Pax Hispanica : 山田会 2025/03/02
山田邸での2025年最初の対戦は、絶賛プッシュ中のPAXシリーズ最新作より。
Pax Hispanica - ION Game Design / Sierra Madre Games (→)
本作はスペイン新大陸植民地を支配する強力なスペイン陣営と、それに挑む各国という構造から、プレイ人数により4-5名:スペイン陣営プレイヤーあり、2-3名:スペイン陣営は初期配置のみでアクションしない、1名:BOTでアクションするスペイン陣営との1対1、という設定となっています。今回は山田洋行氏との2人対戦のため、本来ならアクションしないスペイン陣営に対するプレイヤー2陣営の壁打ちという設定なのですが、スペインBOTの動作確認とそのアクションを体験していただくため、プレイヤー2陣営対スペインBOT(太陽王)の設定でプレイを実施しました。当然ながら多少の調整は必要でしたが、さほど違和感なく動作しました。
というわけで今回は、新大陸から欧州覇権戦争の軍資金調達をもくろむ「太陽王」スペインに挑む、イングランド(山田洋行氏)とフランス(N村)という変則2人戦。イエズス会に支援されたフランスは奴隷解放路線、私掠船の運用に一日の長を持つイングランドは情勢をうかがいながら、軍資金調達と海賊王の両にらみでゲームはスタート。まずはさておき、各陣営とも船の確保に乗り出します。
プレイヤー陣営が資金不足に苦しむ序盤戦、BOT特別ルールの資金力にものをいわせたスペインは、次々と船舶カードを落札。2巡目には早くもフルスタック3隻艦隊を編成します。プレイヤー陣営が半端な艦隊を繰り出せば、この無敵艦隊が迎撃。違法植民地や伝道所を築いても、陸戦隊に蹂躙されるという臥薪嘗胆の序盤戦が続きます。
ここで転機となったのは、航海術に勝る私掠船、密輸船船長の登場。コンキスタドールが主体となったスペイン艦隊は航海術に劣ることから、これらを誘い出して航海術勝負でスペイン艦隊と相打ちに持ち込むこと数戦。英仏はようやく無敵艦隊を抑え込むことに成功します。
またこの艦隊消耗戦の過程で、フランス艦隊は行きがけの駄賃にスペイン植民地を片端から襲撃。先住民の教化などという迂遠な手段ではなく、奴隷植民地自体を消滅させることによる奴隷解放勝利をもくろみます。対するイングランドは哲学ボード上でモラトリアムを繰り返しながら、スペイン王を中年危機に放り込んで迷走させると、このお株を奪って王党派路線に転換します。
こうしてフランス艦隊がカリブの奴隷植民地を壊滅させるか、イングランド私掠船団が本国に戦費を献上して爵位を獲得するのが先かという終盤戦へ。そしてここでフランスの思わぬ誤算となったのが、17世紀中盤からのアフリカ人奴隷の新大陸流入イベント。通常の設定では、奴隷植民地では産物を産出するたびに消耗した奴隷労働者が除去され、カリブ先住民の人口限界により奴隷植民地は衰退。植民地の維持発展のためには、教化された市民の賃金労働者が必要……という構造となっています。フランスはこの流れを加速して勝利しようというポジションだったのですが、このアフリカ奴隷イベント以降は奴隷の恒常的な流入により、奴隷消耗のルールが適用されなくなってしまいます。聞いてないよ!
これでフランスの行き足が止まったところで、待望の爵位を得たイングランドが残された数少ないスペイン植民地を襲撃して財宝を奪取。これを本国に献上し、イングランドの王党派勝利に終わりました。大西洋奴隷交易許すまじ!
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