Bios Megafauna : GGG 2017/09/10
例によって今年も難航中のSierra Madre Games新作のルール翻訳。新版の刊行前に旧版を供養しておこうと、GGGの9月例会にてBios Megafaunaをプレイしてきました。
朝のウォーミングアップの「ドレミDEシンデレラ」に続いての3人戦。
Bios: Megafauna - Sierra Madre Games(→)
というわけで、2011年の発売当時からやりこんだシエラ会メンバーにての3人戦。このメンバーでは4年前のBios Originsキャンペーン以来のプレイでしたが、そこは昔取った杵柄で、三畳紀から新生代に至る古代アメリカ大陸の生存競争は白熱。白亜紀のClathrate Gunと新生代のX-Ray Bursuterの2大カタストロフで壊滅的な損害を受けつつも、ジュラ紀までの貯金で逃げ切ったS木氏の勝利に終わりました。
余談ですが、本作では基本形の生物にカード化された特性(DNAカード)を付与し、対応するさまざまなニッチに進出してゆくという、生物進化システムが中心に据えられています。これは一見すると「何でもできる究極生物」を目指して特性の高度化・複雑化を目指す「技術開発ゲーム」に見えますが、これが初見殺しの罠。デザイナーズノートにも書かれているのように、過剰なニッチ適応は気まぐれな環境の変化に追従できず、あっさりと滅亡する運命にあります。おそらくここで「苦心して育てた最強生物も、イベント一発で滅ぶ運ゲー」と放り出したゲーマーも居たのではないかと思います。
#この「技術発展ゲームと見せかけて、何も考えず発展にリソースをつぎ込むと崩壊する」という罠は、Greenland(2014)で再び登場することになります。
では高度化・複雑化に代わる正解は何かといえば、進化の余地を残した冗長性の確保です。必要最低限の特性で現在のニッチを確保。そしてピーキーなセッティングの生物たちが環境変化で一掃された隙に、空き家となった広大なニッチに拡散できる冗長性を維持しておく。何のことはない、現実の進化における適応放散のメカニズムです。
しかしこの現実と同じ戦略が有効となることこそが、Phil EklundとSierra Madre Gamesの特徴です。これはゲームシステムが先行するユーロゲームより、むしろ背景ありきのウォーゲームのデザイン思想に近く、同社のゲームをウォーゲーマにこそお勧めしている理由となります。もちろんテーマ(戦場)が刺さらなければ意味はありませんが、刺さる人には「このルールはこれを反映していたのか!」と大変楽しめるブランドであります。
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