Greek Civil War : YSGA 2014/06/21
BCT Command: Kandaharに続き、今月もBrian Train強化期間が続きます。
The Greek Civil War, 1947-49 - Modern War#11(→)
第2次世界大戦直後、ギリシャにおける政府軍と共産党系レジスタンスの内戦を、Brian TrainがデザインしたCOIN作戦ゲーム。
システムにはSomali Pirates(MW#03)で原型が登場し、続くDecision: Iraq(MW#06)とHoly Land: The Next Arab-Israeli War(#08)で使用された複合戦争システムを採用。本ゲームシステムについては、公式・非公式を問わずシリーズ名が見当たらなかったため、当ブログでは当面「ネットウォー」システムと呼称することにします。
ところで本作では、Modern War誌に掲載のルールのほかに、デザイナーのBrian Trainが別途ルールを公表しています。経緯についてはTrainのブログ(→)に詳しいですが、要するにDecision Gamesに最終稿を送付した後、実際に出版されたバージョンでは同氏に連絡なく内容が差し替えられていた模様です。このModern War版ルールの完成度が粗く、質問が多数寄せられたことから、オリジナル版のルール公開に踏み切ったとのこと。ちなみにクロノノーツ・ゲームで公開されている和訳は、Modern War版、オリジナル版の双方を丸ごと翻訳してある力作です。和訳者にはいつもお世話になりますが、特に今回の仕事ぶりには頭が下がります。
ちなみに本誌版とオリジナル版の最大の違いは、CRTが丸々差し替えられている点にあります。このうちオリジナル版は、Kinetic/Guerrilla/Civicのいつもの「ネットウォー」のCRTを採用。対して本誌版では、オープンエリア用のOpen Conflictとインフラボックス用のInfrastructureの2種類の新CRTを使用。いずれもオリジナルの3種のCRTを折衷したような内容です。
このオリジナル版は各種チャートも含めて公開されていますので、Modern War誌のコンポーネントを使用し、オリジナルルールでプレイすることも可能です。今回は両プレイヤーとも「ネットウォー」ファンだったため、ルールの完成度も考慮してオリジナル版のルールでのプレイとなりました。
またCRT以外のルール本体は大きな違いはなく、前作の細かなルールをそぎ落とし、シリーズルールの根幹をシンプルにまとめてあります。特に紛争の各段階における3種のCRT使い分けが自然に進む点は、シリーズの入門作としては最もプレイしやすいという印象です。
とはいえまったく問題がないわけではなく、全体的にエリアの得点の低いこと、また政府軍の動員制限のルールから、戦況に関わらず政府のPolitical Pointが低下せず、高止まりする点が問題として挙げられました。この点は両プレイヤーともダイナミックに得点が変動するイラクと中東に毒されていたこともありますが、オリジナル版を使用する場合でも、動員制限は本誌版のルールを使用することをお勧めします。
というわけで、今回はforger氏率いるギリシャ共産党との対戦。1戦目は序盤から特殊部隊扱いのLOK大隊(山岳コマンド)を集中運用する政府軍が、共産側のインフラを次々と破壊。地盤を失った共産側が、10ターンを待たずにあっさりと投了。プレイ時間は2時間強。
続いて気を取り直しての第2戦。こちらはゲリラ戦による部隊育成、経験を積んだ部隊による民生活動、そして正規戦への転換とセオリーを押さえた共産側が、局所的な政府軍の反攻を押さえて順調に拡大。前述の動員制限で部隊の拡張が進まず、正規戦とCOIN戦の双方を両立できない政府軍がじり貧に。Political Pointでは90点台を残しながら、支配地域はAthens周辺のみを残した政府軍の投了に終わりました。プレイ時間は4時間弱。
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