1972 The Lost Phantom : 2024/12/24
某所でナラティブ系の作品が話題になっておりましたが、歳末の空き時間にタイムリーなこちらを引っ張り出してみました。
1972 The Lost Phantom - Mike Heiman (→)
ベトナム戦争中に撃墜された海兵隊パイロットのサバイバルをモチーフにした、いわゆる「紙ペン」のソリティアゲーム。デザイナーのMike Heimanの商業作品はウォーゲーム方面では「USS Laffey」だけではないかと思いますが、本作を含め多数のソリティアゲームをBoardGameGeekで公開しています。画像はVASSAL版で、ソリティアにはこちらも便利です。
ゲームのスタイルは白紙マップに発見した地形や遭遇を書き込んでゆくという、空白世界の踏破もの。TRPGのランダム遭遇野外アドベンチャーや、ベテランのウォーゲーマーには「ドンキーコマンド」方式と言ったほうがわかりやすいかもしれません。プレイヤーの担当するパイロットは、マップ左端のパラシュート降下地点から、海軍砲艦がパトロールしているはずのマップ右端の河川までの踏破を目指します。
ゲームシステムは隣接空白ヘクスの内容とイベントを判定したのちに、現在の「耐久力」の個数のダイスを「移動」「潜伏」「回復」の各フェイズに分配。各フェイズでは、それぞれ現在のヘクスの地形に応じた成功値に対して、d6ロールでの成功判定を実施します。ここで複数のダイスが割り当てられている場合、どれか1個でも基準値を満たしていれば、ロールは成功という、リソース配分ゲームとなっています。
判定の結果は「移動」が成功すれば隣接ヘクスへの移動が成功、「潜伏」に失敗すると「北ベトナム軍捜索隊との距離」が減少、「回復」は成功すれば「体力」が回復し、失敗すれば減少します。またいずれの判定も上方ロールなのですが、6の出目を採用した場合は「成功したが無茶をした」として「体力」が減少してしまいます。「捜索隊との距離」や「体力」が尽きればそれぞれゲームオーバーです。
基本的なシステムはこれだけで、あとはイベントでバリエーションを持たせているという格好です。内容的にもマップ1ページ、ルール2ページ、イベント3ページという手軽のもので、ルールを読み込みながら30分ほどでプレイできました。
また冒頭の話題に挙げたソロジャーナル要素として、オプションルールとして「ジャーナリング(手記)フェイズ」が設けられており、そのターンのプレイ内容を「豪雨でジャングルが川となっていた。ベトコンの気配がしたので先を急いだが、疲労困憊だ」などとナラティブに記録することが推奨されています。個人的にはいつものスタイルなのですが、この手のゲームのルールとして取り上げられているのは初めて見ました。
というわけで、クリスマス・イブだというのにベトナム中部のジャングルへ。豪雨イベントが続いたくらいで中盤までは比較的余裕のある進行だったのですが、捜索隊との距離が詰まったことに焦り、豪雨をついて強行渡河したのが失敗。この消耗と体力回復の失敗が重なり、道半ばでMIAとなったのでした。
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