テーブルダービー2 : 家庭内 2022/01/23
先日の「クトウルフ神話TRPG」で味を占めたムスメにそそのかされ、新たな同人作品に手を出したN村家より。
「テーブルダービー2」宿屋の二階 (→)
いわゆる「ウマ娘」コンテンツをテーマにした同人TRPG。「ウマ娘」については「女子長距離走アスリートのスポ根もの」くらいの認識でOKです。「いや違うだろう」という人には説明不要ですね?
TRPGとしてのシステムは、トレーニング(2ラウンド)からレース(4ラウンド)までのセットを、プレイヤー手番ありの固定シークエンスでプレイする、いわゆる「シーン制TRPG」の作品。わき道にそれた日常プレイにはひと工夫が必要ですが、それだけに良く練られたレースシステムはユニークかつ巧妙です。
セッションの柱となるレースの決着は、レース最後の「ゴール前」ラウンドの決着判定ロールの大小だけという大胆なもの。ロールに使用するダイス(1d6~6d6)はその時点の「気合値」で決定。気合値はシナリオ開始時の底値(1:1d6)から上昇一方で、最適値(10:6d6)から行き過ぎてもダメ(15:4d6-2)。振れ過ぎれば(16+)レース後の故障(負傷)も発生します。
システムのキーとなる気合値は、判定のロール前にその時点の「やる気」に応じて1~3点だけ上昇させることができます(任意かつ上昇値は固定。上昇後の値でロール)。またレース中のポジション移動や順位争い、特殊スキルの発動ごとに、気合値は勝手に上昇してゆきます。
また「ゴール前」ラウンドでのポジションに応じて、決着判定ロールには不利な修正(0~-5)が追加されます。もちろん前方のポジションほど有利なのですが、無暗に順位を争うと気合が行き過ぎ「かかる」状態となってしまいます。このため単純にポジションを上げてゆくだけでなく、争いの少ない後方待機からポジション不利を覆す特殊スキルでの逆転を狙う差し、追い込みタイプの戦術が巧みに表現されています。
そしてトレーニング中を含め、ゲーム内のすべての判定はこの気合値を用いた「ウマ娘判定」で実施されます。すべてが「いかにゴール直前に最適な気合値で到達するか」という一点に集約されている見事なデザインです。
実際のプレイでは「ゴール前で最後方から『凄い脚(気合2:ポジション修正無視)』と『規格外の末脚(気合2:+1d6)』の両スキルを使う想定で、1点分の余裕を見て気合5でスタートしたい。となるとトレーニングでは……」と作戦を立て、レース本番ではそれぞれの思惑で歯車が狂ってゆく……といった展開となります。ちなみに実際にこの作戦で挑んだレースでは、スタートでトップに立ったプレイヤーが超ハイスピードのレース展開を選択。毎ラウンドついてゆくだけで気合を引き上げられ、ゴール前では気合高めの両スキルを使う余力もなく惨敗に終わりました。
というわけでプレイの方は、新人三人(父母ムスメ)のジュニア戦一年間のショートキャンペーンを開催。グタグタのデビュー戦から、個性に応じた戦略を組み立てる最終戦まで駆け抜けたのでした。逃げのムスメ、追い込みの父を破って2勝をもぎ取ったのは、臨機応変に先行と差しを使い分けた母担当のウマ娘でした。
◆おまけの余談
こちらは後日、老舗のウォーゲーム系某サークルに本作を持ち込んだときのお話。この日のセッションは4人戦で、こちらも新人戦からの3レースが終了。2勝先行のエースをライバルが僅差で破る展開に卓の感触も良好。では延長して追加のレースを……と思ったところ、3戦全敗のプレイヤーから「心が折れた。引退する」との宣言が。
このプレイヤーはボードゲームもTRPGもベテランの方で、安心しきってプレイヤーへのケアを雑にしていたこともあり、正直「え?」と隙を突かれた思いでした。考えてみれば、最初から手駒と割り切ったボードゲームや、勝利も敗北もプレイヤー同士で分け合う一般的なチーム戦のTRPGとは異なり、本作はプレイヤー同士に勝者と敗者がある個人戦。ほとんどボードゲーム的なシステムとはいえ、多少なりとも手塩にかけたキャラクターとなると敗北の重みも違う。ロールプレイ慣れしたベテランは入れ込んでしまうものなのだなぁと、手癖のマスタリングを反省したセッションでした。
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