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フォークランド&南太平洋 : YS秋葉原 2011/12/28

年末のゲーム納めに、堀場氏とイエローサブマリン秋葉原RPGショップにて The South Seas Campaign を対戦。
あわせて同系システムにかこつけて、内輪では微妙評価の Falklands Showdown も検証のため持参。Red Dragon Rising 派生ゲームの2連戦となりました。

Falklands Showdown : The 1982 Anglo-Argentine War - S&T#269(*)

今回は英軍担当で、序盤の増援集結までをプレイ。満を持して Falklands 海域に侵攻したところで、アルゼンチン側に打つ手がないものかとギャラリー交えて喧々諤々の検証会と相成りました。

St269_falklands_showdown_2011122801

しかし英軍が安全策をとる限り、アルゼンチン側の戦略は一発勝負の全力出撃で空海決戦を挑むか、史実どおり五月雨式の擾乱爆撃で時間を稼ぐかの2択のみ。いずれにせよ出撃のタイミング以外に意思決定の余地はないという残念な結論に。大味なシステム故にディテールを見せるわけにもいかず、同システムの悪い面だけが表面化してしまった格好です。仮にルールで提案されているVP入札制にしたところで、アルゼンチン側の根本的な問題に変化はありません。やはり2人用ゲームとしては、テーマの切り取り方とシステムが根本的に噛み合っていないようです。いっそアルゼンチン軍の出撃はイベント処理にして、英軍のソロゲームにしたほうが良いのではないか、という意見まで出る始末。

結局プレイのほうも序盤のみで協議終了。今のところ Red Dragon Rising 系システムでは一番お勧めできない作品、というのが偽らざる感想です。


The South Seas Campaign, 1942-43 - WaW#18(*)

Falklands Showdown に続いては堀場氏提供の本作、Red Dragon Rising システムによる南太平洋キャンペーンを連合軍側でプレイ。個人的には唯一プレイしていなかった RDR システムのゲームです。

Waw18_ssc_2011122801a

デザイナーは Miranda 氏。比較的短期間の戦役を扱った元ゲームとは異なり、一年以上にわたる長期戦を扱う点は「台海危機1950」と同様です。このようにゲームの扱う期間が長期化すると、元々のシステムのままでは「一ヶ月掛けて艦隊が隣のエリアに移動しただけ」といった歪みが出てしまうことになります。この問題に対し、「台海危機1950」は毎年の小戦役のみを切り取り、数ラウンドの戦役毎に仕切り直すという手法で、10年にわたる連続した小戦役を再現することに成功していました。

対する本作は、ターン毎のオペレーション数を増やすという力技でこれを強引に解決。通常は1ターンに1OPのみプレイされますが、RDR 系恒例のイベントにはこのOP数を増加させるイベントが多数含まれています。本作では溜め込んだこれらイベントを発動させることにより、「艦隊移動→陸軍輸送・揚陸→基地設営」といった連続オペレーションによる小戦役を実施することが可能になっています。またこのOP増加のイベントもそれぞれ味付けがされており、政治・兵站関係のみ実施可能な"General MacArthur", 海軍関係のみ実施可能な"Admiral Halsey", オールマイティですが"Operation Vengence"で除去される可能性のある"Admiral Yamamoto"といった面々がゲームを彩ります。

とはいえ数ヶ月に渡って艦隊が洋上にとどまり続けるなど、無理矢理タイムスパンを拡張した故の歪みも見られます。しかしこうした点に目をつぶれば、ニューギニアからソロモン諸島までの南太平洋を縦横に使用し、三軍共同作戦が繰り広げられる本戦役はシステムとの相性も中々。比較的メジャーな World at War 誌の付録で和訳付販売あり。日米互角の空母戦キャンペーンを話題のシステムで、と好条件が揃っているにも関わらず、全然話題になっていないのが惜しい内容でした。

今回のプレイは時間の関係で1943年の半ばまで。2回の空母戦で両軍空母が痛み分けで沈没・廻航された結果、日本軍が Guadalcanal を、連合軍が Lae を支配して拠点支配でも互角の状態。大挙廻航されてきた米軍の新鋭機動部隊がどこまで巻き返すか、というところで時間切れ終了となりました(上写真)。プレイタイムは4時間弱。

当日のウォーゲーム対戦はこの一卓のみでしたが、プレイを予告していたためゲーマー諸氏が入れ替わりでギャラリーとして来店。終了後有志にてウォーゲーマー的納会と相成りました。参加、ギャラリー、夜飲み会の皆様お疲れ様でした。

来年もまたよろしくお願いいたします。

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コメント

こんにちは、堀場です。
先日はどうもありがとうございました。

『南太平洋キャンペーン』は思っていた以上に面白い作品で、なかなかのヒットでした。

あの後ルールを読み直していて、ちょっと気が付いた点があります。

戦闘に関して、攻撃側と防御側が存在しますが、防御側はあくまで攻撃を受けたユニットのみが反撃(応射)できるのではないでしょうか?
根拠は〔10.2 戦闘解決手順〕です。

したがって、攻撃側が3ユニットで防御側が5ユニットいたとしても、攻撃側が防御側の1ユニットしか攻撃しなければ、防御側の4ユニットはその戦闘には関与できないのではないかと……。

もう一つの根拠は、航空機の迎撃に関してです。
迎撃時、たとえ複数ユニットが迎撃モードになっていたとしても、迎撃可能なのは1機だけと規定されています。
つまり、迎撃を行なうFユニットは、敵部隊の任意の1ユニットに対して攻撃を行ない、その攻撃されたユニットだけが反撃(応射)可能なのではないかと考えました。

でないと、迎撃のメリットがかなり小さくなってしまうので。

ちなみに、目標エリアに存在する航空ユニットは、攻撃を受けたら自動的に飛び立って防御を行なうようです(10.5)。
つまり、上記に挙げた迎撃の仕方でないと、迎撃の意味がなくなってしまうと思います。

とはいえ、基地を破壊されたら航空機も失うことになるので、最前線の基地にはレベル上限数と同数の航空機を展開するのはやめたほうがよさそうです。

もう一つついでに、迎撃モードの指定は、エリア単位ではなく、マップ上の全てが対象になるようです。私はこれ、勘違いしていてアクション数を無駄に費やしていました。

また、もう一つ、見逃していたアクションがありました。
G1-2で、これがあれば、工兵ユニットを優先除去されてもなんとかなりますね。
ルールに明記はされていませんが、これについては増援プール内のユニットは無視して、あくまでマップ上に工兵やAPユニットがいなければ、という解釈でいいように思います。

長々とすみません。
ぜひまた、再戦してください。
私はこのゲーム、とても気に入りました!

投稿: 堀場 | 2011年12月29日 (木) 23時19分

埋もれた良作のお誘いありがとうございました。
こちらも再戦は望むところですので、またよろしくお願いいたします。

ルールについてはこちらも読み直してみましたが、ご指摘の通りではないかと思います。ご指摘ありがとうございます。
応射の件と、戦闘の組み合わせを攻撃側指定できることを合わせると、かなり展開が変わってきそうで要検証ですね。
またG1-2がわざわざ用意されていることを鑑みるに、やはり谷甲州的に設営隊を如何に活用するかというのがデザイナーの狙いなんじゃないかという気がしてきました。さすが Miranda 先生、目の付け所がユニークです。

投稿: N村 | 2011年12月29日 (木) 23時46分

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