Pax Porifiriana : GCS 2012/11/25
今年もSierra Madre Games新作の季節がやってまいりました。
坂戸シエラ会もぬかりなくゲームマーケットにて今秋の新作、Pax Porfirianaを入手。早速の人柱会開催と相成りました。
Pax Porfiriana - Sierra Madre Games(→)
A. はじめに
"Pax Porfiriana"とはラテン語で「Porfirianaによる平和」を意味している。これは1910年の革命で倒されるまで、33年にわたり独裁的にメキシコを支配したPorfirio Diazの統治をさした言葉である。プレイヤーは革命前夜のアメリカとメキシコの国境地帯のHacendado(裕福な事業家)として、自身の農場・鉱山・鉄道・銀行・警備隊などを糾合したビジネス帝国を建設し、競合相手を盗賊やインディアン、訴訟などにより打倒することを目的とする。勝利するためには現体制の後継者となるか、アメリカへの併合を主導するか、クーデターまたは民衆革命いずれかの手段によりDiazを打倒できるだけの支持を集めなければならない。またゲーム終了時までDiaz政権が維持されていた場合、最も多くの資産を蓄えたプレイヤーが勝利者となる。- Pax Porfiriana Living Rules(→)
当初2012年の新作として予告されていたHigh Frontier Colonization(*)を押しのけ、今秋に突如登場。一応まったくの新規作品ではなく、Eklundのデビュー作Lords of the Sierra Madre(1988/1995)のカードゲーム版という位置づけです。原作のLords of the Sierra Madreはルールの見通しが悪いうえに展開がスローで、内輪での評判は芳しくなかったのですが、今回は2時間で終了する手軽なゲームに再構成されています。
ゲームの背景は上記の通り、メキシコ革命前前夜の有力者同士の勢力争い。収入源となる農場・鉱山・鉄道・商業者などのEnterprise、各分野の特殊能力を持つPartner、武力闘争の手足となるTroopなどのカードを競り落とし、勢力の拡大再生産をはかるのがプレイの基本的な流れとなります。
これらカードの中には、政府に対抗するさまざまな威信値Prestageを持つものが存在しています。この威信値をDiaz政権以上に集め、Toppleと呼ばれる政権打倒アクションに成功すれば、ポストDiaz体制の第一人者となるサドンデス勝利となります。
しかしメキシコの政体は、さまざまなイベントにより「Diazによる平和」「米国の介入」「反乱軍による軍政」「無政府状態」の各状態を揺れ動きます。各カードの威信値は特定の政体にしか対応していないため、政体に応じたカードをタイミングよく集めるか、自陣営に有利な政体に誘導する必要があるのがゲームの争点です。例えば配下の農場で奴隷叛乱を起こし、革命派の威信値を稼いだうえで政体を「無政府状態」に変更するアクションをおこない、しかるのちに革命派として政権打倒を試みる、といった自作自演プレイも可能です。
またゲームに登場するカードは、すべて実在の人物・事件・組織などの歴史フレーバーが付与されたユニークカード。このあたりはいつものシエラゲーです。ただし機能アイコンにくわえて特殊イベント系のテキストを持つカードが結構あり、初見の見通しはあまり良くありません。今回もカード訳と見比べながらの完全な輪講プレイとなりました。
ゲームシステムの面では、前作BIOS:Megafaunaで使用された、カードが売れ残るごとに価格が下がるディスプレイ式の競りシステムを採用。また各カードの収入を表示する木製キューブをゲーム内で使い回す手法はOriginsで、いずれもシエラ会にはおなじみのシステムです。
というわけで今回の人柱輪講会。N村が担当したHacendadoは、"Boss"ことAlexander Robey Shepherd(*)。シエラマドレ地方に引退したアメリカの政治家で、反乱軍軍政と当然ながら米国介入にボーナスを持つ人物です。序盤はアメリカ資本の鉄道貨物会社と、メキシコの銀行を経営。この銀行効果でさまざまな企業を買収し、急速にビジネスを成長させます。しかしこれに対抗するHacendadoから、メキシコ企業の国有化や政変による米国企業の撤退など、妨害イベントを連発され一旦脱落。その後は鉱山・農場・運送業者など、多角経営に乗り出して復帰。終盤はビリャ一家の黒幕となり、他の鉱山を襲撃するまで勢力を復活します。しかしLord Cowdrayの支援のもと、周到にメキシコ保守派の糾合に成功したDon Luis Terrazas(*)(S木氏)が、一足早くDiazの追い落としに成功。Diazの後継者となったTerrazas派の勝利となりました。
プレイ時間は2時間ほど。前述のようにカードの把握に手間取りますが、システム自体はさほど複雑ではありません。旧作からの大胆な軽量化に、ゲームが機能するかは少々不安だったのですが、ひとまずリメイクは成功といって良いかと思います。各カードの効果を把握してからが本番になると思いますので、引き続き人柱会は開催を続ける所存です。
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