Bios: Mesoafauna ゲームレビュー
ようやくリリースされたBiosシリーズの新作ですが、公開済みの和訳の見直し中にいくつか問題点を発見。来週に迫ったゲームマーケット前にバグ出しを済ませておくため、Tabletop Simulator版でのテストプレイを試してみました。
Bios: Mesoafauna - ION Game Design/Sierra Madre Games (→)
Biosシリーズ第4弾。Bios: Megafaunaと並行した約4億5,000万年前、節足動物がオルドビス紀に陸上に進出を果たしたところからゲームを開始。プレイヤーは昆虫類、甲殻類、葉足動物、菌類と共生する昆虫類のいずれかを担当し、分離合体を繰り返す大陸マップ上で、生態系のニッチを巡って生き残りを目指すマルチゲーム。初級、中級、上級(本編)の3段階のゲームと、Megafaunaとの連結ゲーム、Biosシリーズ連結キャンペーン、上級編ソリティアの各ルールを収録しています。
本作もニッチ争いや進化など、基本システムはMegafaunaを踏襲。お馴染みの2列の「マーケット」から変異カードを購入。これを担当する種に配置して消化、繁殖、代謝、感覚の4種の能力値を伸ばし、マップ上での草食、肉食ニッチを争うという大まかなシステムは前作同様。対してイベントと変異のデッキを共通化したほか、ニッチ争いは対応能力の一発勝負で例外処理を廃するなど、全体的にルールはスリム化。本編である上級ルールでもMefafaunaより格段にプレイは容易で、経験者には初級、中級は物足りないものとなっています。
またMesofaunaでの大きな追加要素としては、パラサイト種と被子植物との共進化の要素が登場。このうち前者は、Megafaunaでは一部の変異カードでのみ登場する特別ルールだった寄生種を標準ルール化したもの。これは宿主に固着するような生物学的な寄生だけではなく、巣への居候や獲物の横取りなど、社会的な寄生も含めて生存を他種に頼った種という解釈で、すべてのプレイヤーに新たな種カードとしてパラサイト種が追加されました。この種は同バイオームの「他のプレイヤーのクリープル」自体をニッチとして登場。これによりバイオームあたりのニッチは「草食種」「草食種の寄生種」「肉食種」「肉食種の寄生種」の4種となりました。もちろん寄生種同士でホストを奪い合うニッチ争いも発生します。
そしてもうひとつの新要素である被子植物は、バイオームに配置される「花トークン」として登場。通常、草食ニッチの競合は消化能力に相当する緑能力で争われます。しかし花が配置されたバイオームでは、花粉を集めるために動き回る機動力が重要となるため、代謝能力である黄色能力が必要となります。またニッチ争いに勝利した草食種は、バイオームに花を配置または除去する手順が追加されたことで、昆虫と被子植物の共進化が表現されるようになりました。
またMegafaunaの「感情」に相当する、発展状態変異のスート合わせに相当するルールは、本作では昆虫の「フェロモン」として登場。Megafaunaでは複数の感情を獲得した大型生物が知性に目覚めるというストーリーが示されていましたが、本作では同様にフェロモンを複雑化させた昆虫はアリやハチのような「真社会性」を獲得。Originsへの連結ゲームでは、この真社会性昆虫から集合意識としての知性が誕生する、というストーリーとなりました。あくまでフレーバーではありますが、これは上手い解釈です。
というわけでBiosシリーズのファンには期待の新作ではありますが、昨今の社会情勢から昨秋リリースのはずが一年にわたって遅延。ようやくリリースされたものの、生産工場から最も近いはずのアジア圏では未だ到着報告なしという状態。困ったものです。ひとまず上級ルール2人プレイを想定したレポートはこちらから。
Bios: Mesofauna - AAR https://t.co/l9cM8P9tcP 和訳確認テストプレイのまとめ。
— N村 (@enumura) October 22, 2022
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