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War of the Pacific : YSGA 2014/04/06

第5次中東戦争に続いては、昨年の課題ゲームだったものの、半年以上放置状態だった太平洋戦争のお試しプレイを開催。

War of the Pacific, Chile vs. Peru and Bolivia, 1879-1883 - S&T#282()

「南米の方」の戦略級太平洋戦争ゲーム。デザイナーはラテンアメリカにこだわるスペイン人デザイナー、Javier Romeroです。

本作の扱う範囲は、チリのAntofagasuta占領による開戦から、2年後のLima占領による実質的な戦争終結まで、戦争の全期間を1ターン2か月でプレイします。勝敗は史実で勝利したチリの優位を前提に、ボリビア、ペルー両国内の重要拠点の占領によるVPで判定。チリ側はいかに手際よく連合軍を片付けるか、連合軍は主に海上ゲリラ戦により、いかにこれを遅滞するかが目標となります。

インフラが未発達で沿岸作戦が多用された史実を反映し、本作では1ユニット1隻で海軍作戦も再現します。艦隊は翌ターンの移動先エリアをプロット。陸軍部隊の輸送や、上陸作戦、艦砲射撃に従事します。また近傍を敵艦隊が通過した際には、迎撃判定により海戦が発生。1ラウンドの砲撃戦が戦われます。

対する陸軍部隊は、移動力をダイスで決定(2d6の大きい方)。ゾロ目の場合はステップロスという、実にラテンな仕様です。さらに1ターン中に連続して何度でも移動を続行できるという大胆なルールを採用。しかし海岸地帯の平野部ですら移動コスト2, マップの大半を占める山地に至っては移動コスト4ですので、ダイスを振れど移動できず、部隊だけが溶けてゆく、という悲惨な事態も間々発生します。

今回もアンデス山中のVP都市、Cuscoに向かった両軍の守備隊・遠征隊延べ4隊が、すべてアンデスの深淵で消息を絶つという惨事が発生しました(笑)。

従ってアンデス山中から歩いて登場するボリビア軍を除き、主力のチリ、ペルー両軍は、確実な移動が見込める海上機動で沿岸拠点に部隊を展開。この安全を確保するため、制海権の確保が重要。艦隊戦力で劣勢となった場合でも、有力艦が残る限りは輸送艦隊への襲撃で対抗する、というこの戦争の特徴は巧く再現されています。

というわけで一見乱暴でアバウトなルールの割に、なかなか見どころのある好ゲームではあるのですが、いつものS&Tクオリティでルールは少々ザル気味です。今回はBGGにアップされたエラッタ&リライト版ルール()で補完しつつプレイしました。

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写真はゲーム終盤。マップ上の謎生物は艦隊マーカーです。

今回のプレイでは、forger氏がチリ軍を、N村が連合軍を担当。初回という事もあり艦隊ローテーションの確立に時間をとられ、チリ軍の侵攻がペースが遅滞。最終ターンまでペルー海軍主力のHuascarが存在感を示し、連合軍の逃げ切り勝利に終わりました。

システムの関係で移動するスタックが限定されるため、プレイ時間も3時間弱と意外に手軽。S&T耐性のある太平洋戦争マニアであれば、お勧めのゲームでした。

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