2015年N村的ベストウォーゲーム

今年も恒例の「2015年N村的ベストウォーゲーム」の時期がやってまいりました。
選考対象は例によって「2015年に初めてプレイしたゲーム」です。
過去分はこちらから→「年間ベスト」

Pax Pamir, Power & Empire in Afghanistan, 1823-1845 - Sierra Madre Games(→)

Sierra Madre Games, 2015年怒涛の新作・再販ラッシュの一作。19世紀アフガニスタンを舞台にしたグレートゲームを「Pax Porfiriana」を基にしたシステムで再現。旧作の問題点だった煩雑さをアイコン処理の徹底でブラッシュアップした結果、「SMG版COIN」とでも言うべきハイブリッド紛争システムが誕生。
新人デザイナーということもあり、テーマ面以外はさほど期待していなかったのですが、今回は嬉しい誤算となりました。

Wing Leader: Victories 1940-1942 - GMT Games(→)

航空作戦ゲームの鬼才、Lee Brimmicombe-Woodの最新作。その筋のゲーマーの度肝をぬくまさかの「横スクロール空戦ゲーム」としてプレビューが登場。しかし蓋を開けてみれば、LBWらしい切り取りの「空の作戦戦術級」が手軽にプレイできる良作でした。
今回は大戦前半のみの収録でしたが、すでに予告されている大戦後半モジュール「Supremacy 1943-1945」も期待大です。

1944: Race to the Rhine - PHALANX(→)

1944年の西部戦線における連合軍のフランスからライン河への突進を題材に、連合軍各軍(英軍、米第1軍、米第3軍)の戦果を競う補給ゲーム。システムはユーロゲーム寄りですが、戦闘より補給に焦点をあてた切り取り方は斬新で、貴重な3人ゲームとしても良作でした。
また今年は本作に加えて、「ラインへの道」「Beyond the Rhine」と、補給に重点を置いた西部戦線キャンペーンゲームを梯子することになったのも貴重な経験でした。

◆次点作

ベスト3に続く次点は、素晴らしい内容ながらあまりの重厚さに一同ドン引きの「Beyond the Rhine」、シンプルながらツボを押さえた作戦戦術級「Red Winter」、Phil Eklundらしい怪作ですがウォーゲーム枠に入れるのは躊躇われる「Neanderthal」といった面々が続きます。なんだかんだで今年もOCSとSierra Madre Gamesの1年でした。

◆2016年課題作

これから年内に向けて着手予定ですが、さすがに2016年枠に回させていただきたいGTS新作「The Greatest Day」、グタグタのアップデートを乗り越えてkickstarter案件となった「High Frontier 3rd」、今度こそ出るんですよね？「Bios: Genesis」、ガリア戦記COIN「Falling Sky」、新たな対テロ戦争「Labyrinth: The Awakening」、2人用COIN大丈夫なの？「Colonial Twilight」といったあたりが期待のアイテムです。