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Littoral Commander : The Baltic - ゲームレビュー

前作の東アジアから舞台は一転。構想公開時(2022年初頭)は「きな臭いとはいえそこなの?」という雰囲気だったのですが、いやはや。

Littoral Commander: Baltic - The Dietz Foundation ()

アメリカ海兵隊再編計画「フォース・デザイン2030」教育ゲーム「Littoral Commander」シリーズの第2作。前作の東アジアのリムランドから世界の反対側へ。バルト海とその沿岸を舞台に、アメリカ海兵遠征隊(MEU)および海陸軍と、ロシア海軍歩兵(RUNI)とロシア海軍バルト海艦隊(RUBF)との戦いを描きます。

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シリーズ・ゲームとしての立て付けは、エストニアからデンマークまでのバルト海とその沿岸を収録した4枚のマップに、11本のシナリオとそのユニット、統合作戦カード(JCC)を収録した独立したセットです。ルールは追加要素を含むバージョンアップ版で、前作「Littoral Commander: Indo-Pacific(LCIP)」の上位互換。本作のルールで前作をプレイすることも可能です(推奨)。前作経験者であれば、下記の差分のみ確認すれば即プレイ可能でしょう。とはいえレイアウトを改め、誤解を招きやすいルールの記述を詳細化した結果、ルールブック(原文)はついに100ページ越え。どうしてこうなった。

問題の追加要素ですが、水陸両用作戦の基盤となる各種揚陸艦とそのアセットを再現するため、新たなユニットとJCC、およびこれらをサポートするルールが追加されました。

新カテゴリーとして登場したのが、各種揚陸艦をあらわす「搭載可能艦船」(Embark-capable ships)ユニット。他のユニットやJCCを搭載し、これらを輸送し、活動の拠点となります。この各ユニットには固定翼機、ヘリコプター、その他(陸上部隊とその装備)の搭載容量が記載されています。これにともない、搭載可能なユニットとJCCには、搭載区分と容量をあらわす数値が追加されています。またこの搭載可能艦船を拠点として活動する艦載機、揚陸艇系のJCCとして「搭載持続JCC」(Embarked President JCC)という新カテゴリのJCCも追加されました。そしてこの搭載可能艦船に搭載された搭載持続JCCを運用するコアアクションとして「移動および/または搭載持続JCCのプレイ」(Move and/or Play an Embarked Persistent JCC)も新たに追加されました。

繰り返されるゲーム用語の「搭載」(Embarked)に頭が飽和しますが、「搭載可能艦船」に搭載された「搭載持続JCC」を「移動および/または搭載持続JCCのプレイ」で活性化します。理解しました?

ゲーム的な手順としては「搭載可能船舶(揚陸艦ユニット)」が1APで「移動および/または搭載持続JCCのプレイ」で「搭載持続JCC(エアクッション型揚陸艇や輸送ヘリコプター、等)」をプレイし、移動する揚陸艦から揚陸艇(ISRマーカー)が地上ユニットを搭載してマップ上に登場。揚陸艇カウンターは以後は通常の持続JCC同様に、毎ターンフリーで活性化する(指定のMPで移動して沿岸まで往復する)、という流れになります。カウンターが登場しない艦載機系JCCであれば、単に「母艦が撃破されると除去される持続JCC」として登場します。やってみると常識的なのですが、特にこのやたら長いアクション名はどうにかならなかったのか?

コア部分の追加要素はこのくらいで、陸海戦部分はほぼ前作のまま。両用作戦パートも「搭載可能(以下略)」さえ飲み込めば即プレイ可能です。あとは頑張って各陣営126枚に増加したJCCを読み込んでください。ちなみにデザイナーによると、プレイ前に開戦前の平時における様々な仕込みを重視し、ゲーム開始前の展開ステージに使用するJCCの割合を意図的に多くしてあるとのことです(3.24)。事前計画と認知戦!

恒例の和訳小ネタ集はこちらから。

 

◆収録艦艇名リスト

・アメリカ海軍

DDG-51:Arleigh Burke
DDG-80:Roosevelt
DDG(X)-106:未定
DDG(X)-107:未定
LHD-1:Wasp
LHA-8:Bougainville
LPD-17:San Antonio
LSD-41:Whidbey Island
LSD-49:Harpers Ferry

・ロシア海軍

CGN-099: Pyotr Velikiy
CGN-080: Admiral Nakhimov
CG-055: Marshal Ustinov
DDG-605: Admiral Levchenko
DDG-619: Severomorsk
DDG-626: Vice-Admiral Kulakov
DDG-650: Admiral Chabanenko
FFG-454: Admiral Flota Sovetskogo Soyuza Gorshkov
FFG-456: Admiral Golovko
FFG-461: Admiral Flota Kasatonov
FSG-530: Steregushchiy
FSG-531: Soobrazitelnyy
FSG-532: Boikiy
LHD-001: Ivan Rogov
LHD-002: Mitrofan Moskalenko

 

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