Urban Operations : GCS 2017/10/28

初夏に到着したまま、夏中塩漬けになっていた本作（何個目だ）。意を決してルールを読み始めたところ、意外と何とかなりそうな気が。テンションの高いうちに手を付けておこうと、Colonial Twilightのプレイ後にFORGER氏に無理やりお付き合いいただき、何とか初プレイにこぎつけました。

Urban Operations - NUTS! Publishing(→)

誰もが思いつきますが、意外に実例が無かった「積み木の戦術級」。1駒=1個分隊/1両、ヘクス系7mのスケールで、WW2以降の市街戦を再現するシリーズゲームの第1作。本作ではモガディシオ(1993)、フルダ(1985)のキャンペーンシナリオ2本、独立シナリオとしてコルウェジ(1978)、グロズヌイ(1999)、バスラ(2003)の3本、ソロもしくは協力プレイシナリオのファルージャ(2004)を収録しています。なかなか幅広い収録状況で、シナリオカードと各国各時代の部隊・兵器データカードを眺めているだけでテンションが上がってきます。

ちなみに「市街戦」というのが本作のキーワードで、デザイナーのSebastien de Peyretはフランス軍サン・シール士官学校のシソンヌ市街戦訓練センターの教官とのこと。完全にプロの犯行です。これを反映して、市街地特有の環境や視線と高度、射線と兵器の影響範囲による誤射と付帯的損害のルールは妙に凝っていますが、基本システムは至ってシンプル。少々ルールの構成が甘い部分はありますが、誇張と省略のメリハリが効いているのは、さすがプロのインストラクターというところです。

というわけで実際のシステムですが、プレイヤーは概ね中隊規模の諸兵科連合戦闘団を担当。小隊長以下の（機械化）歩兵小隊を基幹として、そこにMBTほかの支援部隊をアタッチした「インパスル・フォース」を単位として部隊を交互に活性化。活性化した「インパルス・フォース」では中隊－小隊の指揮ツリーの状態に応じた数のブロックを活性化。ブロック単位でアクションを実施。各ブロックは、全力移動もしくは戦闘を含むアクションと半減移動の組み合わせで行動を実施。非手番側は臨機射撃あり。戦闘は大雑把に説明すると、攻防とも使用した兵器に応じた「火力＋DRM＋1d10による修正値」を比較して、少ない側がステップロス、という拍子抜けするくらいシンプルなもの。また手番側・非手番側とも攻撃を受けた際に、自発的に退却することで攻撃をキャンセルする「後退」のルールが珍しいところです（ただし高確率でステップロス）。レアケースの処理に踏み込まなければ、チャート片手にこれだけでプレイ可能でしょう。

Lead the Way, Mogadishu 1993/10/03 1630 - Operation Restore Hope

ルール解読プレイということもあり、歩兵のみのシンプルなシナリオとして「ブラックホーク・ダウン」でおなじみのモガディシオのキャンペーンシナリオより、撃墜されたSuper 64の救出作戦であるシナリオ1をチョイス。守るソマリア民兵（FORGER氏）はSuper 61の制圧を、攻める米軍レンジャー部隊（Ｎ村）はデルタ・フォース分遣隊の支援のもと、生存者の救出に向かいます。

ほとんどが徴募兵ランク（ヒット時に追加損害チェック）のソマリア民兵に対し、エリートランク（ヒット無効化チェック能力あり）の米軍の能力は圧倒的。最終ターンまでに盤上の民兵のほとんどを撃破することに成功します。しかし狭い路地での民衆カウンターや友軍部隊への誤射を警戒するあまり、その前進は遅々として進まず。結局墜落現場への到着前に生存者は民兵に殺害されており、また民衆にまぎれたゲリラからの被害も無視できるもではなく、ソマリア民兵の勝ち逃げに終わりました。プレイ時間は3時間ほど。

引き続き本作のメインテーマである諸兵科連合作戦に取り組む所存ですので、未訳イロモノゲームを恐れぬ人柱は随時募集しております。