Arc of the Kaiser's Last Raider : GGG 2019/02/10
SpaceCorpのプレイ後に、GGG随一のバカゲー耐性を持つS木氏を捕まえて、パルプマガジン小説講座を開催。
Arc of the Kaiser's Last Raider - One Small Step(→)
今回はS木氏をプレイヤー、N村がゲームマスターとして作品のシリーズ化に挑戦。インストから全4話のプレイ時間は、合計2時間半というところでした。
ちなみに以下ではもっともらしくストーリーを作っていますが、ゲームシステム上は個々のイベントの関連付けは特になく、すべてプレイヤーが後付けした妄想です。率直に言ってアートワーク以外のルールライティング、システムとも全部雑なゲームなのですが、「パルプマガジンだから仕方ないね」ですべて片付く設定は天才的。そして仕方ないと思えない人は、近づいはいけないタイプのゲームです。
◆第1話:アビシニアの皇帝密使
最初の任務はアビシニアでのグレート・ゲーム。インドネシアの荒海で船医がサメに襲われるオープニングから、仮装巡洋艦ヴォルフ号はインド洋を横断してアフリカ沿岸に到着。道中で軍医に代わって応急処置を申し出た水兵が、大学出のインテリであることが判明(「お約束プロット」で科学者をリクルート)。端々で的確な助言を下し、以後のシリーズでも登場するレギュラーキャラとなります。また道中で端役として登場した「龍女王」ことインドの女藩王は、読者の意外な人気にのちの伏線となります。
そして陸路アビシニアに到着した一行は、同行する諜報部員とともにエチオピア皇帝に謁見。無事に秘密協定を締結し、密かに飛来したツェッペリン飛行船に外交文書を託して任務終了。
◆第2話:古代レムリアの秘宝
割合まともな冒険・謀略小説だった第1話から一転。今回の目標は、東南アジアに隠された「古代レムリア遺跡の熱線兵器」という伝奇路線へ。ブルネイのエージェントに託されたヒエログリフをインテリ水兵が解読し、アンコールワットの奥地にレムリア文明の遺跡が隠されていることが判明。勇躍カンボジアを訪れた一行でしたが、遺跡を守る熱線砲に進退窮まります。しかしここで、ベテラン水兵の機転で熱線砲を封印(これも「お約束プロット」によるリクルート。この展開多くない?とギャラリーからツッコミが)。見事これを回収し、太平洋を横断して帰路に就くヴォルフ号でした。
◆第3話:青島の幽霊部隊
水上機と母艦の偽装による鮮やかな商船襲撃で幕を開けた第3話。今回は再び謀略路線に戻り、青島陥落前に密かに同地を脱出したドイツ軍部隊の捜索と救出が任務となります。密かに青島に潜入した一行は、連合軍の工作員と遭遇。諜報部員の丁々発止のやり取りの末、ドイツに協力する中国人組織の手助けにより、部隊がボルネオにジャングルに潜伏していることを突き止めます。
諜報パートに尺を取られたためか、肝心の捜索・救出劇はあっさりと解決。再び太平洋を横断し、ヴォルフ号はホーン岬へと太平洋横断に出発します。
◆第4話(未刊):ドラゴン・クイーンと孤島の秘密兵器
成功すれば単行本化されるであろう、シリーズ成功の目安となる第4話。今回の任務は、第2話の「レムリアの熱線砲」を元にした「電子放射砲」を研究する南洋の秘密基地からの試作品回収。小説は補給のためにココス諸島を訪れたヴォルフ号に対する、「龍女王」率いる連合軍部隊の奇襲攻撃により開幕します。
備砲のほとんどを破壊されたヴォルフ号は、緊急発進した水上機と海兵隊のボーディングにより反撃。満身創痍となりながらも、いつの間にか宿敵となっていた「龍女王」との戦いに勝利。完結編らしい派手な幕開けとなります。
しかし「龍女王」との闘いの描写に力尽きたのか、その後のストーリーは読者の求めるアクションもなく、海洋描写に終始。ストーリーを畳めないまま締め切りを迎え、編集長もお冠。結局完結編は掲載されず打ち切りとなり、S木版「ヴォルフ号」シリーズは単行本未発売の幻の作品となったのでした。
| 固定リンク
「AotKLR」カテゴリの記事
- 2019年N村的ベストウォーゲーム(2019.12.23)
- Arc of the Kaiser's Last Raider : SoGC 2019/02/11(2019.02.11)
- Arc of the Kaiser's Last Raider : GGG 2019/02/10(2019.02.10)
- 海洋冒険小説シリーズ「皇帝陛下のヴォルフ号」(2019.02.09)
- Arc of the Kaiser's Last Raider : 自宅会 2019/02/03(2019.02.03)
コメント