Ariovistus : GCS 2018/12/22,23
歳末の坂戸例会では、2018年新作積残しのCOINシリーズ最新作にて人柱会を開催。
Ariovistus: A Falling Sky Expansion - GMT Games(→)
COINシリーズ第6弾、ガリア戦記後半戦を扱ったFalling Skyの拡張セット。今回はカエサルがゲルマン人と対決するべくガリアへと介入し、続くガリア北部への遠征により一旦ガリアを平定するまで。ガリア戦記最初の3年間を扱います。
オリジナルのFalling Skyは、ウェルキンゲトリクスの率いるアルウェルニ族を一方の主役として、ローマ、ベルガエ族(独自派)、ハエドゥイ族(親ローマ派)、ゲルマン人(ノンプレイヤー蛮族)という構成でした。対して今回は、アリオウィストゥス率いるゲルマン人がプレイヤー派閥として登場。代わってこの時期は中立的な立場だったアルウェルニ族が、ノンプレイヤー派閥に設定されています。
また前作では決算期である冬季手順にのみ活性化していた、ノンプレイヤー派閥の行動タイミングが大幅に変更。今回追加されたカードの大半に、プレイヤー派閥に続いてアルウェルニ族活性化のアイコンが追加されています。こうしたカードがプレイされた際に、プレイヤー派閥とアルウェルニ族が係争状態にある地域が存在した場合、第3派閥として活性化する、という手順となりました。アルウェルニ活性化のカードは2-3枚に1枚程度の割合で登場しますので、活性化の頻度としてはプレイヤー派閥とほぼ同程度。実質5派閥でのプレイとなりますので、比較的短期間の3期45枚の設定にも関わらず、意外とプレイには時間を要します。今回はインストの緒戦に6時間、2戦目も4時間を要しました(いずれもメインシナリオ3期完遂)。
そして本格参戦となるゲルマン人は、同盟ディスクとは別個に特殊活動で配置する居留地ディスクSettlementの数と、ゲルマニア本土の支配状況で勝利条件を判定。この居留地はゲルマニアには配置できませんので、ガリアの地にどれだけ移民して居座れるかが焦点となります。特殊活動はこの居留地の配置に加えて、蛮族共通の待ち伏せと、新登場の威圧Intimidate. こちらは隠匿を解いた戦士団に応じた他派閥の駒を除去しつつ、他派閥の動員を妨害するマーカーを配置します。またリーダーであるアリオウィストゥスも、会戦ではダメージ倍化能力が設定されていいるなかなかの戦上手です。
残る派閥の能力や勝利条件はFalling Skyとほぼ同様ですが、ローマ勝利条件のマイナス点としてゲルマン人の居留地数が追加。このため主役のローマとしては、黙っていれば消極的ローマ支持(空白部族スロット)が維持されるアルウェルニ族は放置し、まずガリアに居座るゲルマン人を一掃。しかる後に勢力を蓄えているであろうガリア辺境のベルガエ族と対峙する、というヒストリカルな展開に誘導されるようになっています。
というわけで、今回はガリア戦記初年度(58BC)から開始される3期のメインシナリオでの人柱会を開催。メンバーは全員がCOIN経験者で、いつものコマンド/特殊活動プレイエイドのみ和訳試作品を用意しての輪講プレイです。また両プレイともアルウェルニ族活性化手順の動員処理でミスがあり、実際にはもう少しアルウェルニ族は大人しいはずです。
また余談ですが、Falling SkyデッキをAriovistus仕様に変更するのは大変に面倒なことが判明したため(戻すのは楽)、N村のセットは当面Ariovistus仕様を維持しております。人柱ご希望の方はよろしくお願いいたします。
まずは土曜日の1戦目。このプレイでは初期配置でアルウェルニ族、ゲルマン人、ハエドゥイ族の係争地となっていたSequaniの早期解決に失敗。またゲルマン人(N村)がアルウェルニ族関係のイベントを積極的に使用したことから、アルウェルニ族が大量増殖。ガリア南部に緑の壁が出来上がり、ローマのガリア介入が大幅に遅延。この間に北部でベルガエとゲルマンの頂上決戦が発生し、最後に戦場に残ったゲルマン人の判定勝利……かと思われましたが、リーダー能力の適用ミスが発覚。ベルガエ族(YMD氏)の判定勝利に終わりました。
続く日曜日も、同メンバーでの2戦目を開催。こちらでは前回の雪辱に燃えるローマ(FORGER氏)が、電撃侵攻と強奪コマンドによる焦土作戦を展開。他派閥が手を出しにくいアルウェルニ本国地域にあえて侵攻し、こちらを焼き払って得点化する戦略を試みます。序盤に第10軍団(追加損害&損害軽減)、バレアス投石兵(会戦前先制攻撃)、輜重段列(展開コスト無料)とチート能力を揃えたローマ軍は、瞬く間にアルウェルニ本国の過半を制圧。その猛威にガリア諸部族は戦慄します。しかしここで、アルウェルニ族活性化のカードが連続して出現。倒しても倒してもなだれ込んでくるアルウェルニ戦士団に、さすがのローマ軍もついに息切れ。軍団の過半を失い、南仏へと撤退する羽目に陥ります。そして残る3派閥の牽制が続く北部ガリアでは、本国地域だけで高得点が期待できるベルガエ族が次第に優勢に。最後はゲルマンの介入をイベントで封じ、再びのベルガエ族の判定勝ちに終わりました。
また日曜のAriovistus終了後は、OKH氏提供の「パンデミック:ローマの落日」をインスト4人戦。中盤までは「なかなか上手く回せてるんじゃないか?」という感触ですが、続く蛮族パンデミックの連発で瞬く間にローマは崩壊。「そういえばパンデミックってこんなゲームだったね」と思い出すとともに、なかなか末期ローマらしいアレンジに感心しました。
というわけで、2018年のウォーゲームライフはローマ物で〆。今年もお付き合いいただきました皆さん、ありがとうございました。
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