LC, Gotland Redux & Red Sky : GCS 2025/04/20

先月の坂戸例会から、この部屋の写真でフリッカーが収まらず困惑中のＮ村です。

Meeting Engagement: Gotland Redux, Littoral Commander: Baltic - The Dietz Foundation (→)

前作経験者お二人へのインスト戦。北欧紛争の南側面となるバルト海のゴットランド島を占拠したロシア軍海軍歩兵に対し、アメリカ軍が奪回の両用戦隊を差し向けたという、本作の練習シナリオ。新登場の搭載可能艦船（揚陸艦）と関連する搭載持続JCC（艦載輸送ヘリ、揚陸艇）の運用学習用、という位置づけです。ゲーム内の様々なギミックを紹介するため、設定とTF編成に無理矢理感があるのも前作の「Meeting Engagement」同様。そこは割り切って練習しましょう。

展開は米軍（Forger氏）が守備隊不在のゴットランド島南部の港に強行突入。海兵隊の展開を開始します。対するロシア軍(I氏)は、住民のSNS投稿（JCC「ソーシャルメディア活動」）からワスプ級強襲揚陸艦の存在を確認すると、数派にわたるSSM攻撃を実施。これは護衛のDDGといち早く展開した海兵隊防空ユニットに阻止されますが、この間にロシア軍自走砲部隊がひそかに接近。最大射程で122mm砲弾を叩き込むと、下船待ちの部隊もろとも揚陸艦を大破炎上させる大金星を挙げます。さらっと追加された新ルール（火砲砲兵は迎撃不可(7.52)）が、さっそく活用された格好です。

大失態となった海兵隊は、上陸済みの海兵小隊（無人戦闘車両随伴）のみでロシア軍を追撃。島中央部の荒野で、こちらも南下してきたロシア軍海軍歩兵小隊（T-14戦車無人仕様随伴）が激突。戦力的には無人車両の火力に勝るロシア軍が優勢でしたが、ダミーで攻撃を吸収した海兵隊がロシア軍兵站中隊と自走砲中隊を撃破。これで継戦能力を失ったロシア軍は、最後の弾薬を抱えたロケット砲兵に望みを託しましたがこれは失敗。撃破部隊数と上陸部隊数による勝利判定はアメリカ軍辛勝。とはいえ揚陸艦の撃破はロシア軍の精神的勝利、という感想戦となりました。

Red Sky, Littoral Commander: Indo Pacific - David Wallach (→)

続いては大規模航空戦をというI氏の要望により、米海軍士官作成の有志投稿シナリオをプレイ。米中両陣営とも初期手札として10枚以上のJCC（過半が航空戦力）が指定されている大規模シナリオで、艦隊の撃破または沖縄に展開する海兵隊防空ユニットの撃破が争点となります。今回は米軍2名、中国軍1名に進行役（Ｎ村）でプレイを実施しました。

展開はまず沖縄北西海域で米中SAG隊の衝突が発生。先制攻撃でDDG(X)を撃沈された米軍SAGは、沖縄本島の東側へと対比します。これに続いて中国軍支隊のSAGが、沖縄南西部に接近。激しい航空戦の末に発見された海兵隊防空ユニットが、中国軍SAGからのSSM飽和攻撃により撃破されます。生き残った海兵隊は、HIMARSと海洋打撃トマホークにより中国軍の両SAGに反撃。攻撃が分散したためこの攻撃は中国側の迎撃で完封されますが、この一連の戦闘で中国艦隊はSSM/SAMのほとんどを消耗。作戦続行不能と判断した中国側の投了となりました。

大規模戦闘をやってみようという趣旨はわかるのですが、追加分の初期JCCを両陣営に均等に追加した設定であるため、展開が大味。また勝利条件も練られておらず、攻め手の中国側に少々厳しい。感想戦では本作は海兵隊が先遣部隊として活動するグレーゾーンからのエスカレーション段階に最適化されており、単純に部隊規模を水増ししたような大規模戦闘には向いていないのではないか？という話題となりました。

また感想戦で話題にした、別の沖縄戦シナリオ「Hold the Line」がこちら(→)。こちらも初期JCCを指定してたうえに4TF（3TF & JCC専任プレイヤー）同士が激突するという今回以上の大型シナリオですが、非対称な設定（中国軍は弾道ミサイル、米軍は航空戦力重視）と勝利条件（中国軍揚陸艦の沖縄到達）が工夫されているのがポイント。AARもこちらに(→)。この大型シナリオをＮ村が2人対戦用に軽量化したものが「小さなウォーゲーム屋さん」添付ルールに掲載していただいた「列島戦を死守せよ（軽量版）」です。

インスト完了。両陣営事前計画中。 pic.twitter.com/SpIvl3hcFH

— Ｎ村 (@enumura) April 20, 2025