Conquistador : YSGA 07/03

bluebear氏らのお誘いで、今回の YSGA は Conquistador 会に参加。この手の新大陸探検ゲームは興味はあれど、実は今までプレイ機会がなく、このたびの初体験が30年前の Berg 作品となりました。

Conquistador - Avalon Hill(*)

Richard H. Berg の極初期作(1976)。アメリカ大陸の発見直後から16世紀の終わりまで、スペイン、ポルトガル、イギリス、フランスの四ヶ国による新大陸での植民活動を扱うマルチゲーム。

ディテールに凝りがちな Berg の割りに、ルールは比較的シンプル。歴史的な陰謀ルールはほとんどなく、探検先や植民地に関してはどの国も特に制限はないフリーダムな設定です。しかし序盤は初期配置からカリブに拠点を持ち、コンキスタドールを多数抱えたスペインが、内陸の金山と財宝都市を素早く抑えて荒稼ぎ。遅れて到達した他の国々が堅実な植民地経営で巻き返すという、なんとなくそれらしい展開になるのは流石は Berg です。終盤にはイングランドの私掠船船長たちが大挙して新大陸に来寇する模様ですが、今回のプレイではそこまでは至りませんでした。

最終的なゲームの勝敗は、主にエリアの支配によるVPによって争われます。ハドソン湾の発見やミシシッピ河の探検といったVPもありますが、比重としてはあくまでボーナスという扱いです。

このシンプルなルールの中でも面白かったのが植民者ユニットの扱いです。序盤は植民者の生み出す収入より維持費の方が高く、また存在するだけで原住民の蜂起を招く危険性があり、護衛の兵士にもコストが嵩みます。従って序盤は鉱山の開発や財宝都市の略奪が主な収入源で、植民者は採掘と金銀の積み出し港を維持する役にしか立ちません。しかし時代が進むにつれ、植民者ユニットからの収入は順次増大。鉱山や都市の財宝も枯渇が進むため、ある程度時代が進んでくると略奪プレイから植民地経営に乗り換えるという流れになっています。

また植民者ユニットが何ユニット登場するかは、各ターンの本国収入判定のロール結果に依存しています。本国収入が大きな場合は植民者は少なく、収入が少ない場合は多くのユニットが登場します。要するに不況で食い詰めた人たちが新大陸に渡って来るわけです。ナルホド。

今回はフルメンバーでの4人戦。担当は西（idioten氏）、葡（bluebear氏）、英（kyoi氏）、仏（Ｎ村）です。

ポルトガルはハドソン湾を発見してカナダへ。さらに内陸に進んで五大湖を発見し、ミシシッピ河の遡上も達成。カナダの金山を中心にコロニーを作ります。この世界のカナダはポルトガル語となった模様。

イングランドはセントローレンス河発見したのち、ヒストリカルに北アメリカ東岸にコロニーを集中。高収入エリアに植民者を集約し、序盤から植民地経営の準備に入ります。

フランスは各国に無視された格好の南米へ。ラプラタ河口とブラジルにコロニーを置き、南米フランス語化計画を進めます。そして農場経営の傍らホーン岬を発見し、太平洋航路を開拓。続いてアマゾン河を遡上してコロンビアに至りますが、アマゾン探検は上流から下流へ進む必要があったことを失念。コロンビアから再びアマゾンを横断し、ブラジルに戻る羽目に陥ります。さらにアマゾン探検が一段落したところでインカ遠征を目論みましたが、これは間に合わずクスコ目前で時間切れ。

スペインはサント・ドミンゴを足がかりに中央アメリカに上陸。アステカとマヤを狙ってコンキスタドールを内陸に進ませます。当初は無防備な植民者を分散して原住民蜂起を誘発し、たびたびコロニーを壊滅させ維持費にも事欠く始末。しかし首尾良くアステカとマヤを制圧すると、両帝国の首都から黄金の略奪を開始。ハイチとコロンビアの金鉱山とあわせて、各国の本国予算の数倍にあたる収入源を獲得します。

このスペインの急成長に危機感を抱いたポルトガルは、船積み前の黄金を奪うべく軍隊を派遣。中米を迷走するアステカの黄金輸送隊を追って、ベネズエラで両国の軍隊が激突します。結果はポルトガルが一旦黄金を奪取したものの、既に本国に運び出されていた財宝でスペインが懲罰部隊を編成。大兵力でポルトガルを破り、アステカの財宝を回収します。さらにメキシコから北アメリカ西海岸に進出。北アメリカ随一の高収入エリアを抑える動きを見せます。

といったところで今回は時間切れ。中盤に足を踏み入れた第9ターンで今回は終了となりました。写真は今回の終了時。ポルトガルが失速したのち、南北で植民地プレイ政策を進めてきた英仏がスペインを引きずり落とせるか、という状況です。

いちいちユニットの維持費や消耗判定が必要だったり、航海にプロットが必要なあたりは古いゲームなのは否めません。とはいえこの辺を改善して、ターン数を半分以下にできれば今でも通用しそうな印象です……と、思ったらリメイクが進んでいる模様。メーカーとされている GMT Games では P500 にも記載がないので詳細は不明ですが、期待のゲームがひとつ増えました。

Conquistador のプレイ後は、「アークキング」をインスト2戦して終了。コンボが決まると意外にあっさり終わるので油断がなりません。