« The Race for Tunis : GCS 2015/08/23 | トップページ | Wing Leader : GGG 2015/09/13 »

Wing Leader : Immelmann 2015/09/12

ひさしぶりのインメルマンでは、たかさわ氏のお誘いにより新作の空戦ゲームの勉強会に参加。

Wing Leader: Victories 1940-1942 - GMT Games()

ベトナム戦争での米軍ストライクパッケージ(Downtown), ドイツ本土への夜間爆撃ミッション(Bomber Command)など、ユニークな航空作戦ゲームを送り出してきたLee Brimmicombe-Woodの最新作。今回のテーマは、第2次世界大戦における爆撃ミッションを目標への突入から離脱までを切り出した、「空の作戦戦術級」とでも言うべきゲームです。

Wl_v04_2015091204a

ユニットの規模は、スコードロン(7-12機)またはそれを分割した編隊(2-6機)と、盤上機動のあるゲームとしては大きめ。この規模では空戦機動を云々しても仕方ないため、移動ルールは非常に簡易にまとめられています。そして最大の特徴は、目標への突入から離脱までの行程を真横から切り出した、横スクロールシューティングゲームのような進行方向と高度のみの二次元マップ。この横長のマップを爆撃機が目標上空を駆け抜けて横断し、これを阻止する迎撃機と護衛機とがつばぜり合いを繰り広げる、というのが本作の基本的な構造です。

既存のゲームで例えるなら、Down in Flamesのキャンペーンシナリオ中の1ミッションを盤上でプレイするような感覚でしょうか。Downtownの経験者であれば、レイド行程を一直線に引き伸ばしてプレイする、というのがわかりやすいかもしれません。

シークエンスは敵機の視認チェックを実施した後に、イニシアチブ順に両軍が移動。戦闘は全ユニットが移動した後に、同一スクエア内で解決されます。

最初の視認チェックは極めて重要で、本作では各ユニットは対応する視認マーカー(各ユニット1個のみ)を置いている敵機以外を能動的に攻撃することができません。また無線とチャンネルのルールが設定されており、同じチャンネルに所属するユニットは警戒状態を共有することができます。。

移動力はカテゴリー別に一律で、戦闘機は3移動力、爆撃機は2移動力。また同ターンに降下した場合は+1移動力のボーナスが得られます。元の移動力が一律かつ小さいため、この[+1]が結構効いてきます。

戦闘は攻撃側が速度性能を使用する「一撃離脱」か、旋回性能を性能を使用する「格闘戦」を選択。攻防の能力を戦力差CRTにあてはめ、ロール結果によりヒット数を決定。与えたヒット数だけ火力を修正値とする損害判定をロールし、目標の防御力を上回る結果が出るたびに1機撃墜となります。移動が大味な分、このあたりの性能差はデータカードで細かく設定されており、機体の特性は十分表現されています。

Wl_v02_2015091203a

さらに戦闘後は損害に関わらず、攻防ともモラルチェックを実施。チェックに失敗して疲労が蓄積すると、損害の如何にかかわらず任務を放棄して帰途についてしまいます。平均するとおおむね2回の空戦を耐えられれば御の字、といったところ。このあたりは旧作のDowntownと同様で、物理的に相手を撃墜するより、拘束して追い払うことに主眼が置かれています。

また双方が生き残った空戦は、翌ターンも継続する「ドッグファイト」移行することができます。「ドッグファイト」状態では、イニシアチブを持つ側の指定する方向に1スクエアしか移動できなくなりますので、敵機を拘束して明後日の方向に追い払うことも可能です。

こうして攻撃側がマップを離脱するまでゲームを継続し、目標に与えた損害と彼我の撃墜VPでゲームの勝敗を判定します。


今回はたかさわ氏のインストで、Foreigner, 幻庵氏らと爆撃ルールを使用しない護衛シナリオを2戦。プレイ時間はインスト込みの2戦分が3時間ほどで、空戦ゲームとしては非常にスピーディーです。いずれのプレイでも、優位な高度からの先制攻撃と、モラルチェックの成否が勝敗を分ける展開でした。

全体としては「Down in FlamesのミッションをDowntownのルールでプレイする」というのがひとまずの感触です。これを手軽にDowntownの雰囲気が味わえるとみるか、Down in Flamesの手軽さとケレン味が失われたと見るかは感想戦でも意見が紛糾しました。引き続き本編となる爆撃シナリオに挑戦してみる予定です。

|

« The Race for Tunis : GCS 2015/08/23 | トップページ | Wing Leader : GGG 2015/09/13 »

Immelmann」カテゴリの記事

Wing Leader」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、いつもブログを楽しく拝読させていただいております。
Wing Leader を購入してソロプレイを始めたところなのですが、疑問点がひとつあるので
良ければ教えていただけないでしょうか。

航空機マーカーを真後ろに180°ターンさせる場合に、なんらかの移動コストは生じないのでしょうか?
普通に考えれば、真後ろに機首を向けようと思えば、大きく旋回しなければならず多くの時間をロスしそうなものですが、
ルールブックにはそれらしきことが書いてないように思います(自分が見落としているだけかもしれませんが)。

投稿: にく | 2016年12月18日 (日) 21時36分

こめんとありがとうございます。
90°超の旋回については、1MPを消費します。(8.1.1)
1MPでは大したことが無いように思えるかもしれませんが、戦闘機でも3MPしかないうちの1MPですので、結構厳しいです。

投稿: N村 | 2016年12月18日 (日) 21時53分

ルールを完全に見落としていました。。
教えてくださり、ありがとうございました。

投稿: にく | 2016年12月19日 (月) 00時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Wing Leader : Immelmann 2015/09/12:

« The Race for Tunis : GCS 2015/08/23 | トップページ | Wing Leader : GGG 2015/09/13 »