Nevsky : 山田邸 2020/11/28
今月の山田氏とのお題は、一部界隈が猛プッシュの新シリーズから。
Nevsky, Teutons and Rus in Collision, 1240-1242 - GMT Games(→)
山田洋行氏提供。アレクサンドル・ネフスキーが勇名を馳せた「氷上の戦い」に至る、1240~1242年のドイツ騎士団のロシア遠征を扱った戦役レベルのウォーゲーム。デザイナーはLabyrinthやCOINシリーズで知られたVolko Ruhnke。中世の戦役をテーマとする新シリーズ、Levy & Campaignの第一作となります。
本作の特徴は、封建時代の軍役を再現した動員システム。要請に応じて配下の軍勢を率いて参戦した君主たちは、それぞれに設定された軍役期間(2-6ターン)だけ従軍。軍役期間が終了すると、「義務は果たした」と戦況に関わりなく問答無用で帰還してしまいます。敵前?攻囲中?一切関係ありません。ある程度のインターバルを置くと再びの招集が可能ですが、ゲームの扱う期間は全16ターン(2年間)ですので、計画的なローテーションが必要です。
動員された君主たちは、夏季6回、冬季4回のラウンドで交互に活性化。各ラウンドにどの君主が活性化するかは、戦役フェイズの最初に君主のカードでデッキを作成してプロットしておきます。君主ごとに各3枚のカードが用意されていますので、全員で満遍なく押してゆくのか?特定の君主で電撃戦を仕掛けるのか?シンプルながらツボを押さえた読みあいが面白いところです。
またこの活性化で移動や戦闘をおこなった君主は、抱えている補給物資を消費しなければなりません。そしてこの物資の輸送には、進軍する経路に応じて輸送手段となる荷車(陸路)、川船(河川・湖の水路)、橇(冬季の陸・水路)、船(海路)が必要です。ターンをまたぐような長期遠征に必要な物資を一度に輸送することは現実的ではありませんので、遠征には本拠地との連絡線の確保や、補給物資の追送も必要になります。このあたりは簡略化されたOCSという雰囲気です。
というわけで、今回は山田氏のインストでチュートン騎士団にて参戦。結果は無理な強襲で主力の君主が愛想をつかし、強制期間&再招集拒否に。バルト海方面の支戦線でも、イベント事故で君主の一人が再招集拒否となり、序盤の戦役が一区切りついたところで一旦終了、感想戦となりました。
ちなみにルールブックは、序盤に延々用語定義を続け、いつまでたってもゲームのシークエンスが見えてこないいつものRuhnke。しかし個々のルールが何を再現しているかは明確で、一旦動かしてみると納得できるシステムです。中世の軍役ゲームとして手軽に応用が利く内容で、特に日本史系のウォーゲーマーには是非体験してもらいたいシステムでした。
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