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Decision: Iraq - GCS 2013/06/30

Modern War創刊号からの年間購読が終了したのち、再購読を失念。酸っぱい葡萄のつもりで当面はスルーしようかと思っていたのですが、周辺の6号の評判を聞いて意欲が再燃。万難排して入手にこぎつけ、さっそく坂戸で広げてまいりました。

Decision: Iraq - Modern War#6()

2003年のイラク戦争終結から2008年まで、同国内における新生イラク政府(及び支援する多国籍軍)と、反政府勢力との抗争をテーマとした戦略級治安作戦ゲーム。

Mw06_di_2013063001a

現代の非正規戦テーマと来れば、もちろんデザイナーはMiranda先生。ベースとしたシステムはChicago, Chicago!(S&T#21)だそうですが、同ゲームの経験のないN村がルールを読んで連想したのはCrisis 2000(OSS)/2020(VPG)です。インフラの掌握による地域支配をゲームの基本的なメカニズムに置き、強力ですが悪影響の大きな通常戦闘と、特殊作戦や宣伝戦を織り交ぜた非正規戦闘を並行させるという発想は、まさにC2000/2020。力作の和訳ルールを読んでいる段階から「これはMirandaの非正規戦ゲームの集大成か!?」と一人盛り上がっておりました(笑)。

というわけでイラク国内の重要拠点を表した本作の地域ボックスには、交通の要衝をあらわすオープンボックスに加えて、それぞれ地域の社会基盤やコミュニティを表した複数のインフラボックスが設定されています。VPと部隊の動員ポイントを兼ねたネットウォーポイントを獲得するためには、地域支配による収入が必要。この支配はインフラボックスの支配により決定されます。

しかしこのインフラボックスに配置された敵部隊は、地域社会と一体化しているという想定から、いわゆる通常の軍事攻撃(物理CRT)は攻撃できず、テロCRTか市民活動CRTを用いて攻撃する必要があります。しかしテロ、市民活動ともいずれも即効性は低く、攻撃側に消耗を強いる内容となっています。

そしてここで重宝されるのが、特殊部隊に代表される非正規戦部隊です。これらの部隊はインフラボックスを物理CRTで攻撃できるという特性があり、地域の掃討作戦に特に威力を発揮します。

とはいえ特殊部隊は高コストかつ絶対数も少ないため、インフラやオープンボックスの守備には正規戦部隊との連携が必要です。また多国籍軍の正規戦部隊はコストも高いため、ここは順次低コストのイラク民兵と置き換えてゆきたいところ。しかしこの民兵の動員にも、インストラクターとして特殊部隊が必要となるのがポイント。となると当面は、資金さえあれば低コストで動員できる民間軍事会社でしのいで……といったイラクの治安回復から任務の移管にいたる流れが、ユニークながらシンプルなルールにまとめられています。

残念ながら今回は1ターン分のプレイによるルール確認のみでしたが、実際に動かしてみての感触も上々。来月中には改めて対戦してみる予定です。

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