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Pax Emancipation : GCS 2018/11/24,25

アナログゲーム界隈的にはゲームマーケットの週末でしたが、N村は顔出しのみで坂戸例会へ。ひたすらPax Emancipationを回した週末でした。

Pax Emancipation - Sierra Madre Games()

イデオロギーと革命の処理が本作の面白さのキモのひとつだと思いますので、今例会のゲーム仕様は以下すべて拡張ゲーム。協力プレイでは、C1A「協力と競争のゲーム」を協力ゲームで打ち切る形式で使用しています。C1Aは公式の協力ゲームであるC1Bと異なり、圧政による民衆フラストレーションの鎮圧が存在するため、難易度が少々低くなります。しかし圧政を切り崩すか否かの判断が面白いため、難易度とジレンマのバランスからこの仕様がお気に入りです。

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まずは土曜日に、ルールマスターとして協力ゲームのインスト3人戦を開催。このプレイでは、議会派(赤)を除く2派が敗北フラグの回避に失敗し、プレイヤー側敗北。最終盤面はもう1ターンあれば全員がクリアできた、という状態でしたので、初手ブラジルでポグロム発生という珍事がなければ勝利できたはず(言い訳)。

またこのプレイでは、アメリカ独立戦争の決着が迷走。ここで革命を行く末を示すイデオロギーとして白羽の矢が立ったのが、東洋の自由民権運動家のサムライ・板垣退助(Samurai Itagaki Taisuke)。イギリス経済界(緑)の後押しで、自由民権運動のイデオロギーは見事グローバル化に成功し、この思想に感銘を受けたアメリカ独立戦争も決着。そしてなぜかこの影響(インパクト処理)で、西アフリカの白バリアー、呪術医(Witch Doctor)が消滅。板垣先生、アフリカで何してたんですが(笑)。


続く日曜日も、協力ゲームのインスト3人戦でルールマスターを担当。こちらのプレイでは、福音派(白)が追い込みラッシュに失敗して脱落したものの、残る議会派と経済界(緑)が稼いだ得点で協力ゲーム勝利。自由民があと1個配置できていれば、福音派の得点も加わり決定的勝利という状況でした。

この2戦目のMVPは、青年トルコ人(Young Turks)。初期配置から登場していたこの東方イデアは、最終ターン直前にクリミア戦争の余波で潰されるまで、長きにわたり活動を継続。地元での活動は振るわなかったものの、イギリス財界の援助で各地の人権運動を支援。全世界にその足跡を残したのでした。

またこのプレイではイギリスの中途半端な介入を受けた日本の状況が悲惨で、四民平等を求める市民革命(Senmin Haishirei Edict)で幕府は滅亡。しかし年貢(Agricultual Stipend)に苦しむ全国的な一揆と尊皇攘夷浪人(Sonno Joi Ronin)による騒乱は継続(無政府状態ディスクが配置)。そして人口の過半がイギリスの植民地(赤エージェント&自由民)になるという修羅の国になりました。イギリス植民地主義許すまじ。


そして日曜の午後は、N村も参加して競争ゲームのC1E「マルサス主義バリアント」を開催。これまではすべてルールマスターとしての参加でしたので、N村自身の対戦プレイは今回が初となります。

本作の競争ゲームでは、協力ゲームでの得点に加えて、革命が成功した近代国家の政治体制という要素が追加されます。近代国家はその誕生時に残されていたバリアーに応じて、政治体制を決定。例えば赤バリアー(左派)のみが残されていた場合は民主主義国となり、議会派の赤プレイヤーにボーナス得点が加算されます。反対に白バリアー(右派)のみが残されていた場合は保守的な宗教国家となり、福音派の白プレイヤーにボーナス。すべてのバリアーが除去されていた場合は、ネオリベ的自由経済の共和主義国となり、経済界の緑プレイヤーにボーナス、といった具合です。このため赤白の両派はバリアーの除去に慎重になり、極端な場合は一旦除去されたバリアーを盤上に差し戻す退行すら発生します。

協力プレイではすべてのバリアーを除去した聖域を作り、そこを足掛かりにした「地下鉄道」で周辺を切り崩すという戦略が常套手段だったのですが、競争ゲームでは互いの牽制でこうした聖域を作ること自体が困難。今回は西欧、北米、南米にそれぞれ近代国家が誕生したのですが、いずれも各派の牽制の結果、赤白のバリアーが残された残念国家に。北米などはKKK(白)と逃亡奴隷法(赤)が残っているという、これはこれでヒストリカルだけど、奴隷解放派的にこれはどうなの?という結末に。終始互いの足を引っ張りあう泥仕合で、プレイ感は協力ゲームとは全く異なるものですが、これはこれで愉快なゲームでした。

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写真はゲーム終盤。北米は上記の通りですが、西欧も恐怖政治(白)と塩税(赤)が、南米では初期配置のバリアー3枚がまったく取り除かれていない、という体たらくです。ゲームの結果の方は、軽快な砲艦外交で各地の暴動を阻止した議会派(N村)の勝利。この設定ですと、内陸に絡まず砲艦外交で得点しやすい、議会派がちょっと有利かな?という感触です。

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