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2020年N村的ベストウォーゲーム

クリスマスも終了したところで、今年も恒例の「N村的ベストウォーゲーム」の時期がやってまいりました。
選考対象は例によってウォーゲーム界の流行や新作とは関係なしに、N村が「2020年に初めてプレイした作品」です。
過去分はこちらから→「年間ベスト

Bios: Origins 2nd edition - Sierra Madre Games ()

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実際のプレイは昨年末でしたが、ベスト選出後のプレイだったため2020年枠からのエントリー。Sierra Madre Games(SMG)の出世作ともなった「Origins: How We Became Human 」(2007)のリメイク作品。自意識以前の旧石器時代から現代まで、人類文化史を駆け抜けるマルチゲーム。
独創的でしたがデッドロックに陥りかねなかった旧作の進行フラグシステムを改善し、プレイ時間も半分程度まで短縮されたのは、十余年のデザインの進歩を感じさせます。新要素のプロパガンダ合戦も、ちょっと雑だった終盤を引き締める良改良でした。


Red Storm: The Air War Over Central Germany, 1987 - GMT Games()

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「Downtown」(2004)に始まるGMTの空戦シリーズ第4作。今回の舞台は1987年の西ドイツ南部における、第三次世界大戦の航空作戦。ウォーゲーマーには見慣れたマップの上で、いわゆる作戦級陸戦ゲームにおける航空支援のコラムシフトや阻止攻撃を届けるため、航空部隊はどんな戦いを繰り広げていたのかを追体験する「空の作戦戦術級」。
「Elusive Victory」のリハビリからPlay by Twitter戦の実験など、今年の前半はすっかり本シリーズに染まっていました。懸案のBloody Aprilと合わせて、再始動してゆきたいシリーズです。


High Frontier 4 ALL - Sierra Madre Games ()

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先の「Origins」に続くSMGの出世作。近未来の太陽系開発をテーマにした「High Frontier」(2010)のシリーズ最新版。不完全燃焼の第3版から、再び暴走した制作チームがありとあらゆる要素を詰め込んだ結果、ルールブック7分冊に追加モジュール2本という怪物に進化。しかし旧版の問題点の改良により、特にモジュールを追加したいわゆる「フューチャー戦」の見通しが格段に良くなったのは、全部入り好きの坂戸シエラ会的としては高ポイント。来春に予定されている宇宙勢力の独立戦争モジュール「Conflict」の期待も高まります。ルールは既に読み込みましたが、あれ完全に「21世紀技術での外惑星動乱」ですよ。

 

◆以下次点

OCS最新作「Hungarian Rhapsody」は、シチェーションも練られた良作ではあるのですが、相変わらず大小極端なシナリオしか用意されていないのが惜しい。
HF4Aのライバルと目された「Steller Horizons」も、意外に親しみやすいオールドスクールのルールで、なぜそんな極端なシナリオしか用意しないの?という同じ問題が。
インストいただいた作品では、封建領主の動員システムが秀逸な「Nevsky」。これは今後も伸びそうなシリーズでした。
飛び入りでは20余年ぶりの「St-Lo」も、旧友とのプレイを思い出す懐かしい佳作でした。

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