Campaign Game 1 : YSGA 2013/05/04-05
今年もYAGAのゴールデンウィーク例会では、The Devil's Cauldronの大型シナリオのプレイを実施。これまではArnhem戦区の第1空挺師団セミキャンペーン、Saga of the 1st Airborneをプレイするのが恒例だったのですが、今年はkyoi氏の主催でキャンペーンシナリオに挑戦。2日間にわたる激戦が繰り広げられました。
CG1: The Devil's Cauldron - MMP(→)
というわけで、本作入手5年目にして初のキャンペーンシナリオの開催と相成りました。
本作はゲームの規模はもちろん、チット引きシステムを採用していることからプレイ時間の短縮には限界があります。このため今回は戦区を大きく南北にわけ、プレイ中のチットに加えて次のチットも統括プレイヤーが内容を確認。戦区が異なる場合は即座に公開し、南北並行してプレイするという手法を使用しました。
幸か不幸か、第30軍団が登場してArnhem戦区とNijmegen戦区が直接リンクするまでプレイできる見込みもなかったため、こんな泥縄的な手法でもさほど齟齬なくプレイを進めることができました。とはいえ小細工を弄したとはいえビックゲームであることに違いはなく、最終的にプレイできたのは作戦開始3日目の9/19:0700ターンまで。ゲーム内でも丸2日間、ほぼリアルタイムでの進行です。
また今回の参加者は、連合軍と独軍がぞれぞて3名づつの計6名。担当は連合軍が第1空挺師団を第1空挺旅団(Arnhem攻撃担当)と第1空輸旅団(空挺堡防御担当)で分担。初日は実質ソロプレイとなる第82空挺師団をN村が単独で担当しました。
対する独軍は、主催のkyoi氏がSS第9戦車師団を担当。当日飛び入りのお二方には、それぞれvon Tettau戦闘団とSS第10戦車師団&Feldt戦闘団をご担当いただきました。特にkyoi氏が前週の別サークル例会から一本釣りしてきたvon Tettau戦闘団担当は、GTS未経験者であるにもかかわらず2日間のプレイを貫徹。セットアップと並行したインストプレイのみで即座に実戦投入されるという、まさに末期戦状態のプレイとなりました。
というわけで、以下は第82空挺師団視点のマーケットガーデン作戦の2日間です。N村自身はもっぱらマップ南端に居座っていたため、ライン河の対岸の戦況は担当プレイヤー同士の会話から推測するという、実戦さながらの戦場の霧に包まれていました(笑)。
9月17日:午後
降下判定は遅延1スティックのみと、ほぼ完璧な降下を決めた第82空挺師団。師団チットが引かれると、配下の3個連隊は即座にそれぞれの目標に向かって行軍を開始します。
このうちNijmegen市街への向かった第508連隊、空挺堡とMookの守備にあたる第505連隊にはさほど不安はなかったのですが、問題は残る第504連隊。同連隊はGraveとMaas-Waal運河沿いの橋梁群という広範囲の攻略任務を課せられており、これを連隊長Tucker大佐の指揮範囲[5]で順次達成しなければなりません。
特に今回は、イベントの4号戦車小隊がGrave北岸のNederasseltに出現。さらに師団チットが翌ターンに回されるという事故もあり、初日の3ターンしかない昼間ターンの活性化が2回に減少。綱渡りの部隊運用でGraveを攻略したところで、作戦初日が終了しました。
ところで地平線の彼方のArnhem戦区の戦況ですが、kyoi氏のKrafft戦闘団前進配置が大当たりした結果、第1空挺旅団の進撃が大幅に遅延。夕方までに市街に到達できたのは2個中隊のみ。道路橋には独軍部隊がすでに到達していたため、うち1個中隊が辛うじてPontoon Bridgeに到達できるかどうか、という状況だったとのこと。最終的に後衛として1個中隊を市街入口の刑務所に残し、全部隊をOosterbeekまで撤収。同地を拠点に、鉄道橋とDrielフェリーの攻略を目論むこととなります。
