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Fire in the Lake - 大泉会 2014/09/21

個人的には今年度最大の期待作、Fire in the Lakeが埼玉にもようやく到着。
早速プレイエイドを作成し、お試し人柱会を開催してきました。

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Fire in the Lake - GMT Games()

COINシリーズ第5作。今回のテーマは1964年から1972年までのベトナム戦争キャンペーン。第2作以降、COINシリーズはオリジナルデザイナーのVolko Ruhnkeともう一人の共作となっていますが、今回のお相手は大御所のMark Hermanです。登場する派閥は、北ベトナム軍(NVA)、ベトコン(VC)、アメリカ軍(US)、南ベトナム軍(ARVN)の4勢力。A Distant Plain(ADP)に引き続き、今回もCOIN側、反政府側で2対2の対立構造となります。ゲームシステムの面ではADPをほぼ踏襲。さらに幾つかの新機軸が盛り込まれています。

◆特殊部隊(Special Force)と北ベトナム正規軍(NVA Cubes)

反政府側ゲリラ部隊に対応し、COIN側にも特殊部隊(US非正規兵IrregularとARVNレンジャーRanger)を表すシリンダーが登場。打撃力こそ正規部隊であるトループに劣りますが、潜伏状態のゲリラを直接除去するなど、小回りの利く使い勝手の良いアクションが使用できます。また反政府側でも、北ベトナム軍はゲリラをトループキューブにアップデートすることが可能です。さすがにベトコンの正規兵は登場しませんが、両陣営とも正規戦・不正規戦を並行する、複合戦争の要素が強化されました。

◆「切り札」イベント(Pivotal Event)

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ゲーム開始時に、各派閥には1枚ずつ専用のカードが配布されます。これはそれぞれ条件を満たした際に、現在のカードをキャンセルして該当派閥に有利な特別なイベントを発生させることができる「切り札」となっています。いずれも自派閥の優位が発動条件ですので、ゲームシステム上は最後の一押しを仕掛けるメカニズムということになります。

◆クーデター(Coup!)

他のシリーズ作品では「プロパガンダ」に相当するカードが「クーデター」です。このクーデターカードは同一ではなく、それぞれ新たに大統領となった南ベトナム政府の要人と、同大統領の在任中に適用される特別ルールが記載されています。Andean Abyssでは登場順が固定されていた大統領の特別ルールに、プロパガンダカードが組み合わさった格好です。適用される特別ルールは、政権の残念具合を反映して「エリアの平定コストの増加」や「訓練オペレーション毎に汚職ポイント獲得」といった具合。ちなみにクーデターカードの一部は「クーデター失敗」で、政権が交代しない代わりに騒乱により南ベトナム軍のおよそ1/3が除去されます。


つづいては今回の4派閥の特徴を簡単に紹介。

◆北ベトナム(NVA)

「切り札」は全員移動&全員攻撃の「イースター攻勢」。
ベトコンを含まない、単独支配人口と基地数が勝利条件。ラオス、カンボジア内の基地と、ホーチミン・ルートの整備状況で収入を獲得します。また前述のように、ゲリラを配置し、特殊アクションでトループにアップグレードする正規戦指向。しかしヒットレートはキューブ数の1/2で、南ベトナム軍といい勝負です。またベトコン駒をNVA駒に変換してしまうという、酷い特殊アクションを持ちます。テロの効果も「反政府支持」ではなく「中立」志向で、互いに攻撃こそしませんが、ベトコンとは必ずしも一枚岩ではありません。

◆ベトコン(VC)

「切り札」は全員テロ&全員攻撃の「テト攻勢」。
反政府支持人口と基地数が勝利条件。基地数で収入を獲得します。立ち位置はシリーズ定番の左派ゲリラ。打撃力は微妙ですが、テロを繰り返して支持さえ集めればよい、最もオーソドックスな派閥です。とはいえ前述のように、調子に乗ると北の踏み台にされてしまうのがポイントです。

◆南ベトナム(ARVN)

「切り札」は緊急援助&動員の「ベトナム化」。
COIN支配人口と、汚職ポイントである「パトロネージ」で勝利。連絡線の維持と海外援助で収入を獲得します。シリーズ定番のCOIN側政府派閥に相当します。キューブのヒットレートは1/2ですが、ゲリラ扱いのレンジャーの使い勝手が良好です。また自力で海外援助を稼いで、パトロネージに転換するマッチポンプが可能。ベトナム戦争物の南ベトナム軍といえばやられ役が相場ですが、本作ではADPのアフガニスタン政府同様、多彩なアクションでのヒールプレイが楽しめます。

