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2017年N村的ベストウォーゲーム

本記事は「War-Gamers Advent Calendar 2017」の12月11日分としてエントリーさせていただいております。

年末には少々早いですが、今年も恒例の「2017年N村的ベストウォーゲーム」の時期がやってまいりました。
選考対象は例によって本邦ウォーゲーム界の流行と関係なしに、N村が「2017年に初めてプレイしたゲーム」です。
過去分はこちらから→「年間ベスト

Baptism By Fire: The Battle of Kasserine - MMP()

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大隊ユニットで師団単位の諸兵科連合作戦をプレイするBattalion Combat Seriesの第2作。難解で斬新なルールのみならず、重厚なコンポーネントで界隈をドン引きさせた第1作から一転。今度はあまりにもスカスカな戦線に「これで大丈夫なの?」と逆方向の不安を抱かせました。
実際にプレイしてみれば、米軍第1機甲師団の退却戦からカセリーヌ峠に至る戦いを、ほぼシリーズルールのみでプレイアブルに再現。コンパクトなこちらを最初に出してくれよ、という声もあがった良作でした。
またバルジの戦いを扱った前作、Last Blitzkriegとの比較も興味深いところ。チュニジアから西部戦線に至る米軍の進化が、単純な戦闘力の増加ではなく、システムの根幹にかかわる形で再現されているのが素晴らしい。重機甲師団は何が問題だったのか?そして独立戦車大隊、戦車駆逐大隊は大戦をどう戦ったのか?という長年の疑問に、正面から答えてくれた俺得なシリーズでした。というわけで、2017年の一押しです。


Colonial Twilight: The French-Algerian War, 1954-62 - GMT Games()

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アルジェリア戦争を扱ったCOINシリーズ第7作。A Distant PlainでCOINシステムを掌中のものとしたBrian Trainが、ホームグラウンドのアルジェリア戦争へと帰還。50年代らしい、ダーティーな対叛乱作戦が繰り広げられます。
懸念された2人用ゲームとしてのバランスも、改良されたイニシアチブ・システムで解消。複数陣営テーマに縛られていたシリーズに、通常の2陣営対立の道を開いた点が光ります。


Urban Operations - NUTS! Publishing()

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誰もが思いつきますが、実例が無かった「積み木の戦術級」。中隊規模の諸兵科連合チームによる現代市街戦という、もうそれだけで重そうなテーマを、巧みな誇張と省略で再現。本職の市街戦専門家という視点からの取捨選択も、既存のウォーゲームに慣れた目からは興味深いものでした。そこ重要なんだ!こっちは省略しちゃうんだ!という。そして非対称戦争を正面から扱った点も、まさに今世紀の戦術級、という評価ポイントです。


◆惜しくも選外のみなさん

今年は良作が続きましたので、それぞれ語りたいネタも多いのですが、きりがないので手短に。

Labyrinth: The Awakening 2010-? (GMT): 各地の事件がメディアを通じてつながり、各国を巻き込んだ大規模な内戦に発展してゆく展開が秀逸。箱を買い忘れた以外は文句はないのですが、拡張モジュールということで惜しくも選外。

高平南之戦(黒猫制造総局): 作戦戦術級としてはプレイアブルなシステムは光るものの、シリーズ初期作ゆえの曖昧な点が多々見られたのが減点。中越戦争全体をシリーズ化しようという意気込みは応援したいので、第2作もお待ちしております。

Operation Mercury (MMP): 重厚なコンポーネント以外はシリーズ入門ゲームとしても最適と、GTS界隈では絶賛でしたが、隙がないが故に人柱会が一瞬で終了してしまったのが災いしました。「どこか変だけど見どころがある」ゲームの方が、人柱会は盛り上がるのです……すいません。

High Frontier 3rd (OSS): やりすぎのコンポーネントは素晴らしかったのですが、数々のトラブルのため大幅減点。Phil Eklundの最新データが反映されなかったのも痛かった。やはり多少遅れても、自社ブランドで完成させていただきたかったです。


◆2018年課題作

例年なら年末にプレイしているところですが、製造トラブルのため来年送りがほぼ確定した「Bios Megafauna 2」「John Company」のシエラマドレ両作品。OCS東部戦線の入門作となるか「OCS: Smolensk」。こちらはGMT版「High Frontier」となるのか「SpaceCorp」。これまでにない長期スケールと政治闘争をCOINシステムがどう料理するのか「Gandhi」といったあたりが、2018年の期待のアイテムです。

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