2013/05/11追記
kyoi氏によると、Wolfhase北東線路上のイベントで装甲車部隊(SS-PzA.A.9A)が出現した影響が大きかったとのこと。これに手間取り、北ルートが遅延した模様です。
対する独軍はArnhem道路橋の確保に成功。SS第9戦車師団の偵察大隊をArnhem戦区に無事帰還させたほか、Nijmegen市街への増援としてSS第10戦車師団からReinhold戦闘団の南下を指示します。
9月18日:午前
翌朝の天候は雨。0900には天候が回復しますが、四方に展開しなければならない第82空挺師団にとっては幸先の悪いスタートです。またこの朝から順次部隊が到着した独軍Feldt戦闘団は、守備を固めるGrosebeek空挺堡を無視して南北両翼に部隊を投入。特に装甲車両を含む主力のBecker戦闘団が北部に展開してきことが、Nijimegen攻略部隊にとって大きな脅威となります。
2013/05/13追記
朝から雨が降っていますので、以降の連合軍降下は順延になるのが正解でした(3.2)。これはキツイ。
またOoij polderに関する制限(2.2)を失念していました。ここが通れないとBeekの隘路を抜くしか選択肢がないため、Becker戦闘団を増援ヘクスAから登場させるのは難しそうです。
このFeldt戦闘団の展開に対応するため、第508連隊はHet川沿いの側面にもなけなしの部隊を派遣。辛うじてBecker戦闘団のNijmegen市街突入は阻止したものの、市街東側の独軍Henke戦闘団防衛線を破れずに停止してしまいます。さらに北部からはReinhold戦闘団の先遣部隊もNijmegenに到達。橋を防衛するどころか、市街西側から押し出す構えを見せてきます。
またGraveから取って返したTucker大佐率いる第504連隊は、Maas-Waal運河沿いの橋梁群の攻略を順次開始。しかし接近するはしから独軍に爆破され、唯一Maldenの道路橋を確保するにとどまります。
このあたりが第82空挺師団にとっては最悪の時期で、第1空挺師団に向けて「Nijmegenから撤収して、防御体勢に入ってもいいですか?」と泣き言も入りました(笑)。
ちなみに同時刻のArnhem戦区ですが、両軍とも分散した部隊の再編成につとめる小康状態。SS第9戦車師団はOosterbeek北部に機械化部隊を集め、郊外から押し込む構え。またvon Tettau戦闘団は、定番の北部降下ゾーンではなく手薄な南側へと部隊を迂回させてきます。
2013/05/11追記
道路橋を確保して展開のフリーハンドを確保したにもかかわらず、意外に独軍が反撃に手間取っています。このへんは序盤から中洲に登場するSS第10戦車師団砲兵を気前よく南方担当に回してしまったため、重火器不足による影響だったとのこと。こうした味方同士の齟齬も、ビックゲームチーム戦の醍醐味です。
9月18日:午後
この日の1300には、連合軍待望の第2次降下部隊が到着。第82空挺師団への増援は、僅か4個中隊の空挺砲兵のみでしたが、この降下が同師団の転機となります。
まず降下に先立つ空襲により、Arnhem-Nijmegen街道を南下していたReinhold戦闘団後続部隊の半数(2個中隊)が壊滅。Nijmegen守備隊から貴重な後詰を奪います。
さらに即座に展開した砲兵部隊の牽制砲撃により、Het川沿いに展開していたJenkel戦闘団が敗走。第504連隊はこれで浮いた部隊をやりくりし、Nijmegen市街西部への延翼部隊を捻出します。
この時点のNijmegen市街では、東部ではHenke戦闘団の精鋭部隊と、第508連隊1個大隊ががっぷり対峙中。しかし西部守備隊は弱体な降下猟兵教育部隊と、機械化工兵を中心としたReinhold戦闘団先遣部隊のみ。また部隊数に余裕のあった独軍は、比較的大き目の防衛線を引いていたため、部隊密度も薄め。ここに第504連隊はなけなしの予備部隊(空挺2個中隊)を一点集中で投入。独軍守備隊の防衛線に突破口を穿ちます。Nijmegen鉄道橋まで2km(4ヘクス)、空挺の反撃開始です。