◆アメリカ(US)

「切り札」はNVAの兵站を攻撃する「ラインバッカーII作戦」。
政府支持人口と、未投入部隊数が勝利条件。南ベトナムとリソースを共有し、ADPの連合諸国に相当する派閥です。また南ベトナム同様、ゲリラ扱いの不正規部隊を持ち、これを用いた「軍事顧問」アクションが活用されます。攻撃力は群を抜いており、ヒットレート(基地支援で2倍)と航空攻撃(6回)はシリーズ最強。またADPと異なり、トループの登場・帰還はアクションではなくクーデター手順のみとなりました。増派か撤兵か、状況判断が問われます。


ショートシナリオ:1965-1967

今回は手始めに、Foreigner氏と2人でCOIN側協力プレイによる動作確認を実施。両者とも加減をつかんでいなかったため、わずか5枚目の第1クーデターで南ベトナムがサドンデス勝利を達成。プレイタイム1時間弱でお昼タイムとなりました。

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ちなみに今回は事故終了に終わりましたが、このショートシナリオ自体が3クーデターと短いうえに、各キャンペーンのデッキサイズも通常の12枚に対して8枚と、Cuba Libre並みの短さです。初プレイにはちょうど良い規模ではないでしょうか。


フルシナリオ: 1964-1972

2戦目は遅れて来場した豚山ゴリ子氏を加え、フルキャンペーン3人戦。戦争序盤という事もあり、南ベトナムにまだ北ベトナム軍の姿はなく、ベトコンの勢力もまばら。地方に警察キューブが散在する、長閑な風景からゲーム開始となります。

最初に動いた米軍(Foreigner氏)は、「ローリングサンダー作戦」でNVA(NPF)の兵站に大打撃を与えて動きを封じます。さらに増派により北部と中部の高得点エリアに進出。正規軍の火力と空爆を駆使してベトコンを駆り立てます。圧迫されたベトコン(豚山ゴリ子氏)は、中南部で警察を撃破し、兵員を寝返らせて地方を掌握。トコロテン式に地方の支配を失った南ベトナム(N村)は、都市部を死守してパトロネージで稼ぐ戦略に移行。

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といったあたりで第4キャンペーン(1968年)を迎え、プレイヤー3派とも勝利ラインを射程に収めます。そしてようやく復活したNVAがメコンデルタに登場。ここで満を持してベトコンが「テト攻勢」を、米軍が「ラインバッカーII作戦」を相次いで切りますが、いずれも勝利には一歩及ばず。開場時間切れにより終了となりました。プレイ時間は5時間弱。NPCのルーチン管理とカードイベント解読プレイにしては、まずまずのペースです。

ひとまず要領はつかみましたので、今シーズンのメインゲームとして、引き続きベトナム会を開催する所存です。

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コメント

USプレイヤーによるFire in the Lakeの風景

まいど(^o^)丿Foreingerです。
今回US担当でFire in the Lakeをプレイしました。
今後の為にメモを少し。

USはARVNとリソース共有ですが、USのオペレーションにはリソースは使いません。
その為、ADPとは異なりプレイしやすく非常にフットワークが軽いです。
もっともプレイしやすい≠勝ちやすいで、勝つのは難しいです。
VCやNVA叩きばかりしているとARVNに足元をすくわれるので注意しましょう。
プレイヤーには強い意志を必要とされます。

以下は隣の青い芝生の話

ARVNは民間支援(と言う名の汚職)で得点を稼ぐのがオーソドックスです。
やりすぎるとUSに愛想を尽かされる、USに振られると支配地域の獲得が難しい、なのでその辺は加減が必要。
大人の加減が判るテクニシャン向け。
USにとっては獅子身中の虫。でも居ないと困る。

VCはUSとNVAを対立させてARVNとなれ合いつつゆっくり住民支持を取り付けるのが重要。
と言うと難しそうだが、多分初心者向け。
USにとっては間違いなく敵なのだが、配色から脅威になりにくい(スカイブルーはなぁ)。

NVAは…正体不明。いやマジで。
USにとって赤い津波はかなり脅威。
配色(赤)から目の敵にされやすいので、忍耐力のあるプレイヤー向け。

投稿: Foreigner | 2014年9月22日 (月) 21時55分

各派所感ありがとうございます。
NVAは序盤戦では戦力未知数でしたので、次回は活躍させたいですね。
もう一本、後半戦(1968-1972)のシナリオがあるので、こちらもそのうち試してみましょう。

投稿: N村 | 2014年9月22日 (月) 22時21分

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