The First Day : GCS 2015/03/21
今月の坂戸では、合間にタンクハンターを挟みつつ、土日ともウォーゲームをそれぞれプレイ。
まずは土曜日の冬戦争から。
Red Winter - GMT Games(→)
Foreigner氏提供。冬戦争序盤にフィンランド軍が勝利した、トルヴァヤルヴィ(Tolvajärvi)の戦いを、中隊ユニット/へクス径425ヤードで再現する作戦戦術級ゲーム。スケール的にはGTS(中隊ユニット/500m)とほぼ同様です。
システムはZOCあり、移動・戦闘の繰り返しで、戦闘比CRTを用いた作戦級よりのシンプルなシステム。特徴は重機関銃や迫撃砲、砲兵など重火器の扱いで、白兵戦に先立ってファイアパワー式の射撃攻撃が実施されます。
この射撃攻撃の結果は、シンプルに、「制圧」効果の有無で判定。大火力の場合はステップロスも発生しますが、これはオマケのようなもの。射撃システムの肝は、この「制圧」にあります。制圧されたユニットは、他のゲームによくあるような能力低下などは発生せず、効果も自軍ターン冒頭に自動的に解除されます。では何が問題となるかといえば、続く白兵戦において、「制圧」を受けた数だけ戦闘比にコラムシフトが発生します。攻撃の際は、攻防それぞれが彼我のユニットに対して制圧狙いの射撃攻撃を実施。この「制圧」成功の差分が最終的な「制圧コラムシフト」(最大3シフト)になります。
両軍のユニットの戦闘力はさほど違いはないため、戦闘時にはこの「制圧」効果をいくつ獲得できるかがきわめて重要です。仮に2対1の戦闘比でスタートした場合でも、制圧3個にもうひとつコラムシフト(包囲攻撃など)がつけば、それだけで最大比の6対1が獲得できます。単純なルールながら、歩兵攻撃における支援砲火の重要性を巧みに再現したシステムです。
また冬戦争らしいフレーバーが夜間ターンのルール。本ゲームにおいては、「焚き火」を焚いていないすべてのソ連軍スタックは、夜間ターン終了時に消耗判定でステップを失う危険があります。この「焚き火」はフィンランド軍から一定距離を離れていないと配置できず、また実施時は移動することもできません。このためソ連軍は夕方ターンには前線の警戒部隊を残して後方に撤収する必要があり、ラップランドの厳冬に備える必要があります。
対するフィンランド軍は、夜間ターンに「襲撃」アクションを実施可能。通常の3倍の移動力でソ連軍戦線まで往復し、コラムシフトつきのヒットエンドラン攻撃を実施することができます。もちろん「焚き火」を焚いているソ連軍スタックに対しては、襲撃に有利なDRMを獲得できます。
こうして重火器の数と質から昼間はソ連軍が優位に戦線を進め、ソ連軍の引きこもった夜間はフィンランド軍が跳梁と、昼夜でイニシアチブの入れ替わる戦いとなります。
というわけでルール自体は極めてシンプルながら、作戦戦術級としての味付けはなかなか。個人的にはノーマークだったのですが、次回作のノルマンディー戦、Operation Dauntless(→)にも期待が高まりました。
The First Day: Kivisalmi Bridge and the Tourist Hotel
今回は練習シナリオを攻守を入れ替えて2戦ののち、5日間のキャンペーンの最初の1日を扱ったシナリオをプレイ。N村は攻撃側のソ連軍を担当しました。ちなみに1ターンは90分ですが、12月のラップランドの1日はわずか5ターンで終了します(朝・昼・昼・夕・夜)。
兵力と支援火力に勝るソ連軍は、凍った湖面に延翼してフィンランド軍拠点を包囲しつつ、重火器の集中砲火で戦線をごり押し。午後には敗走するフィンランド軍部隊を追って、氷上を対岸まで一気に進出。防御の要であるホテルに到達します。ここでフィンランド軍の総力をあげた反撃が、まさかの失敗。がら空きとなったホテルを占拠して、夕暮れを迎えます。心配されたフィンランド軍の夜襲も、凍死上等で最前線の哨戒戦を維持したため、1スタックの壊滅で乗り切り、会戦初日はソ連軍の勝利に終わりました。プレイ時間は4時間弱。
写真は夜間ターン、凍結した湖面を疾走し、ソ連軍後方の砲兵キャンプを襲撃したフィンランド軍自転車大隊の勇姿。迫撃砲と歩兵砲の両中隊を壊滅させた同大隊は、無人のキャンプファイアーを背に、ふたたびラップランドの闇へと姿を消たのでした。
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