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Boudicca : GCS 2012/10/21

今週は土曜日の猿遊会に続いて、日曜はゲームサークル坂戸へと梯子。

Boudicca: The Warrior Queen - AtO#35()

syphalias氏提供の今月のお題。ネロ帝時代のブリタンニア属州におけるケルト人蜂起「ブーディカの乱」全体を扱った戦役ゲーム。スケールは1ヘクス5マイル、1ターン1週間の全6ターン。ローマ軍のユニット規模は大隊(ケルト側は様々)。

デザイナーは業界の大御所 Richard Bergで、1984年に出版された同テーマのDruid(WEG)のセルフリメイクという位置づけです。ただしゲームシステムは完全に別物で、簡易なカードドリブンを採用。カードに記されたOP値を消費して、スタック単位で移動・戦闘を実施するシステムとなっています。全体的にBergらしからぬシンプルなシステムで、プレイはいたって軽快でした。

とはいえ恒例の戦力比を求めるものの戦力比CRTを使用しない戦闘システムや、絶妙なレーティングにより「戦力は高いが急速に突進力を失う蛮族」と「少数精鋭で損害に耐えながらねばり強く戦うローマ軍団」をスマートに再現しているほか、戦場よりむしろ追撃とその妨害で威力を発揮する騎兵など、押さえるところはしっかり押さえているのはさすがベテラン。また個人的には過去の経験からAgainst the Odds誌のディペロップには疑念を抱いているのですが、本作についてはほとんど齟齬もなく、スムーズにプレイすることができました。

Ato35_boudicca_2012102101a

今回のプレイでは、N村はPaulinus総督率いるローマ軍を担当。ゲームが開始された時点では、盤上のローマ 軍はLindumの第9軍団と各地を守備する補助兵部隊のみ。総督率いる2個軍団は盤外の北ウェールズのMona島で 叛乱を鎮圧中。残る第2軍団も盤外のコーンウォールに駐留中、という状況です。

対するBoudicca率いるケルト側は、女王率いるイケニ族がノーフォークからLondinum目指して南下。行きがけの駄賃にCamulodunumを血祭りにあげ、様子見の各部族を蜂起させるべくドルイドユニットを各部族に派遣します。ローマ側はLondinumの避難民をドーバーの駐屯地に避難させ、途中の橋を落として安全を確保。さらにPaulinus総督と第19,20軍団を呼び戻し、街道を強行軍してLondinumへと急行させます。

無人のLondinumを略奪するドルイド率いるケルト部族に対し、強行軍を重ねた総督軍は行軍隊形のまま戦闘に突入。あっさりとこれを追い払います。ここでBoudicca本隊がLondinumに接近。戦闘必須と見た総督軍は、Londinum郊外でこれを迎撃。両軍主力によるLondinum会戦が発生します。戦力のケルト側と練度(DRM)のローマ側という会戦でしたが、迎撃で主導権を握ったローマ側が終始優勢。女王は早々に戦闘を打切り、優勢な騎兵に守られて撤退します。

またこの間に、Paulinus総督は盤外の第2軍団にも出動を要請。史実では様子見に徹した第2軍団でしたが、今回は一発で出動(OPを使用したロールでターン数未満が必要)。途中の蜂起部族を蹂躙しながら、Londinum方面へと東進を続けます。

ここで総督軍手強しと見たBoudicca本隊は、目標を第2軍団へと変更。Londinum西方へと回り込み、第2軍団と総督軍との間に割って入ります。単独で蜂起部族との連戦を続けていた同軍団は、軍団兵にも多数ステップロスを被っており、女王にとっても与しやすい目標です。

慌てた総督軍は、女王を追撃すると戦闘に突入。1.5倍に及ぶ蛮族との正面からの会戦は激しい消耗戦となりましたが、額面戦力の大きな蛮族ユニットはステップロスにより急速に消耗。10ラウンド近い激闘の末、ついに戦力比が逆転。Boudicca軍は撤退を決断します。続く追撃戦でもケルト側は大きな損害を被り、女王本隊は野戦軍として戦力をほぼ喪失。消耗した第2軍団も総督軍のリアクション範囲に合流し、第5ターンでケルト側の投了となりました 。

Ato35_boudicca_2012102104a

プレイ時間は3時間弱。ケルト側の蜂起戦略や第2軍団の登場により、今回はローマ側優勢の結果となりなしたが、基本的な流れは史実通り。プレイも容易で歴史的な味付けもほどよく効いており、Berg先生こんな今風のライトゲームも作れるじゃないの、と認識を新たにしたゲームでした(超失礼)。

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コメント

おお! プレイされたんですね!

この号がきっかけでAtO誌の年購読を再び決意したのですが、そのままゲーム棚の肥やしになりかけていました。
機会がありましたら、ぜひお相手いただけるとありがたいです。

投稿: 堀場 | 2012年10月22日 (月) 21時13分

AtOにBergということで重めのゲームを想像していたのですが、いい意味で予想の外れたゲームでした。
また課題を増やしてしまいましたが、機会あらば是非。

投稿: N村 | 2012年10月23日 (火) 00時04分

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