A Distant Plain : YSGA 2013/10/12
Cuba Libreに続いてA Distant Plainのプレイエイドにも着手してみたところ、各派の相互作用の深さにプレイ意欲が急増。
心当たりを招集し、今月もCOIN人柱会を開催してきました。
A Distant Plain : GMT Games(→)
Cuba Libreと同時発売のCOINシリーズ第3弾。こちらの舞台は対テロ戦争におけるアフガニスタンで、カルザイ派アフガニスタン政府(Goverment), アメリカと協調する連合諸国(Coalition), タリバン(Taliban), および国内に割拠する軍閥(Warlords)の4勢力が登場。例によって泥沼のCOIN作戦が繰り広げられます。
各勢力の特徴については、先にメモしましたこちらの記事を参照(→)。大雑把な各派閥の目的は、タリバンと連合諸国が地域の住民支持(Support/Opposition)をめぐって直接対決。さらにアフガン政府の目的も住民支持かと思いきや、外見を取り繕えば良しとしたのか地域の軍事支配Controlと利権分配Patronageに専念。残る軍閥は麻薬利権による蓄財と、中立地域の増加による中央集権化の阻止という混沌としたもの。特に連合諸国とアフガン政府の目的が微妙に異なり、さらにタリバンとアフガン政府の目的も必ずしも対立していないことが、ゲーム展開の大きなポイントとなります。
また「政府+ゲリラ3派」という組み合わせだったこれまでのゲームとは異なり、COIN側に政府に加えて連合諸国の2派閥が設定されているのが本作の特徴です。この連合諸国は旧作の黄色派閥(AUC/DR)に相当するポジションではありますが、ユニットもオペレーションもCOIN側のルールに従った派閥としてゲームに登場します。こうなるとゲリラ2派は各個撃破され不利ではないいのか?と思いきや、前述のようにCOIN側両派は達成すべき目的が異なり、必ずしも一枚岩ではありません。
加えて政府・連合諸国はリソースと一部の能力を相互に依存しており、勢力を拡大するためには両派の協調が不可欠です。例えば本シリーズの地方防衛と住民支持の獲得には、警察とそれを配置するための基地の設置が欠かせません。しかしCOIN陣営で警察ユニットを保有するのはアフガン政府のみ。対して政府の設置可能な基地はわずかで、地方支配のためには連合諸国が基地を提供することがほぼ必須となっています。また連合諸国は盤上に投入していないユニット数も得点となり、撃破されたユニットの半数がゲームから除去されてしまいます。このため盤面ではできるだけ政府ユニットを活用したいところ。しかし防御や掃討Sweepはともかく、アフガン政府軍単独では攻撃時のヒットレートが劣悪で、攻撃Assaultには連合諸国ユニットの支援が不可欠です。
このあたりの政府・連合諸国の依存関係はルールには明言されておらず、相互のオペレーションや特殊アクションを読み解いて把握する必要があります。このため本作のCOIN側両派は、いずれもベテランが担当することをお勧めします。しかしシステム把握の難易度は高いですが、目的の異なる相方と協調しながら出し抜くタイミングを見極めるプレイは大変に面白く、この点はコロンビア政府とAUCの関係とは一味違った本作ならではの魅力でした。
またシナリオ構成の面では、それぞれ4-6プロパガンダの3本のシナリオが用意されたのが新しいところ。ゲームの長さが変化するだけではなく、それぞれ2009年、2005年、2003年の情勢に従ったセットアップが用意されており、紛争の流れが追えるよう配慮されています。
というわけで今回も、プレイエイドの和訳のみ用意し、イベントカードについてはその場読みでの人柱プレイを敢行。余談ですが本シリーズはオペレーションと勝利条件の差し替えのみでプレイできるかと思いきや、ルールの細部が微妙に異なるため、結局通読する羽目になるのが困りもの。そろそろコアルール&ゲームルールの構成に移行していただきたいところです。
1戦目(2005年メインシナリオ)はオーダーの綾からタリバンの後先を考えない勢力拡大策が大当たりし、第2プロパガンダ終了であっさり終了。N村の担当は連合諸国で、政府担当のforger氏とCOIN側アクションを紐解きながら、イベントを回収しているうちに終了してしましました(笑)。
そういえば前作でも、慣れないうちは反政府派閥が早期サドンデス起こしてたよね、と思い出すもあとの祭りでした。プレイ時間は3時間弱。
続く2戦目(2009年ショートシナリオ)は、COIN側優位の情勢を固めたのちに、連合諸国(N村)が第2プロパガンダのサドンデスを目論み大規模撤退を実施。タイミングを見誤ったこの行為は各派の妨害で潰されますが、この妨害工作から各勢力も積極策に転換。カルザイ大統領の巨額の汚職で勢力を拡大したアフガン政府をはじめ、各派が入れ替わり首位に立つ泥沼が続き、第3プロパガンダで時間切れ終了。勝利マージン判定により軍閥(HA氏)の勝利に終わりました。プレイ時間は3時間強でした。
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