A Distant Plain : 派閥指針メモ
Cuba Libreに続き、第3弾のA Distant Plainもプレイの目途が立ったため、ルールを読んで気づいた点をCOIN経験者向けにメモしておきます。
A Distant Plain – GMT Games(→)
◆全般
プロパガンダは6枚。メインシナリオのデッキは、「イベントカード12枚+プロパガンダ1枚」×5セットの55枚。Abyssの「イベントカード15枚+プロパガンダ1枚」×4セットの64枚からプロパガンダの間隔がちょっと短くなっているので、経験者はペース配分に注意。ちなみにショートシナリオがプロパガンダ4枚、ロングで6枚。
住民支持はAbyssの5段階から上下が狭まり、政府支持Support/中立Neutral/反政府支持Oppositionの3段階。
◆タリバン Taliban
FARC/M26に相当する、筆頭反政府派閥。
勝利条件は「反政府支持Opposition+基地Base>20」。支持状態で連合諸国(政府支持)と直接対立。
政府の市民運動Civic Actionと同様に、動員Rallyの一環として反政府支持を獲得するシャリアShariaアクション(FARCのAgitationに相当)を実施可能。従って勝ち筋は、基地配置を前提に「ゲリラ投入による地域支配→シャリアの実施→反政府支配の獲得」となる。
プロパガンダ収入は「基地数」だが、メイン収入源は脅迫Extortと思われる。脅迫は軍閥基地やLoCで実施すると、それぞれ獲得リソースにボーナス。前者は基地数×2Rを軍閥から奪う。後者はLoCのEcon値に等しいリソースを獲得。
潜入Infiltrateで政府駒を除去するとPatronageを減少させ、政府の足を引っ張れる。同様に上記の脅迫で軍閥のリソースを奪える。またゲリラによる地域支配で政府と軍閥も妨害可能。もちろんテロで支持状態を変えれば、連合諸国も妨害可能。
Pashtun族地域では展開Marchしても潜伏状態を維持できる。
◆軍閥 Warlord
カルテル/シンジケートに相当する経済系反政府派閥。基地はやっぱり麻薬農場の模様。
勝利条件は「未支配地域の人口>15/リソース>40」。支配状態で政府(COIN支配)と直接対立。
プロパガンダ収入は「基地数+軍閥ゲリラの存在するサボタージュされていないLoC数」。主な収入源は政府軍がゲリラの存在する地域を通過した際の通行料と、通行税Trafficアクション。後者は「連合諸国駒が存在しない地域の軍閥基地数」がアクションごとの獲得リソースとなり、最大で1アクションあたり12リソースを獲得する可能性がある(ただしタリバンと政府にも利益が発生する場合があることに注意)。カルテル同様、放置するといつの間にか勝利している可能性が高い。
基本的な勝ち筋は、「辺境への基地設置→通行税アクションによる蓄財」と「ゲリラ投入による未支配地域の増加」となる。軍閥単独支配も望ましくないため、ある程度は狩られる前提で薄く広く広がるのが有望。
2013/10/13 追記:支配状態はCOIN側とタリバン側しかないため、両陣営の支配を崩せさえすればよい。
非Pashtun族地域では展開Marchしても潜伏状態を維持できる。
政府を対象に贈賄Subornを実施すると極めて強力(地域あたり2Rでキューブ3個か基地1個を除去)。またテロで住民支持を中立化させることで、連合諸国(政府支持)とタリバン(反政府支持)を妨害可能。
◆連合諸国 Coalition
AUCに相当する立ち位置の政府系軍事派閥。ただしAbyssの政府/AUCとは主従が逆転している印象で、オペレーションも反政府系ではなくCOIN系。
固有のリソースが存在せず、オペレーションに関わる経費は政府リソースから支払われる。また戦闘で除去されたユニットは一旦戦傷ボックスへ送られ、プロパガンダ時にキューブの半分だけ利用可能ボックスに帰還する(基地と未帰還分はゲームから除去)。また戦闘では政府キューブが盾になる、掃討Sweepには勝手に政府部隊を連れていけるなど、政府をパシリに使う能力が豊富。
