2013年N村的ベストウォーゲーム

クリスマスも終了し、今年も恒例の「2013年Ｎ村的ベストウォーゲーム」の時期がやってまいりました。
選考対象は例によって「2013年に初めてプレイしたゲーム」です。
過去分はこちらから→「年間ベスト」

A Distant Plain - GMT Games(→)

Andean Abyss, Cuba Libreに続くCOINシリーズ第3作。

アフガニスタン制圧後の治安作戦という、旧来のウォーゲームでは特殊ルール満載になりそうなテーマを、COINシステムでプレイアブルに再現。またCOINシリーズとしても、COIN側2派閥の協調ゲームという新境地を開拓したのが見逃せないポイント。

各勢力の相互作用の深さから難易度はシリーズ中最高ではありますが、それでも半日ゲームに収まっているのはCOINシステムならでは。COIN側2人プレイも思わぬ収穫でした。

High Frontier Colonization - Sierra Madre Games(→)

近未来の太陽系開発ゲーム、High Frontierの拡張キットのそのまた拡張。

「格好良いけどこんなところまで使えないよね」と、信者の間でもコレクターアイテム扱いだった海王星以遠マップをフル活用。ガジェット満載の新たなモジュールを駆使した外惑星系開発は、久しぶりにSF魂に火が付きました。

結局Origins研究会様より和訳も担当させていただくことになり、久しぶりに大型和訳を作成。Sierra Madre Games恒例の発売後アップデートに四苦八苦する日々が未だに続いています。

Decision: Iraq - Modern War#6(→)

21世紀の紛争としてはA Distant Plainのアフガニスタンと並ぶ重要テーマ、イラク戦争後の治安作戦をテーマとしたModern War収録作品。

インフラの掌握による地域支配をゲームの基本的なメカニズムに置き、強力ですが悪影響の大きな通常戦闘と、特殊作戦や宣伝戦を織り交ぜた非正規戦闘を並行させるというシステムは、Joseph Mirandaの本領発揮といったところ。普通のウォーゲームのセオリーに従って「正規戦力を上げて物理で殴る」と死ねます。

ゲームバランスの面では難点もありますが、個人的にMirandaゲームの原点であるCrisis 2000(OSS)を髣髴とさせるシステムで、「これこそ俺の求めていたミランダゲー」というヒットでした。国内ではModern Warの評判は芳しくない（というかスルー気味？）ですが、今後もホットなテーマに実験的システムで切り込んでゆくことを期待しています。

◆次点作

惜しくも次点となったのは、小粒なCOINシリーズ入門ゲームのCuba Libre(GMT Games)と、愉快なワイルダネス・アドベンチャーのPancho Villa(SMG)。

今年前半はWhere Eagles Dare, 後半はHigh FrontierとCOINにかまけていたため、新作プレイ数自体が控えめでしたが、その分特定のゲームに没頭していた1年でした。

◆2014年課題作

こちらはやっぱり2014年送りになったGTS: The Greatest Day(MMP)。「Mark Herman＋ベトナム戦争キャンペーン＋COINシステム」と、注目要素満載のFire in the Lake(GMT)。古代ギリシャに原点回帰のGBoH: Hoplite(GMT)。未踏のバルト海海戦に切り込んだFlying Colors: Blue Cross, White Ensign(GMT)といったあたりが注目の作品です。

そしてそろそろKickstarterからHearts and Minds(WG)が到着。2014年のゲーマ活動はこのあたりから開始する予定です。