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Sicily II : 秋葉原平日会 2016/09/06

今週は市川氏をお相手に、久しぶりの平日会を開催。
Operational Combat Seriesの最新作に着手してきました。

Sicily II - MMP()

シチリア島マップを舞台に、ハスキー作戦全体を扱っていた"Sicily: Triumph and Folly"(2000)のリメイクとなるOCS最新作。旧作の2.5マイル&1/4週ターンのスケールを、OCS西部戦線スタンダートの3.5マイル&1/2週ターンに縮小。これに伴い、マップ2枚から1枚のコンパクトなゲームとなりました。

また今作はOCSのガイドブックとなる"Operational Matters: An OCS Guide"の付録という体裁で、ゲームルールもOCSガイドの中綴じで収録されています。このためOCSのシリーズルール(v4.2)とチャート類は付属していません。プレイには別途ダウンロードが必要です。

収録されているシナリオ、0.5~3ターンのミニシナリオが3本。さらに上陸計画、上陸直後、パレルモ陥落と、開始時期の異なるキャンペーンシナリオが3本となります。特にパレルモ開始のシナリオ4はマップ1枚で最長12ターンですので、OCSのキャンペーンシナリオとしてはなかなか手ごろな規模ではないでしょうか。

S1: Western Sicily

まずはシナリオ1, シチリア島の東半分を使用した、米軍のパレルモ侵攻のシナリオです。第2戦車師団と第3歩兵師団、および雑多なレンジャーと空挺の合計3個師団弱の戦力で、シチリア島西~北岸にかけての4目標(黄色と赤のクリアへクスマーカー)から3箇所を陥落させねばなりません。

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制限時間は3ターン。補給ポイントも初期配置の約10SPのみで補充なし。OCSでは戦車師団の移動に毎ターン1SP, 一個師団が攻撃するごとに概ね1SP(砲兵抜き)が必要となりますので、場当たり的な攻撃は禁物です。

米軍(N村)の作戦としては、Agrigentoから鉄道沿いに北上し、イタリア軍補給線の根元をカットするルートも検討されました。しかし想定ルートの貧弱さ(内陸に降車可能ヘクスがない!)と1個しかない司令部を山中に投入するリスクから、これを断念。幹線道路沿いに西側からPalermoに回り込むオーソドックスな作戦が採用されました。

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結果はAleamo経由で迂回した第3歩兵師団と第2戦車師団の軽戦車部隊が、第2ターンにPalermoを囲むことに成功。続くイタリア軍のリアクション砲撃をかわして、Palermoを強襲奪取。これで補給切れとなった西岸2港を最終ターンに攻撃し、なんとか勝利条件を満たして米軍勝利となりました。とはいえ勝利した米軍の残り補給ポイントは僅か3Tのみ。どこかで余計な戦闘や移動を挟んでいたら、ゲーム終了を待たずに投了となるところでした。プレイ時間は1時間強。

というわけで、米軍が少ないリソースと時間をやりくりする詰将棋的なシナリオです。一般的なウォーゲームのように、全戦線にわたる移動&攻撃を繰り返していては、すぐに行き詰まります。このため必然的に、OCS独特のリソースの集中と突破戦闘を学ぶ必要があります。必要なルールも移動、砲撃、戦闘、補給のみ。空軍も登場せず、特殊なルールと言っても駆逐艦が艦砲射撃に出てくる程度。初めてOCSに触れるには、現状で最良に近いシナリオなのではないか、という感想戦となりました。


S3: Primosole Bridge

続いてはシチリア島東岸。Syracuseを確保した英軍が、空挺部隊と連携してAugusta, Cataniaと北進するシナリオ。制限時間は僅か2ターン。北上する英軍の前には、2本の河と独軍Schmalz戦闘団が立ちふさがります。

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こちらは第1ターン劈頭、Mt.Etna山麓の飛行場に完璧な降下を決めた英軍(市川氏)により、枢軸空軍は主力の独軍戦闘機隊を多数喪失。主戦線でも一本目のLentini河に橋頭保を築かれます。

対する枢軸軍は、唯一生き残ったBf109Gを護衛に、イタリア本土から第1降下猟兵師団の分遣隊を空路突入。英軍シーファイアの迎撃をかわし、この空輸に成功します。また最前線で敗走混乱中の砲兵隊が、駆け付けた驢馬補給隊から受け取った弾薬で英軍橋頭保への砲撃に成功。英軍の勢いを止めることに成功します。

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続く第2ターン、英軍は重厚な艦砲射撃と空襲により、Cataniaへの海岸道3ヘクスすべてに混乱マーカーを配置。モントゴメリーらしい地ならしののち、突破作戦を開始します。ここでオーバーラン、通常戦闘、突破戦闘と繋がればCatania突入もあり得たのですが、先の砲撃で混乱中の英軍が、2戦目のPrimosole Bridgeで逆奇襲を受けたことで進撃がストップ。英軍投了で終了となりました。

プレイ時間は2時間ほど。先のシナリオ1よりターン数は短いですが、空挺・空輸ルールは必須でユニット密度も高く、難易度はかなり高めです。OCS経験者が空挺ルールをおさらいするためのシナリオ、という感触でした。


"Western Sicily" & "Primosole Bridge", Sicily II(MMP) ‐AAR()

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コメント

このAARを読むと困った事が2つ発生する。
1つはN村さんと市川さんが楽しそうにプレイしている処が目に浮かぶ。まあ、これは良い。
もう1つは「このサイズなら私でも買えるんじゃない?」と思えてしまう事。
まて、それは孔明のワナだ!と毎回自分に言い聞かせなければならない。

投稿: Forger | 2016年9月 7日 (水) 12時27分

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