勝利条件は「政府支持+利用可能ボックス内の駒>30」。住民支持でタリバン(反政府支持)と直接対立。ちなみにおなじCOIN陣営だが政府の勝利条件は住民「支持」Supportではなく地域「支配」Controlなので、別の方向を向いて戦っていることに注意。むしろ敵。
仮に全ユニットを無事撤退させれば26点で、カブール(3点)と合わせて29点。カブール周辺の2点エリアを1-2箇所押さえ、プロパガンダ直前の全面撤退で勝ち逃げするのが理想。逆にユニットに損害が出るたびに、より多くのユニットを投入して不足分を政府支持で補う泥沼コースに陥ると思われるので、他派閥は積極的に出血を狙ってゆきたい。
目標が3エリアに拡張された航空攻撃Air Strikeがきわめて強力。特にReaperとPredatorの両イベントで強化されると、3エリアで各2目標(うち1個は潜伏ゲリラも対象にできる)を攻撃可能になり大変ヤバイ。中南米のCOIN空軍とは格が違う。
ゲリラへの直接攻撃のほか、訓練Trainで政府(Patronage)を、ユニット配置で軍閥(通行税収入)と政府(統治GovernによるAidからPatronageへの横流し)を妨害可能。少なくともカブールには基地を配置しておかないと、政府に統治で台無しにされるので注意。
◆アフガニスタン政府 Government
コロンビア、キューバ政府に相当する現地政府派閥。
勝利条件は「政府支配+Patronage>35」。支配状態で軍閥(中立支配)と直接対立。
プロパガンダ収入は「援助Aid+LoC(12)」。LoCだけで30リソースの収入があったコロンビア政府とは雲泥の差で、さらにここから連合諸国の経費も支払われることに注意。LoCとAidの確保には注意したい。
連合諸国基地のないエリアで、AidをPatronageに横流しする「統治」Govern, 軍閥基地狩りと見せかけてAidとPatronageを稼ぎ、ついでに住民支持を反政府に傾ける「麻薬撲滅」Eradicateという、連合諸国の神経を逆撫でするアクションを持つ。明らかに敵。
勝利条件のエリア支配にはある程度のユニットを常駐させる必要があることから、カブールと2点エリアを集中防御したうえで、犯罪撲滅EradicateでPatronageを稼ぐのが勝ち筋か。連合が政府支持エリアを作ったら、統治Governの餌にしたいところだが、さすがにそこまで隙は見せないと思われる。
また前述の統治で連合(政府支持)を、麻薬撲滅で軍閥(基地除去)を妨害可能。市民運動Civic Actionまで進めなくても、キューブを送り込んで地域支配を妨害すれば、軍閥(中立支配)、タリバン(シャリア前提の反政府支配)とも妨害可能。
ちなみに強襲Assaultのヒットレートはキューブ数の1/2(山地は1/3)と、コロンビア軍、キューバ軍を下回る劣悪さ。ジャングルがないのが救い。
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コメント
これはかみ氏もやろうと試みています。人気あるそうですよ。しかしウェブにそのAARが出てこないだけで
投稿: y.nakano | 2013年10月 9日 (水) 06時02分
もうプレイされているグループがあるとは意外です。
このシリーズでは日本のウォーゲーム界では地味な対ゲリラ戦なので人気がなくて、むしろシステム重視のユーロゲーム界で評価されているイメージがあります。
投稿: N村 | 2013年10月 9日 (水) 07時44分
いやぁ、読んでるだけでワクワクしますね。(ウンザリもするが)
当日が楽しみです。
なんにせよ突貫ご苦労様です。
投稿: Foreigner | 2013年10月 9日 (水) 08時54分
コロンビアに輪をかけて酷い話です。
当日は経験者2人で難易度高いCOIN側を分担して泥仕合をするのが良いんじゃないかと考えております。
投稿: N村 | 2013年10月 9日 (水) 09時37分