Somali Pirates : SoGC 2019/04/29
連休3連戦の3日目は、ソフィアゲームクラブにて懸案の積み残し作品をプレイ。
Somali Pirates - Modern War #3(→)
Modern War誌初期作(2012年)。ソマリアにおける海賊の活動が活発化し、アルカイダとも連携し始めたという仮想設定で、海賊勢力とその鎮圧に乗り出した有志諸国連合との対決をあつかった戦略級ゲーム。デザイナーはJoseph Miranda。本作を皮切りに、複数の作品がリリースされた「ネットウォー」系列の一作となります。
ゲームシステムの根幹は、勝利得点を兼ねた「ネットウォーポイント(NWP)」。このNWPは、主に戦闘による敵ユニット除去とエリア支配から獲得(または相手のNWPを低下させる)することができ、これを消費して勢力や部隊を動員することになります。戦果がなければ増援も認められず、リソースを投入するからには戦果が求められるのです。
直接的に敵ユニットを除去する正規戦能力(物理戦闘力)では、最新装備を駆使する連合軍の戦力は圧倒的です。これに対し、海賊側は海賊行為やテロ活動など、不正規戦能力(非対称戦闘力)で優位に立っています。この非対称戦闘力を用いる「非対称戦CRT」は、相手に損害を与える結果は少ない反面、政治的な成果としてダイレクトにNWPを獲得する結果が得られます。国際社会では、海賊民兵の撃破(1NWP)より、海賊行為やテロの成功の方が大きなニュース(1d6 NWP)となるのです。もちろん迂闊にも連合軍の部隊が撃破されれば、さらなる政治的失点(6NWP)が待っています。
またこうした不正規戦部隊は、正規戦が通用しない各エリアの「アンダーグラウンドボックス」に潜伏することができます。そしてこうした潜伏部隊に対する攻撃が可能なのは、こちらも非対称戦闘力を持つ連合軍の特殊部隊です。後の「ネットウォー」作品のような民生活動によるCOINの要素こそオミットされていますが、正規戦、不正規戦の二つのレイヤーの活動が並行しつつ、時には相手の領域に踏み込んでの戦いが繰り広げられます。
最終的な勝敗は、相手陣営よりNWPがある程度の優位にある状態でゲームを終了させること。ゲームは規定ターンが経過するか、ターン延長に必要なNWP(=現在のターン数)が支払えなくなった時点で終了します。またゲーム中のいかなる時点でも、一方の陣営のNWPが枯渇した場合にもゲームは即座に終了します。軍事的に要求されるリソースと、政治的に許容可能なリソースの見極めが求められるのは、本シリーズ共通のジレンマです。
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— N村 (@enumura) 2019年4月29日
実際のプレイの雰囲気は、今回も中継を流しておりましたのでこちらにて(お相手はForger氏)。ゲームバランスの面では海賊側に厳しい設定となっているようですが、比較的簡単なルールによる陸海空の統合作戦と、不正規戦を含めたハイブリッド戦争を再現した手腕はなかなかのもの。今回は連合軍を担当しておりましたが、神出鬼没のテロと海賊船にはキリキリさせられました。また個人的にはDecision Games系列の「ネットウォー」で唯一プレイしていなかった積み残し作品だったのですが、長年の未プレイを後悔した一戦でした。
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