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SpaceCorp : GCS 2019/01/12,13

Ariovistusに続く昨年末の積み残しより、ベテランウォーゲームデザイナーの最新作をプレイ。

SpaceCorp - GMT Games()

古くはAmbush!(VG)やHell's Highway(VG), 最近でも『ジュビリー作戦:ディエップ1942』(国際通信社)を手掛けたベテラン、John Butterfieldの最新作。2025年から2300年までの宇宙開発を、地球近傍から火星まで、小惑星帯から冥王星まで、そして恒星間世界の三つの時代でプレイする1-4人ゲーム。

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太陽系内から近傍恒星の宇宙開発というテーマや、天体の資源探査、基地建設、工場生産と偉業の達成が目標となるというゲーム構造は、先行するHigh Frontier(SMG)とほぼ同一。しかし探査機ビルドや推進剤管理、ホーマン軌道遷移による移動システムなど、High Frontierでマニアを唸らせた半面、一般人には意味不明な部分はバッサリとカット。移動はエリア移動に簡略化し、すべてのアクションを「要求されるコストを、プレイヤーのインフラとプレイするカードの該当能力合計で満たす」というシンプルなシステムで統一。ウォーゲーム的に言うなら、ディテールにこだわる作戦戦術級のHigh Frontierに対し、より視点の高い作戦級、といったところでしょうか。

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実際のゲームでは、まず移動距離に応じたコストを支払い、探査チームを「移動」アクションで目標天体へと移動。天体上で「探査」アクションに必要なコストを支払い、探査タイルをめくって実際の資源や発見物を確定。発見物によっては、ここでVPを獲得することができます。続いて「建設」アクションで、資源に応じた様々な特性を持つ基地を建設。生産力のある基地を建設している場合、「生産」アクションで生産力に応じたVPを獲得することができます。また前述の探査による発見と生産アクションに加えて、「最初に火星に基地を建設」などの偉業達成からもVPを獲得することができます。

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また盤面には関わらないアクションとして、人間の宇宙環境への適応を進める「適応」と技術開発の「革新」では、それぞれ一定値を進めるごとに追加能力カードを獲得することができます。また「インフラ更新」のアクションで、プレイヤー陣営の基礎能力を向上させることも可能です。さらに手札は4枚以下の場合にのみ1枚だけ補充されますが、「開発」アクションでは支払ったコストに等しい枚数のカードを一気に獲得することができます。

このように様々なアクションが存在しますが、自分の手番に使用できるアクションは一種一回のみ。のんびりインフラや技術開発にかまけていては、おいしい天体は他陣営に押さえれてしまう。実際のゲームでは、相手に先んじてどこを押さえるのか、どのタイミングで飛び出すかのレースゲームの様相となります。

こうして指定数の偉業が達成されるか、山札と手札が尽きて指定人数のパスが発生すると、プレイ中の時代は終了。VPと更新したインフラ、獲得した特殊能力カードのみを残して盤面をリセットし、ゲームボード自体を置き換えて次の時代のプレイを開始。こうして「地球~火星系」「外惑星系」「恒星間」の三つの時代を駆け抜けて、累積した合計得点を競います。

この三つの時代ともルールのコア部分は共通で、「外惑星系」時代で「適応」「革新」の各アクションと放射線防御のルールが、「恒星間」時代では植民地である「コロニー」のルールが順次追加されてゆきます。ゲームの展開自体がプログラム学習方式となっている、という格好です。

また「地球~火星系」「外惑星系」「恒星間」の三つの時代を通してプレイするのが標準のプレイ形式ですが、各時代のみ、二つの時代だけをプレイするバリアントも用意されています。プレイ時間はそれぞれ1-2-2時間といったところ。通しでプレイしても、午後いっぱいでのプレイが可能です。またソロプレイ用ゲームを得意とするButterfieldらしく、別途ソロプレイ用のルールブックも用意されている至れり尽くせりぶり。


というわけで、今回は土日でそれぞれ4人プレイ人柱会を開催。ルール自体は非常に簡単ですので、若干のカードテキストと、プレイエイドに一覧となっている基地・コロニーの特殊能力さえ読めればプレイは容易です。このところアレなルールばかり訳していたので、Butterfieldの平易なルールブックに心が洗われたN村でした。

プレイ結果の方は、土曜日は「外惑星系」時代に頭一つ飛び出した一味氏が、「恒星間」時代の各プレイヤーの猛追をかわして逃げ切り勝利。続く日曜日は、「外惑星系」時代から無暗矢鱈と人の革新を進めたN村が、オールドタイプForger氏との頂上決戦を破って勝利となりました。いずれもプレイ時間はインスト込みの5時間ほど。人気のテーマでプレイも手軽と、ベテランデザイナーの手腕を改めて感じた最新作でした。

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