2012年Ｎ村的ベストウォーゲーム

クリスマス休暇に入りましたので、今年も恒例の「2012年Ｎ村的ベストウォーゲーム」を選出しておきます。
選考対象は例によって「2012年に初めてプレイしたゲーム」です。
過去分はこちらから→「年間ベスト」

Andean Abyss - GMT Games(→)

Volko Ruhnkeの第3作にして、現代ゲリラ戦をマルチゲーム形式で扱うCOINシリーズの第1作。現代のラテンアメリカの内戦というテーマから、当初はプレイヤーが集まるのか懸念もあったのですが、周囲の反応は以外に良好。Downtownと並んで、今年最も多くプレイしたウォーゲームとなりました（8回）。

史実に基づいた勢力が、それぞれ異なるアクションで異なる勝利条件を追求するマルチゲームと聞けば、プレイの敷居もバランスも難しそうな印象です。さらにLabyrinth譲りの読んでもサッパリなルールも健在。しかし実際に動かしてみると、意外に簡単なのもLabyrinth譲り。ユニークなオーダーシステムによるジレンマも悩ましく、各勢力の思惑の絡む攻防が熱いゲームでした。

BattleFleet Mars - SPI(→)

21世紀後半の太陽系を舞台に、圧政を敷く太陽系開発公社からの火星＝木星連合の独立戦争をテーマにした戦略級SFゲーム。「SFウォーゲームの傑作」との評に入手はしてみたものの、長らく積みゲーとなっていた本作。リメイクとなるFree Marsの進捗に後押しされ、ようやくプレイにこぎつける事ができました。

さすがに凝りすぎの3次元戦術戦闘システムは、そっとルールを閉じてスルー。しかしメインとなる戦略ゲームの惑星間移動システムのスマートな処理には唸らされました。また両陣営の地球世論へのアピールに焦点をおいた政治闘争は、いかにもリメイクを進めるMiranda先生が好きそうなシステム。久しぶりに70年代SPIゲームの先進性に触れることができたゲームです。

今年の後半はDowntownとAndean Abyssのプレイに追われたため、プレイ回数は3回のみ。まだまだ戦略も確立していないゲームですので、もう少し引っ張ってみたいと考えています。

Korea: The Forgotten War - The Gamers/MMP(→)

Operational Combat Series初体験は、シリーズ唯一のポスト第2次大戦、朝鮮戦争を扱った本作となりました。残念ながらＮ村自身はKoreaを所持しておらず再販待ち。プレオーダーのあと100件が伸びずにヤキモキしております。

補給と指揮統制、そして砲兵に厳しいゲームは個人的には望むところ。またOCS自体の魅力もさることながら、屍の山を築きながら遮二無二突破をはかる会長中共軍と、ボヤキながらも的確に受け流すkotatu国連軍が大変愉快なプレイでした。

今年は本作のプレイに触発され、初のOSCとしてTunisiaも入手。こちらもプレイの感触は良好でした。とはいえ前述のYSGAでのプレイが強烈でしたため、ベストゲームとしてはKoreaの方を挙げておきます。

・次点作

今年期待の新作GTSゲーム、No Question of Surrender, Where Eagles Dareは、いずれも単体ゲームとしては難ありな部分が感じられたため、残念ながら次点としました。また今年の企画としては、Downtownのミニキャンペーンも思い入れのあるプレイでしたが、こちらは「2012年初プレイ」の対象外となるため選外です。

・2013年課題作

今年の積み残しからAngola, Bloody April, 押入れ発掘ゲーム枠ではRed Christmasあたり。2013年の新作ではA Distant Plain, Cuba LibreのCOINシリーズ2作、誰も2013年リリースを信じていないGTS: Normandy, そしてHigh Frontier Colonizationといったあたりが期待のアイテムです。

また来年のS&T Press各誌には、Ｎ村の琴線を直撃するアイテムが目白押しなのが悩ましいところ。きっとグタグタなんだろうな、とは思いつつ、テーマ重視のゲーマーとしてはS&T Pressから目が離せません。