先の空襲で予備部隊を失っていた独軍は、教育部隊に時間稼ぎを命じると、道路橋、鉄道橋までそれぞれ工兵部隊を退却させ、爆薬の設置を指示。敗走する独軍を追う空挺とのチキンレースが開始されます。
後続の第504連隊に側面をまかせた突破部隊は、突撃につぐ突撃の末、工兵隊が最初の爆薬設置ロールに失敗したタイミングで鉄道橋に到達。背水の陣となった工兵隊を蹂躙し、鉄道橋の渡河に成功。反撃開始から僅か2ターンで、Nijmegen鉄道橋の電撃占領に成功します。
2013/05/11追記
シナリオがCG1(史実降下と展開制限)だったため、Nijmegenには爆薬が設置できないのが正解でした。とはいえチットの一枚を争うチキンレースは大変スリリングでした。
また独軍の市街防衛線を突破したのちは、道路橋・鉄道橋の双方へ各中隊が突進する選択肢もありました。しかし件の独軍砲兵の重弾幕をうけたため、二兎を追う余裕がなくなり手近な鉄道橋へ兵力を集中したのでした。
さらに息切れした第508連隊に代わり、後続の第504連隊が北岸に渡河。橋頭堡を築くとともに、鉄道橋北岸を封鎖してHenke戦闘団の撤退を阻止。Nijmegen道路橋を爆破したHenke戦闘団は、道路橋南岸で雪隠詰めとなります。
またこの間に、空挺堡から南下した第505連隊の反撃によりGoebel戦闘団も敗走。午前中の悲壮感から一転し、危機を脱した第82空挺師団には明るいムードが漂います。
そして同時刻のArnhem戦区はといえば、空挺の北部防衛線の各所で独軍が攻撃を開始。激戦の末補給投下ゾーンを突破すると、Oosterbeek目指して南下を開始します。また第1空挺師団の工兵隊がDrielフェリーの準備を進めていたのですが、こちらはタッチの差で独軍守備隊が南岸に到着。これですべての渡河点が独軍に封鎖されます。
9月18日:夜~9月19日:朝
比較的ポイントに余裕のでてきた両軍は、黎明攻勢に向けたフォーメーションチットを片っ端から購入。この結果、9/19朝には前代未聞のチットがプレイされることとなりました。
Nijmegen戦区では、Riethorstまで南下した第505連隊が撤退するGreshik戦闘団を追撃し、これを撃退。Nijmegen市街ではHenke戦闘団に対する掃討戦が続きます。
Waal河を渡った第504連隊は橋頭堡を拡大したいところですが、理不尽な展開制限により前進を停止。翌9/20の第30軍団の到着を待つため小休止に入ります。
またArnhem戦区では、第9SS戦車師団がOosterbeekに到達。市街戦が開始されたところで、今回のゲームは時間切れ終了となりました。
第82空挺師団がNijmegen鉄道橋を確保できたのは僥倖でしたが、この橋頭堡に守備隊を割かれているため、翌20日のFeldt戦闘団の再攻撃を耐えられるかはまだまだ未知数。また展開制限のため、Arnhem街道の攻略は第30軍団の到着待ち。開き直った独軍が、この到着までに第1空挺師団を撃破し、Elstに防衛線を形成できるかが焦点となるのではないかと思われます。
というわけで、プレイヤー一同消耗しきったところで今年のYSGAゴールデンウィーク企画は終了。来年もまたGTSを広げることになるかと思いますが、TDCについては当面おなか一杯という気分です(笑)。
参加者の皆さん、お疲れ様でした。
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コメント
お疲れ様でした。
なかなか面白かったです。横で見てたらもっと面白かっただろう、と思いました。
鉄道橋の奪取は映画のクライマックスの一つに成りますね。
何はともあれ、お疲れ様\(^o^)/
投稿: Foreigner | 2013年5月 8日 (水) 07時46分
次回はお待ちしてますよ?
というか手軽そうなWEDやりましょう!
投稿: N村 | 2013年5月11日 (土) 08時13分