HF4A, Module 4 Exodus レビュー
「Tools 1」に続いて、HF4Aの新モジュールも紹介しておきます。このへんはなかなかプレイヤーが集まらないんですよね。
High Frontier 4 All, Module 4 Exodus - ION Game Design / Sierra Madre Games (→)
「High Frontier 4 All」シリーズの追加モジュール第4弾。宇宙政策(M0)、核動力ロケット(M1)、宇宙植民者(M2)、地球外紛争(M4)に続く今回のテーマは、恒星間宇宙船の建造とそのアイソトープ燃料の調達。このための新要素として、本モジュールでは新デッキ「コントラクト」、宇宙植民者のサイボーグ化「強化インプラント」、アイソトープ燃料経済「アイソバンク」が導入されます。シリーズ構成としては「Core Game」に任意のモジュールを任意の組み合わせで追加して使用する、というスタイルを踏襲しています。
◆コントラクト
いわゆる「お使いミッション」。既存のパテント・カードと同様、質量と放射線耐性を持つ宇宙機のモジュールで、専用のオークションで落札すると前金を獲得。ブーストして指定された目的地まで(一部は往復)輸送するとミッションを達成。指定された特殊能力や、後述の「強化」を獲得します。そしてコントラクト・オークションの入札は「ミッション達成までのターン数」で、もちろん顧客は短納期を求めています。目的地は月への往復だけの「アルテミス計画」から、木星の前方・後方トロヤ群をめぐって帰還する「トロヤ群監視拠点」、天王星の衛星まで飛ばされる「ディープスペース・ワン」まで様々。納期遅延のペナルティはかなり厳しいため、基本的には自分の計画に相乗りできる目的地のコントラクトを、タイミングよく狙ってゆくことになるでしょう。
またコントラクトには恒星船モジュールの建造や試験にかかわる「エクソダス計画コントラクト」という特別なデッキも用意されています。後述の恒星船を出発させるためには、この達成がフラグのひとつとなっています。
◆強化とインプラント
コントラクトの達成報酬として入手できる「強化」チットは、宇宙環境に適応した6分野12種類のサイボーグ化技術です。この強化チットは「インプラント・オペレーション」によりコロニストに配置し、指定の特殊能力を付与します。
これは単純にコロニストの能力を拡張するほか、本モジュールではカードを紫面にグレードアップする「プロモーション・オペレーション」に、指定数の強化を持つコロニストの同席が必須となりました。一番条件の緩いコロニストの場合は「対象のコロニストが1個以上の強化を受けている」ですが、最難関のTW級スラスターの場合は「同席するコロニストの強化が合計で4個以上」といった具合です。コントラクトの達成とそれにより獲得される強化が、実質的のゲーム進行のフラグとなっている、という格好です。太陽系開発のためにはさまざまな外部組織と協調し、交流を進めていく必要があるというわけです。
◆アイソバンク
こちらはモジュール3で部分的に導入されていた、宇宙経済のアクア(水)基軸から、アイソトープ基軸への移行を整理、拡張したルールです。「静止軌道エレベータ」または「ロフストーム・ループ(打ち上げ軌条)」が建設されるか、いずれかのプレイヤーがGW/TW級スラスター用のアイソトープ燃料を精製した時点でこの基軸通貨の移行が発生。ゲーム的にはハザードロール免除ルール「FINAO」のコストが4アクアから1アイソトープに変更されます。
またこの取引市場として「アイソバンク」が登場。各プレイヤーのアイソトープの支払いは、備品プールではなくこのアイソトープ庫に対して実施され、プレイヤーとNPC(投資家)を合わせた太陽系内のアイソトープ資産がアイソバンク内のゼロサムで管理されるようになります。またアイソバンク内では、プレイヤーのアイソトープを10アクアで投資家に売却することも、10アクアで投資家のアイソトープ在庫を購入することも可能です。
そしてこのアイソバンクとアイソトープ庫は、テーマ的には恒星間宇宙船の建造ドックと、その燃料保管施設を兼ねた一大プロジェクトの拠点施設でもあります。「エクソダス計画コントラクト」で船体モジュールを建造し、インプラントを受けた「強化状態コロニスト」からクルーを選抜、必要なアイソトープ燃料が「アイソバンク」に貯蔵できれば、このプロジェクトのフラグは完了。亜高速恒星間探査船「エクソダス号」を出発させることができます。ゲーム的なギミックとしては、エクソダス号が無事に太陽系外に離脱できた場合、提供したアイソトープ量に応じたVPが各プレイヤーに分配されるというボーナス要素が追加されます。ちなみにフラグのうち最も困難なのがアイソトープ燃料の蓄積で、1人プレイでも最低6個、6人プレイでは28個以上の調達が必要です。割と本気で取り組まないと達成できないのではないか?というバランスです。
◆「Interstellar」連結
当然ながら本作、同時にリリースされた亜高速世代宇宙船による恒星間植民・探査ゲーム「Interstellar」と連動した内容となっています。本モジュールで「エクソダス号」が出発できた場合、この燃料とコロニストの「強化」を引き継いで「Interstellar」を開始する、という格好です。「Bios Earth」キャンペーンは、ついに太陽系外へと到達しました。
というわけで新要素満載の新モジュール。特に36枚両面のコントラクト・カードで提供されるミッションは盛りだくさん。アイソトープ経済や恒星間宇宙船まで到達できなくても「Core Game+M4」だけでも、多彩なミッション(コントラクト)で盛りだくさんな内容となっています。いつもの愚痴はこのあたりから。
HF4A M4 Exodus 見切りで着手しました(行動宣言)。原文23ページ。 https://t.co/gRtDCrBnYE 追加要素は達成ボーナスのあるミッション、このボーナスによるコロニスト強化、M3で登場したアイソトープ基軸経済圏の再録、等々。M3よりは普通に導入できそう。 #HF4A #HF4AM4
— N村 (@enumura) January 12, 2022
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