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Pax Pamir Second Edition

Kickstarter案件となっていたPax Pamirの新版が無事到着。
先にアップしたルール和訳に加えて、現物の確認できたカード記載ルールも一通り和訳が終了しましたので、雨の休日にソロで動かしてみました。

Pax Pamir: Second Edition - Wehrlegig Games()

オリジナルは2015年にSierra Madre Gamesよりリリースされた、PAXシリーズの第2作。これをオリジナルデザイナーのCole Wehrleが、自分のブランドでリメイクしたのが今回の第2版です。リメイクの顛末については、ルールブック巻末にWehrleのノートが掲載されていますので興味のある方はそちらへ。

改めてゲームについて解説しますと、背景となるのは19世紀のアフガニスタンで、英露が鍔迫り合いを繰り広げたグレートゲーム。これをアフガニスタンの現地有力者の立場で、アフガニスタン民族派を含む3帝国の中から勝ち馬となるを見定め、その勝ち馬の中での影響力を競うというマルチゲームです。

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ゲームのシステムは、山札から登場順にカードが並べられた「マーケット」からカードを手札に購入。これを自分の場札となる「タブロー」にプレイして配置すると、カードにアイコンで記載されたアクションが可能となるというPAXシリーズの基本を踏襲。このカードをプレイする際に、カード記載のトークン(3勢力の軍隊と街道(通商利権)、各プレイヤーの部族とスパイ)がマップ上に配置されます。

カードアクションには収入を得る「徴税」、現在忠誠を誓う帝国への影響力を高める「ギフト」、忠誠中の帝国の軍隊や街道を追加配置する「建設」、スパイと軍隊を動かす「移動」、スパイの置かれたカードを除去する「裏切り」、他の帝国・部族の駒を除去する「戦闘」のアクションが存在し、自派を育てつつライバルの蹴落としを図ります。

こうして山札に4枚入れられている決算カードがプレイされた時点で、軍隊と街道の配置数により覇権帝国が誕生しているかを確認。これが存在する場合は、覇権帝国に忠誠を誓うプレイヤー同士で帝国に対する影響力を比較します。この順位によりVPを獲得し、4回目の決算終了後の合計得点で勝敗が決定します。また決算時に覇権帝国が存在しない場合は、各プレイヤーの部族とスパイの配置数により、順位とVPが決定されます。

こうした軍民両面での勢力争いと、決算前のピタゴラスイッチ的な足の引っ張り合いは、Sierra Madre Games版のライトなCOINシリーズとでも言うべきプレイ感でした。

問題の第2版での変更点ですが、アクションが初版の8種から上記のような6種に整理統合され、また各アクションの処理も1-2ステップでほぼ分岐なしと全体的に簡略化。覇権判定の面でも、初版では決算時の政情(4種類)により計上される駒の種類が異なるほか、忠誠対象以外の影響力も並行して集められるなど少々見通しの悪いものでした。第2版では上記のようにシンプルにまとめられ、プレイ感は大幅に軽快になりました。

強いて欠点を挙げれば、旧拡張で追加されたイベントカードと特殊能力付きカードが標準となったため、言語依存度が増したこと。またルールブックがケースナンバー式でなくなったことくらいでしょうか。もっとも前者は全体の2割程度かつ短文ですし、後者はむしろ論文調のシエラマドレスタイルより、ユーロゲーマーには取っつきやすいスタイルでしょう。こんな重箱の隅を突かなければならないくらい、満足のいく仕上がりのリメイクという感触です。

というわけで、コンポーネント紹介とソロプレイのAARはこちら。

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