.4D)と同様に扱われる:レイガン Raygun 装備で放射線防御 Rad-Hardness [8] と見なされる。

破壊された軌道防衛キューブは、1個につき5WTを消費した特別な打ち上げオペレーションで再建することができる。1ターンに1個の防衛キューブのみ再建することができる。これらの軌道防衛システムは、バギー Buggy 攻撃で捕獲されることはなく、飛行士カードの解除で建造することはできず、同時に2個まで配備することができる。またレイガン Raygun と ミサイル Missile による攻撃は通常通りに適用される。

軌道防衛キューブは地球外の反乱に対して構築されるであろう、さまざまなシステムの総体を示す抽象的なものであり、一切の動力や冷却などの支援を必要としない。

軌道防衛キューブは迎撃ルール(8.3F)に従い、火星側ロケットが LEO に侵入してきた際にこれを攻撃することができる。

火星政府の首都: 最後に配置された工場キューブは火星の首都を表しており、火星人飛行士が配置されていない場合でも、常時飛行士が配置されており、相手のバギー Buggy 攻撃(8.4C)に対しては飛行士が存在しているものと見なされる。

他国の干渉: 火星人プレイヤーが親政府のロケットを撃破するたびに、他の宇宙技術を持つ国家がから独立派に3WTの資金提供がおこなわれる。同様に火星人プレイヤーは親政府の工場を捕獲するたびに5WT, 破壊するたびに3WTを獲得する。また貨物船 Freighter を捕獲するたびに1WTを獲得する。

海賊行為: 両プレイヤーとも、相手のロケットが同じスペースで護衛についていない相手の貨物船 Freighter を捕獲することができる。該当のキューブは元の持ち主のプレイヤーに返され、加えて通常の手順に従って搭載していたカードは捕獲を実施したロケットスタックに追加される。捕獲された黒カードは、元の工場の生産物としては使用できなくなり、該当の工場は生産物変更 Re-tool を実施しなければならない。

経済封鎖: 火星人プレイヤーは黒カードを LEO や LMO で売却することはできない。

人的資源の限界: 火星人プレイヤーは追加の宇宙植民地 Space Colony(6.7B)を配置することができない。火星の宇宙植民地キューブを解除したり、移動させることはできない(従って首都を移転させることや、防衛のための追加のキューブを配置することもできない)。

ゲームの終了と勝敗

火星首都に配置された最後の工場キューブを捕獲し(破壊では不可!)、独立派の指導力は失墜し、本国政府側の勝利となる。独立派の(無人)ロケットまたはミサイル Missile かレイガン Raygun を(使用可能な状態で)搭載した有人のロケットが、LEO に(親政府側ロケットや軌道防衛キューブが存在していない状態で)単独で存在している場合、本国政府側の軌道施設を接収して宇宙との繋がりを絶ち、独立派の勝利となる。

本国政府側が火星首都の最後のキューブを破壊した場合、本国政府側の敗北となる;子供を含む植民地の非戦闘員を殺害したことにより、他の大国から戦争犯罪を追求されることになる。親政府側が火星首都に対してミサイル Missile 攻撃を実施した場合、このような惨禍が発生し、火星独立派は(ピュロスの)勝利を得る。このような事態を避けて本国政府側が勝利するためには、バギー Buggy 攻撃を実施する必要がある。

いずれのプレイヤーも前記の勝利条件を達成できなかった場合、50ターン終了時に独立派プレイヤーが勝利する。

バリアント

火星人向けボーナス: 火星人プレイヤーは、ダイモス Deimos にもクレームディスクを配置する。ただし初期配置の工場キューブをここに配置することはできない。

本国政府向けボーナス: 本国政府プレイヤーは、月 Luna に黒ディスクに換えて自色のクレームディスクを配置する。

大規模反乱: 二つの本国政府派閥と、二つの独立派派閥がそれぞれチームとして戦う4人プレイ用バリアント。一人目の本国政府派閥は月 Luna にクレームディスクと工場キューブ1個を配置する。二人目の本国政府派閥は、ヘルタ Hertha にクレームディスクと工場キューブ1個を、チョーサー Chaucer にクレームディスクを配置する。火星派閥(赤)は通常の初期配置をおこなう。ケレス派閥(残りの色を選択)はケレス Ceres, ミネルバ Minerva,  ミアヘレナ Miahelena にそれぞれクレームディスクを、ケレスに2個とミネルバに1個の工場キューブを配置する。ケレスはケレス派閥の首都と見なされ、火星首都と同様のルールが適用される。

ケレス派閥ルール: ケレス人の打ち上げ Boost オペレーションとWTの集積は ゲフィオン族ラグランジュポイント Geion family Lagrange point の HEO を LEO と見なして実施される。ケレス人のすべての打ち上げオペレーションのコストは、通常の1/2(切り上げ)のWTコストで実施される。また両独立派プレイヤーに対しては打ち上げとクレームに関する NASA と UN の特殊能力は適用されない。発射台上の爆発/スペースデブリは LEO スタックに対してのみ適用され、ゲフィオン族 HEO には影響を与えない。ケレス人は黒カードを売却することができない。

本国政府派閥はそれぞれ2個までの軌道防衛キューブを LEO に配置する。このバリアントでは最大4個の軌道防衛キューブが配置される。

本国政府派閥は、いずれかの独立派首都が捕獲された場合に(共同で)勝利する。独立派の勝利条件は変更なし。

2人プレイヤールールの「火星人」は「独立派」として読み替えること。

これらのバリアントを使用する場合、黒カードの面が Zubrin Nuclear Salt Water であるカードはスラスターデッキから取り除いた状態でゲームを準備た後に、同カードをデッキの一番下に配置すること。

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