東大紛争 : GGG 2018/05/13

ひさしぶりのGGGにて、ゲームマーケット新作の人柱会を開催。

「東大紛争 1968-1969 闘争50年目の総括」ジブセイルゲームズ(→)

1968年から1969年かけての東京大学を中心とした大学紛争を、大学＆文部省、警察、全共闘、民青＆共産党（ゲーム内表記は「あの政党」）の4勢力によるCOINシステムで再現する「対叛乱作戦」ウォーゲーム。

本作はCOINシリーズの入門用として制作された「幕末京都騒乱」(GJ#61)をベースとしており、本家GMT社のシリーズ作品と比較すると非常にコンパクト（イベントカードはAndean Abyssの72枚に対して32枚）。また各勢力が禁裏を目指して続々と集結し、クライマックスに至る元ゲームのストーリーを、安田講堂攻防戦に至る東大紛争に移植した着眼点は見事。特に禁裏内ベーススロットの争奪戦を、東大各学部（＆安田講堂）の支持争いに当てはめた設定は秀逸です。個人的にはこの「最終決戦に至るストーリーが明確」「決戦場内での支持争いが並行して発生する」という点が、本家GMT版にはない近藤版COINの独自の魅力と考えています。

というわけでCOINシステムの解説は本家に任せて、以下はその筋の人に向けた各勢力の解説です。

◆大学＆文部省（政府軍）

焦点となる東京大学エリアを根拠地とする政府勢力。勝利条件は住民支持。ただし焦点となる東京大学（最大6VP）は学部スロット毎に1VPが割り振られており、自派閥のベース（教授会）を配置しなければ得点することができません。ちなみにサドンデスVPは東大全学部の支持に相当しますが、東大以外の全私学エリアの支持を得ることでも達成可能です。また特殊アクションとなりますが、警察駒を東大エリアに移動させる能力を持ちます。とはいえ学内自治の原則に反しますので、警察の介入を実施すると東大が反体制支持に傾くことになります。

◆警察（政府軍実働部隊）

ゲリラ（公安）とトループ（機動隊）を持つ実働部隊。勝利条件はエリアの支配。サドンデス条件は東京大学を含む全エリア（6箇所）の支配に相当。トループである機動隊のヒットレートは強力ですが、警察プレイヤーの「機動隊移動」では東京大学エリアへ移動することができません。あくまで大学当局の要請（大学＆文部省プレイヤーの「機動隊東大移動」アクション）が必要なのです。

◆全共闘（反政府ゲリラ）

タリバンやベトコンに相当する左派ゲリラ。勝利条件は配置ベース（アジト）数。サドンデス条件は全ベース（6個）の配置。東大の学部スロット（6箇所）で全面対決を狙うもよし、私学エリア（5箇所）に浸透しても構いません。ただしアジトの警護に割けるほど手駒の余裕はないため、アジトを分散させると容易に公安に摘発されることになります。また「資金調達」アクションを実施すると対象エリアが体制支持に傾くため、住民支持が得点源となる民青とは犬猿の仲。反体制勢力同士の全共闘と民青ですが、もちろん相互に攻撃が可能です。

◆民青＆共産党（反政府軍）

ゲリラ（民青）とトループ（組合員）を持つ反政府軍。勝利条件は住民支持。大学＆文部省と真っ向から対立する立場です。戦闘力はともかく組合員の総数は機動隊に匹敵し、東大エリアを実力で支配できるだけの潜在力があります。ただし組合員の動員に時間がかかるため、東大が手薄な序盤に学部スロットにシンパ（ベース＝政治駒）を配置する速攻策をとるか、組合員の動員が完了する終盤に正攻法を仕掛けるかは悩みどころです。

というわけで、今回はCOINシリーズ初プレイ1名を含む4名での人柱会を開催。東京大学の情勢は、当局側教授会優勢の状況から、勢力争いの隙をついて全共闘シンパが2学部＆安田講堂の占拠に成功。全共闘3（安田講堂、医学部、文・法学部）、当局2（理・工学部、薬・農学部）、民青1（教養・経済学部）の情勢で手詰まりに。終盤に治安活動に本腰を入れた警察が全エリア支配を達成しましたが、勝利判定のタイミングが合わずに失速。この警察の勝利阻止のドサクサで、全共闘が残るアジトを早稲田、日大、上智の各私学に配置することに成功したタイミングで勝利判定が発生。東大と私学の連帯による全学闘争により、全共闘の勝利に終わりました。プレイ時間はインスト込みの3時間ほど。

ジブセイルゲームズ・サポートブログ：「東大紛争 1968－1969」ルールエラッタ＆明確化(→)